48 / 73
事件
しおりを挟む
晩餐会の後にアレク様と少し夜の庭園を散歩してから自室に戻った。
アレク様は私にはもったいないくらい素敵な方だ。
知れば知るほど素敵な方。
心が少し惹かれているのは確かだった。
散歩の最後にアレク様から『留学もすぐ手配するから前向きに考えて』と言われ、滞在中に答えを出す、と返答した。
自室に戻ると待ち構えていた侍女軍団に支度され、湯浴みを終えるとようやくベッドにダイブできた。
(ふー、疲れた……)
いろいろありすぎた……。
いつの間にか瞼を閉じていた。
気がついたら朝だった。
起きると、かなり外が騒がしかった。
何かが起きたのは確かだった。
丁度朝の支度に訪れたカエラに聞いてみたが、曖昧な返事だったので私には知られたくないことだったのだろう。
「本日は、アレク殿下が急用につき、カイル・クラニエル様が商会関係の手続きに参ります」
カエラはテキパキと支度を済ませると、朝食の支度が始まった。
私はカエラにお礼を言うと淹れたての香り高い紅茶に手を伸ばした。
その後、時間通りに現れたカイル様と共にクラニエル商会に向かった。カイル様の表情がいつになく複雑な表情で、何となくアレク様の急用と関連があるような気がしたが聞いてはいけないような気がして触れなかった。
「カイル様、もし契約の後に時間があるようでしたら街を散策してみたいのですが宜しいでしょうか」
「もちろんだ。王宮からも護衛が来ているから安心して欲しい」
「ありがとうございます!楽しみです」
本当はアレク様と一緒に散策できたらもっと楽しかっただろうけど……。
(ううう……。期待してない?私……)
別に悪い事をしてるわけではないのに。
カイル様も流石のエスコート力で、きっとモテるんだれうなあと観察していた。
「カイル様は婚約されていらっしゃるのですか」
契約も無事締結し、街に向かう馬車の中で私はカイル様に質問してみた。
「……あ、いや……今はまだいない」
「そうでしたか。巷のご令嬢は放っておかないのでは?」
この手の話題が苦手なのだろう。
(お人柄が素敵ね……)
女性慣れしていないところも高感度が高い。アレク様の親友と言うのも頷ける。
そんなカイル様をからかいながら?の楽しい時間を過ごしていた。
馬車が街につくと、護衛からカイル様に伝言があったようで耳打ちしているが、カイル様の表情がどんどん暗くなるのがわかった。
(きっとアレク様になにかあったのね……)
直感でそう悟る。
「リリアーヌ嬢、大変申し訳無い。王宮で緊急事態につき、私も行かなくてはならない。アレク様もエスコートが難しいため、このまま隣国まで護衛が送って行く」
(帰国は明日の予定だからよっぽどのことがアレク様に起きたのね。おまけに、私には知られたくないことが……。あっ!そう言えば、確かレイが意味深なことを出発の時に言ってたような?)
「了解しました。アレク様と皆様にくれぐれもよろしくお伝え下さいませ」
何だかよくわからない隣国滞在はこうして終了した。
アレク様は私にはもったいないくらい素敵な方だ。
知れば知るほど素敵な方。
心が少し惹かれているのは確かだった。
散歩の最後にアレク様から『留学もすぐ手配するから前向きに考えて』と言われ、滞在中に答えを出す、と返答した。
自室に戻ると待ち構えていた侍女軍団に支度され、湯浴みを終えるとようやくベッドにダイブできた。
(ふー、疲れた……)
いろいろありすぎた……。
いつの間にか瞼を閉じていた。
気がついたら朝だった。
起きると、かなり外が騒がしかった。
何かが起きたのは確かだった。
丁度朝の支度に訪れたカエラに聞いてみたが、曖昧な返事だったので私には知られたくないことだったのだろう。
「本日は、アレク殿下が急用につき、カイル・クラニエル様が商会関係の手続きに参ります」
カエラはテキパキと支度を済ませると、朝食の支度が始まった。
私はカエラにお礼を言うと淹れたての香り高い紅茶に手を伸ばした。
その後、時間通りに現れたカイル様と共にクラニエル商会に向かった。カイル様の表情がいつになく複雑な表情で、何となくアレク様の急用と関連があるような気がしたが聞いてはいけないような気がして触れなかった。
「カイル様、もし契約の後に時間があるようでしたら街を散策してみたいのですが宜しいでしょうか」
「もちろんだ。王宮からも護衛が来ているから安心して欲しい」
「ありがとうございます!楽しみです」
本当はアレク様と一緒に散策できたらもっと楽しかっただろうけど……。
(ううう……。期待してない?私……)
別に悪い事をしてるわけではないのに。
カイル様も流石のエスコート力で、きっとモテるんだれうなあと観察していた。
「カイル様は婚約されていらっしゃるのですか」
契約も無事締結し、街に向かう馬車の中で私はカイル様に質問してみた。
「……あ、いや……今はまだいない」
「そうでしたか。巷のご令嬢は放っておかないのでは?」
この手の話題が苦手なのだろう。
(お人柄が素敵ね……)
女性慣れしていないところも高感度が高い。アレク様の親友と言うのも頷ける。
そんなカイル様をからかいながら?の楽しい時間を過ごしていた。
馬車が街につくと、護衛からカイル様に伝言があったようで耳打ちしているが、カイル様の表情がどんどん暗くなるのがわかった。
(きっとアレク様になにかあったのね……)
直感でそう悟る。
「リリアーヌ嬢、大変申し訳無い。王宮で緊急事態につき、私も行かなくてはならない。アレク様もエスコートが難しいため、このまま隣国まで護衛が送って行く」
(帰国は明日の予定だからよっぽどのことがアレク様に起きたのね。おまけに、私には知られたくないことが……。あっ!そう言えば、確かレイが意味深なことを出発の時に言ってたような?)
「了解しました。アレク様と皆様にくれぐれもよろしくお伝え下さいませ」
何だかよくわからない隣国滞在はこうして終了した。
71
あなたにおすすめの小説
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる