【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第五章

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 陛下はユーリ様が隣に並んだのを確認してから話し始めた。

「今日は急な開催だったのに参加してくれて感謝する。今回集まって貰ったのは、隣にいる弟のユーリを王太子に任命することを発表するためだ」

 陛下の突然の発表に会場内がざわつく。

 私の周りの人達も何となく予想は出来ていたんだろうけど、驚きは隠せないようね。

 ずっとミハイル様が王太子に選ばれると思っていたでしょうから、皆が驚くのは当たり前よね。

 今回のことがなかったら、ミハイル様が王太子に選ばれていたでしょうし、ユーリ様もミハイル様を蹴落としてまで、王太子になりたいって野望もなかったはず。

 ユーリ様が王太子に任命されて、不満そうにしてる人と安堵してる人に分かれている。

 不満そうにしている人は、ミハイル様が王太子に選ばれたら、自分達に都合の良い傀儡に出来ると願望を抱いていた人達でしょうね。

 ユーリ様や陛下がそれを許すはず無いのに、愚かなことを考える人は一定数いるのよね。

 安堵してる人達は、ミハイル様の普段の様子を見ていて、不安に感じていた人達でしょうね。

 陛下はユーリ様に一言挨拶をするように促す。

「まず最初に突然の発表で、皆さんを混乱させてしまったことをお詫び申し上げます。陛下から王太子になるように任命していただきました。まだまだ未熟者ですが国のために精進していく所存です」

 はぁ~、ユーリ様がカッコいい。

 あんなに素晴らしい人が私の婚約者なんて、今でも信じられないわね。

 身分だけを考えたら釣り合ってるのかもしれないけど、私はユーリ様よりもかなり年下ですし、何か申し訳なく感じるわね。

「陛下!!発言の許可をいただきたい」

 会場内にブルーム侯爵の声が響き渡る。

 ミハイル様の婚約者候補のパトリシア様のお父上のブルーム侯爵が不満そうな顔をしていた。

 いきなりあんな発表をされたら、不満に感じるわよね。

「ブルーム侯爵か。発言を許す」

「王太子にはミハイル様が選ばれていたはずです!!ユーリ様は王位継承権を放棄されて宰相におなりになったはずですよね。それなのに急に王太子になるなど、私達に納得のいく説明をしてください」

 すごく真っ当な意見ね。

 自分の娘がミハイル様の婚約者候補に選ばれてるなら、それを知る権利は侯爵にはありますからね。

「そなたには事前に知らせることが出来ずに済まなかった。説明出来なかった理由をこれから話すつもりだった。ミハイルは回復の見込みがない病に苦しんでいる」

 突然の告白に周りは騒然とする。

 急に回復の見込みがないって言われたら、誰だってびっくりするわよね。

 しかもその病気になってるのが、王太子に選ばれるって思っていたミハイル様なんだから、色々と憶測が飛び交ってもおかしくない。

「それは事実なのですか?そんな噂を一切聞いたことがありませんが」

「全て事実だ。ミハイルの他にも王宮内で複数人が犠牲になっている。ミハイルと同じように回復の見込みがないものが5人現れている」

 王宮で働いてる人達を魔導具で確認したら、複数人が魅了に掛かっていたのよね。

 魅了されてから時間が経っていなかったのか、全員が廃人になる前に解放された。

 だけどミハイル様とテイラー伯爵夫人と、リリヤ嬢達がいた修道院の数人が廃人になってしまった。

「なっ!?それは感染病ってこと何じゃないですか!!それなのに我々をここに呼んだのですか!!我々も道連れにするおつもりか!?」

 凄い勘違いをされている。

 ブルーム侯爵の発言に会場内が一気にざわつく。

 我先にとこの場から離れようとするものもいるけど、入口で待機していた騎士たちが止めている。

 でもあれが一般的な思考ですわよね。

「落ち着きなさい。病の発見が早ければ問題なく回復する。私の妻である王妃もミハイルと同じ病だったが、今では回復して何も問題がない」

「ですが!!こんな危険な時期に大勢をこんな場所に集めるなど、考え無しにも程があります!!もしも病に掛かってなかったものが、ここに来たことで病に掛かったらどう責任を取るおつもりですか」

 御尤もな意見。

 パトリシア様は過激な人だから、その親であるブルーム侯爵も性格に難があると思ってたけど、偏見はいけないわね。

 娘をミハイル様の婚約者候補として送り出すのだから、野心は強いのかもしれないけど、咄嗟にあの発言が出るってことは判断能力は優れてるはず。

「その心配はない。今日のパーティーはユーリが王太子になることの発表ではあるが、1番の目的はここに居る者たちが病気に掛かってないか確認するためだ」

「一人一人診察をするおつもりですか?どれだけの人数がいると思ってるのですか!?感染表なら大勢が長時間密集すればするほど、危険度は上がるのですぞ!!」

「その心配はない。診察に時間は掛からない。この病気は初期状態なら一瞬で治すことも出来る。治療法をユーリとサフィナ公爵令嬢が見つけてきてくれた。皆には順番にこの魔導具に触って欲しい」

 陛下は安全を保証するために魔導具を使い安全なのを見せる。

 次にユーリ様と王妃様も続いた。

「最後まで病って突き通すつもりなんだな」

「それは仕方ないと思いますわ。魅了魔法って言われても、誰も信じませんわ。感染病って言われたほうが信じられますもの」

 お兄様とレイチェルは確かにと納得する。



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