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第五章 策略
51 運命の相手1 ~運命のアルファside~
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加賀美は、最初に麗香を見た時一瞬で目を奪われた。
完璧な女性、加賀美の理想そのものの見た目だった。そして次に彼女に接した時に確信した。彼女は運命だと。
彼女を落とすのに必死で、本来アルファなら当たり前にすること――相手の調査をしなかった。仕事でたまたま知り合ったのも、運命の巡り合わせだと思い他を気にする暇がなかったのだ。
麗香からいつも仄かに香る香りが、加賀美の心を動かした。必死に口説き落として付き合うことになった時、初めて衝撃の事実を知った。
彼女はベータ。
だが、加賀美はそれが信じられなかった。なぜなら彼女からはいつも仄かにフェロモンが香っていたからだ。会社のアルファたちは、彼女からはフェロモンを感じないと言っていてが、加賀美には感じていた。
それはつまり、自分が運命だから。
きっと彼女はフェロモンが元から薄いのほのか。加賀美にだけはいつもほのかに香ってくるということは、自分だけが彼女に認めてもらえたということだと思い、舞い上がった。
それがなにかの誤作動だった。
今時オメガとしか結婚しないという時代遅れな考えは、加賀美の中にはもうなくなっていた。アルファかオメガとしか結婚を許されない古い家だったが、必死に両親を説得して加賀美は麗香とのことを認めさせた。
――絶対に逃がせられない。
オメガではない、ベータ相手にアルファの執着は始まっていた。
そんなある日のデートの待ち合わせで、それはいきなり訪れた。
ふいに、好ましい香りが鼻腔をくすぐった。向こうからは手を振って加賀美に向かってくる可愛い彼女。いつも彼女からほのかに香る花の香りが、なぜ通りを挟んだ向かい側から強く香ってきたことに疑問に思う。
麗香が自分のもとに来るのに、道路の向こうからの香りが気になって仕方なかった。そしてそちらの方向を見た途端、心臓が急に音を立てて深いところに響いてきた。
――運命だ!
向こう側にいる運命に、ついに加賀美は気が付いた。たがいに見つめ合った瞬間だった。驚いた顔をした少年がうずくまっていた。きっと、ヒートが起きたのだろう。今すぐいかなければ、彼を助けなければ、彼を手に入れなければ。加賀美は必至だった。
一瞬にして、普通の状態では考えないような思考がめぐらされた。
そこで声を掛けられる。
「お待たせ! 響也!」
「……っ、れい、か」
道路に足を向けた瞬間、麗香の声で我に返った。最愛の女性が笑顔でこちらに近寄る。
――俺は何をしている?
まだプロポーズはしていないが、結婚まで考えている女性がいるのに、なぜ会ったこともない少年にアルファの本質を突きつけられているのだろうか。
目の前には美しい彼女がいる。他の男たちを蹴落とし手に入れた最愛の女。
麗香は心配そうな瞳で加賀美の顔を見る。
「ええ、どうしたの? 夏バテでもした? 顔が真っ赤だよ」
「夏、バテ。そうかもしれない、すまない、ホテルで休みたい」
「え、わかった」
加賀美は麗香を連れて、すぐに近くのホテルに入った。
普段なら絶対に使わない種類のホテル、いわゆるやる為だけの場所だった。麗香は一瞬戸惑っていたが、加賀美の体温が急上昇しているのを感じたせいか、すぐに部屋に入った。
そして、加賀美はそのまま彼女を襲った。
行為の最中、何度もやめてと言われた。しかし加賀美はラットを起こしていて、彼女の中に精を吐き出さなければ収まらなかった。ラット特有の行為をベータの彼女に強要した。
ことが終わった後、我に返った加賀美は麗香に謝罪した。
「すまなかった……」
あれからずっと彼女を貪り、気付けばすでに明け方になっていたのだ。日中から夜通し麗香を抱き続けた。彼女は泣いて肩を震わせていた。彼女は尋常ではない恋人の様子に、心配していた。一目見て、虐待を疑うくらいのか細い麗香の体の跡に、加賀美は後悔しかなかった。
「いったい、どうしたの」
「ごめん」
事後の辛い体を起こせないでいる麗香は、手だけ動かして加賀美の手を握った。
「私はベータだから、アルファのそんなフェロモンを浴びても興奮はできない。ここまでの行為は苦痛でしかないのよ」
「わかってる。わかっているけど、昨日麗香と会った瞬間に、運命の番を見た」
「え?」
麗香が驚いた顔をした。
「それで、アルファのラットが引き起こされた」
「それって、抗えないっていう、都市伝説のあれ?」
「きっとそうだ。オメガの顔をしっかりと見たわけじゃないけれど、フェロモンを感じて。でも俺が愛しているのは麗香だから、だから、オメガの元に行きたくなかった。だけど、ラットは収まらなくて、どうしても抱きたい衝動が抑えられなかったんだ」
「……」
彼女は何かを考えるようにして黙った。そして、抱かれ過ぎて辛いだろう体を起こした。
「響也、あなたが私の香りが好きだと言っていたけれど、それはまやかしよ。私を抱いて、満足したの? 本当はそのオメガを抱きたかったんじゃないの?」
「違う! 体は反応しても、心は麗香を、麗香が好きなんだ! 俺だって、こんな不確かなものに惑わされたくないし、全く知らない相手を体だけ求めてしまうなんて、運命なんておぞましいとしか思えない」
――そうだ、俺は拒絶したんだ。
その瞬間、いつかの榊みたいになりたくないと思った。榊は運命を受け入れたのに、拒絶された。友人のあんな姿を見ていたから運命に拒絶されたアルファの末路を加賀美にはわかっていた。
――俺はごめんだ。
加賀美には一生を考えている麗香がいる。さから榊の時とは全くといっていいほど、状況が違うと簡単に思い込もうとしていた。
「麗香、頼む。俺を、捨てないでくれ……」
アルファとして、いつも麗香には頼れる男として見てほしい。
こんな弱気な姿を見せたことがなかったから、麗香は幻滅しているかもしれない。そう思って、麗香の瞳を見ると、彼女は涙を流していた。
「辛かったね。それなのに、私を選んでくれてありがとう」
「麗香、麗香っ! 愛しているんだ。こんな気持ちになったのは、麗香だけだ! 運命を拒絶する方法は必ず考えるから。俺の心はフェロモンなんて不確かなものではなくて、麗香という大切な女性だけを求めている」
麗香は微笑んだ。
「わかった。あなたが運命を選ばないというなら、私はあなたを信じる」
「麗香!」
彼女の寛大な心に、加賀美は安堵した。この女だけは絶対に手放せない、アルファの執着は運命をも拒絶するほどだった。
***
ここから数話、運命サイドのお話が続きますが、こちらを読まなくてもお話はわかります!
