とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko

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帰国

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私はカイル様に言われるがまま馬車に押し込まれキールに戻ってきた。

(まあ、契約は交わしたし問題ないよね?)

結局、アレク様にはをすることは出来なかった。

(……ご縁がなかったかなぁ?)

そういうことだったのだ。

何かが起こっていたことは確かだけど、深入りすることも出来ないし……。

別宅に到着した頃には晩餐の時間になっていた。カイル様が先触れを出してくれたようで、レイが出迎えてくれた。

「……レイっ!」

私は馬車から降り、護衛にお礼をすると思わずレイに駆け寄っていた。

「……お帰り、リリー」

いつもよりレイの表情が気持ち明るく見える。

「……あちらで何かあったみたいで、すぐに送り帰されちゃった」

「……契約が締結できたなら任務完了だ」

私は締結した契約書をレイに手渡す。

「……疲れただろう?食事にしよう」




昨日のきらびやかな王宮での晩餐とはうって代わり、慣れたダイニングでの食事は話が弾んだ。

「隣国はキースと違って女子受けしそうなお店が多かったの。だから、キースでもやったら流行りそうな気がした。常設マルシェ的な位置付けでやったら楽しそう!」

「……そうだな。店舗候補をあたらせよう」

「……ありがとう!しっかし、昨日は王宮にずっといたから緊張しまくりで……。ようやく落ち着いたよ。アレク様が何かあったみたいで、ご挨拶出来なかったのが残念だったけど。レイは何か知ってる?」

私は探りを入れてみたがレイからは特に収穫はなかった。

「……あちらの支店に探りを入れさせよう。分かったら伝える」

「了解、ありがとう」

「……リリー、食事の後、部屋で話しないか?」

レイからの思わね誘いに即頷いた。

「では、食後のデザートをお部屋にお持ちしますね」

マリアが気を聞かせてくれたようだ。

「ありがとう、マリア」

慣れ親しんだ味はやはり安心する。

メイン料理の鶏肉のホロホロ煮を食べ終えると、レイと手を繋いでレイの部屋に向かった。



(考えてみたら、レイの部屋に来るのって初めて?)

元々は客室で、自分の所有する屋敷なのだが……。

(何となく気恥ずかしい感じがするのは私だけ?)

レイの背中を見上げながら、心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。
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