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二章
必要性
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「……そこまで、わかっているのか」
もう一人の僕ーー面倒だから悪魔と呼ぶことにするーーは、ふっ、と笑うと、僕をみた。
「お前が、我に……興味があるとは思えないが?」
「その言い方気持ち悪いからやめなよ。ここにはソフィアはいない。僕だとバレる心配もないよ」
僕がそういうと、悪魔は笑みを引っ込め、真顔になった。
「……そうだな」
「それで、『僕』は、わざわざ、別の世界からやって来てまで、救いたかった女の子は救えた?」
小屋の空気がぐっと下がった。
「なにがいいたい?」
僕の目を睨みつけるその真紅の瞳は、怒りに満ちていた。
「『僕』が神になったのも、悪魔になったのも全部、彼女のため。おそらく君の世界のソフィアは、死ーー」
続きは言えなかった。
悪魔に壁に押し付けられ、胸ぐらを掴まれる。
「それ以上、無駄口を叩くな。さっさと本題をいえ」
……やっぱりか。
僕の中にある推論が形を持っていくのを感じながら、悪魔を見つめ返す。
「ーー【女神の使い】の条件が知りたい」
悪魔は胸ぐらを離すと、はっと鼻で笑った。
「……想像は、ついているだろう」
「でも、想像はあくまでも想像だ。確証が欲しい」
「僕がそう易々と教えるとでも?」
悪魔の言葉に、笑う。
それこそ、お笑い種だ。
「教えるさ。ソフィアの幸せのためになるんだから」
悪魔は、ため息を吐いた。
「……僕はお前を憎んでる」
「知ってるよ。この世界の前の僕はソフィアを不幸にしたからね」
今の僕とメリアはそうでないとしても。
ソフィアという妻がありながら、不貞をした僕も裁かれるべきだろう。
「……だからこそ、今の僕がソフィアを不幸にしない確証が欲しい」
考えるように俯いた後、そうだな、と悪魔は頷いた。
「女神の使いの条件は、神視点での恋をする相性の良さだ」
「……つまり実際に恋をしているかどうかは関係ないわけだね」
悪魔は頷いた。
今まで僕たちのような問題が起きなかったのは、相性がいい者どうしで実際に恋愛関係になっていたからだろう。
現に元の世界でメリアに恋をしたはずの僕は、ソフィアに恋をしている。
「ふーん、ということは……やっぱり僕は神になる必要がありそうだ」
もう一人の僕ーー面倒だから悪魔と呼ぶことにするーーは、ふっ、と笑うと、僕をみた。
「お前が、我に……興味があるとは思えないが?」
「その言い方気持ち悪いからやめなよ。ここにはソフィアはいない。僕だとバレる心配もないよ」
僕がそういうと、悪魔は笑みを引っ込め、真顔になった。
「……そうだな」
「それで、『僕』は、わざわざ、別の世界からやって来てまで、救いたかった女の子は救えた?」
小屋の空気がぐっと下がった。
「なにがいいたい?」
僕の目を睨みつけるその真紅の瞳は、怒りに満ちていた。
「『僕』が神になったのも、悪魔になったのも全部、彼女のため。おそらく君の世界のソフィアは、死ーー」
続きは言えなかった。
悪魔に壁に押し付けられ、胸ぐらを掴まれる。
「それ以上、無駄口を叩くな。さっさと本題をいえ」
……やっぱりか。
僕の中にある推論が形を持っていくのを感じながら、悪魔を見つめ返す。
「ーー【女神の使い】の条件が知りたい」
悪魔は胸ぐらを離すと、はっと鼻で笑った。
「……想像は、ついているだろう」
「でも、想像はあくまでも想像だ。確証が欲しい」
「僕がそう易々と教えるとでも?」
悪魔の言葉に、笑う。
それこそ、お笑い種だ。
「教えるさ。ソフィアの幸せのためになるんだから」
悪魔は、ため息を吐いた。
「……僕はお前を憎んでる」
「知ってるよ。この世界の前の僕はソフィアを不幸にしたからね」
今の僕とメリアはそうでないとしても。
ソフィアという妻がありながら、不貞をした僕も裁かれるべきだろう。
「……だからこそ、今の僕がソフィアを不幸にしない確証が欲しい」
考えるように俯いた後、そうだな、と悪魔は頷いた。
「女神の使いの条件は、神視点での恋をする相性の良さだ」
「……つまり実際に恋をしているかどうかは関係ないわけだね」
悪魔は頷いた。
今まで僕たちのような問題が起きなかったのは、相性がいい者どうしで実際に恋愛関係になっていたからだろう。
現に元の世界でメリアに恋をしたはずの僕は、ソフィアに恋をしている。
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