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この10年。表面上は本当に穏やかに過ごしてきた。優しくて完璧なパートナー。そして僕も、一生懸命家事をこなし、料理もほぼ完璧になった。
僕達は本当に仲睦まじく、喧嘩もせずにお互いを尊重し合ってやってきたけど、僕の心は変わることは無かった。
一度好きになってしまった智明への思いは消えることなく燃え続け、それでもいつか、智明も僕のことを好きになってくれるかもしれないと言う淡い期待を胸に抱いていた時もあったけど、その思いも虚しくそんなことは起きなかった。
そしていつも、発情期明けはその虚しさが酷くなる。
発情期の間、智明は僕を抱きしめて自身を埋め、そして一緒に高みに駆け上がっていく。僕への欲望を露わにして僕を求め、その精を存分に流し込むのだ。
確かにいつも、身体が繋がっている時は心も繋がっているのを感じるのに、発情期が終わると途端にいつもの距離に戻ってしまう。
今回もうなじを噛んでくれなかった。
そんな約束をしたことは無いけど、僕達はもう10年も生活を共にし、発情期も一緒に過ごしてきた。だけど、僕のうなじはキレイなままで籍も入っていない。
結局、智明は僕への責任感のためだけに一緒にいるだけで、番も結婚もする気がないのだ。
それを思い知らされるこの瞬間はいつも僕の心を締めつける。
せめて子供でも出来たら違うんだろうけど、そもそもその子供が出来ないから僕達は一緒にいるんだ。
だけど、僕はいつも願ってしまう。もしも智明との子供が出来たらどんなにいいだろう、と。
子供ができないと分かったあの時はまだ僕も子供で、その意味がよく分かっていなかった。だけど、大人になって誰かを好きになった今、その意味が心に深く突き刺さる。
誰かを好きになると、その人の子供が欲しくなる。
たとえ僕を好きになってくれなくても、その人との子供を強く願ってしまうのだ。
出来るわけないのに・・・。
分かっているのに次の発情期が来るとがっかりしてしまう自分に毎回うんざりするけど、また子供を願ってしまう。
本当にバカみたいだな・・・。
僕は智明の香りが染み付いたベッドの中に潜り込んだ。この発情期明けの智明の香りは濃くて僕を満たしてくれる。
普段はあんまり感じない智明の香り。だけどこの時だけは僕を包み込んでくれる。
痛む心を抑えて、僕はしばらく静かに布団の中で丸くなっていた。
午前中いっぱいベッドの上で過ごし、僕はようやく起き上がった。
シャワーを浴びて汚れた寝具を洗濯機へ入れる。その間に智明が用意してくれたごはんを食べながら、僕はふと部屋を見回した。
もうここに10年も住んでるんだな。
なんだか感慨深い。
その間、僕はただ何もしなかったわけじゃない。智明への思いに気づき、そして智明は僕を好きではないという事実を知って、僕は変わらなければならないと思った。
好きになってもらえてない人に、ただ責任という理由だけで一生面倒を見てもらうなんて、そんなの嫌だ。ましてやそれが、自分の好きな人だなんて。
好きになってもらえなくてもいい。だけど、幸せになって欲しい。自分が犯した罪の意識に苛まれながら、自分を殺し、相手に全てを合わせながら生きていくなんて、そんな人生を送って欲しくない。
そもそも僕は、自分の身に起こったことを智明のせいだなんて思ってない。
なのに勝手に自分のせいにして、僕に対して罪滅ぼしをしようとしている。
智明はそれでいいの?
好きでもない相手に、その一生を捧げるの?償いだから、自分の幸せなんて望んでないの?
