とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko

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乱入者2

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沈黙が苦しくなってきた正にそんなタイミングだった。

 「……マリーベル嬢!」
 
 ダニエルから事情を聞いたのだろう。
 
 外出先から戻ったレイが勢い良く現れた。
 
 かなり慌てふためいた様子な上、瞳には怒りが伺えた。

 (……どうやら、この令嬢は招かざる者だった?)
 
 私はメイドに扮して今から始まるであろうショーを楽しむ。

 「レイ!怪我は大丈夫?会いたかったわ!」
 
 レイが現れるや否や態度激変?
 
 ……いきなりか弱い令嬢モードですか?あなた!
 
 マリーベルと呼ばれた令嬢は、レイに駆け寄るといきなり抱きついた。

 (お、おっと!淑女の嗜みどこいったー?マリーベルさーん!)
 
 レイは明らかに不機嫌そうにマリーベルさんの腕をほどこうとするも、意外にもマリーベルさんの力は強いみたい。周りの人、ドン引きですけど?

 「もうっ!相変わらずつれない人っ!」

 (あちゃー。レイは嫌がってそうですけど?)

 「……とにかく、離れてくれないか?話も出来ないだろう」

  レイは半ば強引にマリーベルさんの腕を引き剥がした。

 「で、突然押し掛けてきて何の用事だ?」

 「だって、怪我したって聞いたから心配で。変な虫がついてたら困るでしょ?」

  ……へ、変な虫?
 まあ、確かにね……。

 「どうせ誰かに見張らせてるんだろう?怪我はこの館の皆さんが親切なおかげで良くなった。だから、今は恩返ししてるだけだ」

 「……そうよね、さすが私のレイだわっ」
 
 ……しかし、二人の温度差激しいわ……。

 「……君は兄貴と婚約したと聞いたが?」

 「あら、耳が早いこと。だって、誰かさんはつれないし、愛をささやいてくれる方のほうが良くなくて?でも、わたくしはレイも好きだから……。結婚したら愛人で良くてよ?」
 
 あ、愛人って?マリーベルさん!

 (というか、私なんていない扱いなんでしょうが、そんな話、ここでするー?)
 
 マリーベルさんの破壊力が半端ないわ。
 レイはそりゃあ、無言よね……。

 「……」

 「おまけに、最近裏でわたくしの弟と仲良くしてるみたいで?」

 「……ああ。君には関係ないだろう」

 「でも、レイのお兄様と結婚したら、いずれ関係あるお話でしょう?」

 「……何が言いたいんだ?」

 「とにかく、わたくしと仲良くして下さい、ということですわ。わたしく、意外と何でも知ってるのよ?うふふ。では、わたくしはこれで失礼しますわ。ケイン、帰るわよ」
 
 満足したのかしないのか?嵐のような去っていく。
 
 私はそのちょっと寂しそうな背中を見送る。

 (なんだかんだで、マリーベルさんはレイを心配してるんだろうなあ。強がりで可愛い人だ)
 
 私は久しぶりに見た貴族令嬢ショーをメイド姿で鑑賞させてもらった。
 レイはマリーベルさんの後ろから付き添って見送り出ていく。

「……はぁ。強烈だった……」

 「お嬢様、心の声が漏れすぎです……」
 
 マリアが紅茶を片付け始めた。

 「見るからに高位貴族の令嬢って感じだったしね。愛人って……。お子様の私には未知の世界すぎるわ」
 
 私はエプロンを外してワゴンに置く。

 「さて、マリーベルさんもお帰りいただいたし、私とレイは孤児院に行ってくるね。道中いろいろレイに聞かなくちゃ。楽しみー!」
 
 その後、私とレイはダニエルが手配してくれた辻馬車で孤児院に向かった。
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