それでも、僕を好きになってくれたらいいと思った。
そうしたら、これは罪を償うための苦行ではなく、幸せになるための努力になるから。でも、智明は僕を好きになってはくれなかった。僕だけが智明を好きになって、それを忘れることができないくらい大きな存在になってしまった。
でもね。だから辛いんだ。
大好きなのに、智明を苦しめてるのは僕なんだ。
この10年変わらず優しくしてくれたけど、その優しさを受けながら僕は苦しくてたまらなかった。
この優しさは、僕を好きだからじゃない。智明の罪の意識からなんだ。
僕は智明が僕を好きになってくれることを願いながら、智明がいなくても一人で生きていけるための準備をした。
外に出ることが出来ないから高校へ入ることは諦めたけど、学歴が『中卒』じゃ大した仕事はできない。だから、大検を受けることにした。
そのための勉強を智明のいない間にして、そしてバース専門のカウンセリングも受けてきた。
僕達は本当に仲睦まじく、喧嘩もせずにお互いを尊重し合ってやってきたけど、僕の心は変わることは無かった。
一度好きになってしまった智明への思いは消えることなく燃え続け、それでもいつか、智明も僕のことを好きになってくれるかもしれないと言う淡い期待を胸に抱いていた時もあったけど、その思いも虚しくそんなことは起きなかった。
そしていつも、発情期明けはその虚しさが酷くなる。
発情期の間、智明は僕を抱きしめて自身を埋め、そして一緒に高みに駆け上がっていく。僕への欲望を露わにして僕を求め、その精を存分に流し込むのだ。
確かにいつも、身体が繋がっている時は心も繋がっているのを感じるのに、発情期が終わると途端にいつもの距離に戻ってしまう。
今回もうなじを噛んでくれなかった。
そんな約束をしたことは無いけど、僕達はもう10年も生活を共にし、発情期も一緒に過ごしてきた。だけど、僕のうなじはキレイなままで籍も入っていない。
結局、智明は僕への責任感のためだけに一緒にいるだけで、番も結婚もする気がないのだ。
それを思い知らされるこの瞬間はいつも僕の心を締めつける。
せめて子供でも出来たら違うんだろうけど、そもそもその子供が出来ないから僕達は一緒にいるんだ。
だけど、僕はいつも願ってしまう。もしも智明との子供が出来たらどんなにいいだろう、と。
子供ができないと分かったあの時はまだ僕も子供で、その意味がよく分かっていなかった。だけど、大人になって誰かを好きになった今、その意味が心に深く突き刺さる。
誰かを好きになると、その人の子供が欲しくなる。
たとえ僕を好きになってくれなくても、その人との子供を強く願ってしまうのだ。
出来るわけないのに・・・。
分かっているのに次の発情期が来るとがっかりしてしまう自分に毎回うんざりするけど、また子供を願ってしまう。
本当にバカみたいだな・・・。
僕は智明の香りが染み付いたベッドの中に潜り込んだ。この発情期明けの智明の香りは濃くて僕を満たしてくれる。
普段はあんまり感じない智明の香り。だけどこの時だけは僕を包み込んでくれる。
痛む心を抑えて、僕はしばらく静かに布団の中で丸くなっていた。
午前中いっぱいベッドの上で過ごし、僕はようやく起き上がった。
シャワーを浴びて汚れた寝具を洗濯機へ入れる。その間に智明が用意してくれたごはんを食べながら、僕はふと部屋を見回した。
もうここに10年も住んでるんだな。
なんだか感慨深い。
その間、僕はただ何もしなかったわけじゃない。智明への思いに気づき、そして智明は僕を好きではないという事実を知って、僕は変わらなければならないと思った。
好きになってもらえてない人に、ただ責任という理由だけで一生面倒を見てもらうなんて、そんなの嫌だ。ましてやそれが、自分の好きな人だなんて。
好きになってもらえなくてもいい。だけど、幸せになって欲しい。自分が犯した罪の意識に苛まれながら、自分を殺し、相手に全てを合わせながら生きていくなんて、そんな人生を送って欲しくない。
そもそも僕は、自分の身に起こったことを智明のせいだなんて思ってない。
なのに勝手に自分のせいにして、僕に対して罪滅ぼしをしようとしている。
智明はそれでいいの?
好きでもない相手に、その一生を捧げるの?償いだから、自分の幸せなんて望んでないの?
それでも、僕を好きになってくれたらいいと思った。
そうしたら、これは罪を償うための苦行ではなく、幸せになるための努力になるから。でも、智明は僕を好きになってはくれなかった。僕だけが智明を好きになって、それを忘れることができないくらい大きな存在になってしまった。
でもね。だから辛いんだ。
大好きなのに、智明を苦しめてるのは僕なんだ。
この10年変わらず優しくしてくれたけど、その優しさを受けながら僕は苦しくてたまらなかった。
この優しさは、僕を好きだからじゃない。智明の罪の意識からなんだ。
僕は智明が僕を好きになってくれることを願いながら、智明がいなくても一人で生きていけるための準備をした。
外に出ることが出来ないから高校へ入ることは諦めたけど、学歴が『中卒』じゃ大した仕事はできない。だから、大検を受けることにした。
そのための勉強を智明のいない間にして、そしてバース専門のカウンセリングも受けてきた。
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