そのままこの章は飛ばしていただいても大丈夫です。
完璧な女性、加賀美の理想そのものの見た目だった。そして次に彼女に接した時に確信した。彼女は運命だと。
彼女を落とすのに必死で、本来アルファなら当たり前にすること――相手の調査をしなかった。仕事でたまたま知り合ったのも、運命の巡り合わせだと思い他を気にする暇がなかったのだ。
麗香からいつも仄かに香る香りが、加賀美の心を動かした。必死に口説き落として付き合うことになった時、初めて衝撃の事実を知った。
彼女はベータ。
だが、加賀美はそれが信じられなかった。なぜなら彼女からはいつも仄かにフェロモンが香っていたからだ。会社のアルファたちは、彼女からはフェロモンを感じないと言っていてが、加賀美には感じていた。
それはつまり、自分が運命だから。
きっと彼女はフェロモンが元から薄いのほのか。加賀美にだけはいつもほのかに香ってくるということは、自分だけが彼女に認めてもらえたということだと思い、舞い上がった。
それがなにかの誤作動だった。
今時オメガとしか結婚しないという時代遅れな考えは、加賀美の中にはもうなくなっていた。アルファかオメガとしか結婚を許されない古い家だったが、必死に両親を説得して加賀美は麗香とのことを認めさせた。
――絶対に逃がせられない。
オメガではない、ベータ相手にアルファの執着は始まっていた。
そんなある日のデートの待ち合わせで、それはいきなり訪れた。
ふいに、好ましい香りが鼻腔をくすぐった。向こうからは手を振って加賀美に向かってくる可愛い彼女。いつも彼女からほのかに香る花の香りが、なぜ通りを挟んだ向かい側から強く香ってきたことに疑問に思う。
麗香が自分のもとに来るのに、道路の向こうからの香りが気になって仕方なかった。そしてそちらの方向を見た途端、心臓が急に音を立てて深いところに響いてきた。
――運命だ!
向こう側にいる運命に、ついに加賀美は気が付いた。たがいに見つめ合った瞬間だった。驚いた顔をした少年がうずくまっていた。きっと、ヒートが起きたのだろう。今すぐいかなければ、彼を助けなければ、彼を手に入れなければ。加賀美は必至だった。
一瞬にして、普通の状態では考えないような思考がめぐらされた。
そこで声を掛けられる。
「お待たせ! 響也!」
「……っ、れい、か」
道路に足を向けた瞬間、麗香の声で我に返った。最愛の女性が笑顔でこちらに近寄る。
――俺は何をしている?
まだプロポーズはしていないが、結婚まで考えている女性がいるのに、なぜ会ったこともない少年にアルファの本質を突きつけられているのだろうか。
目の前には美しい彼女がいる。他の男たちを蹴落とし手に入れた最愛の女。
麗香は心配そうな瞳で加賀美の顔を見る。
「ええ、どうしたの? 夏バテでもした? 顔が真っ赤だよ」
「夏、バテ。そうかもしれない、すまない、ホテルで休みたい」
「え、わかった」
加賀美は麗香を連れて、すぐに近くのホテルに入った。
普段なら絶対に使わない種類のホテル、いわゆるやる為だけの場所だった。麗香は一瞬戸惑っていたが、加賀美の体温が急上昇しているのを感じたせいか、すぐに部屋に入った。
そして、加賀美はそのまま彼女を襲った。
行為の最中、何度もやめてと言われた。しかし加賀美はラットを起こしていて、彼女の中に精を吐き出さなければ収まらなかった。ラット特有の行為をベータの彼女に強要した。
ことが終わった後、我に返った加賀美は麗香に謝罪した。
「すまなかった……」
あれからずっと彼女を貪り、気付けばすでに明け方になっていたのだ。日中から夜通し麗香を抱き続けた。彼女は泣いて肩を震わせていた。彼女は尋常ではない恋人の様子に、心配していた。一目見て、虐待を疑うくらいのか細い麗香の体の跡に、加賀美は後悔しかなかった。
「いったい、どうしたの」
「ごめん」
事後の辛い体を起こせないでいる麗香は、手だけ動かして加賀美の手を握った。
「私はベータだから、アルファのそんなフェロモンを浴びても興奮はできない。ここまでの行為は苦痛でしかないのよ」
「わかってる。わかっているけど、昨日麗香と会った瞬間に、運命の番を見た」
「え?」
麗香が驚いた顔をした。
「それで、アルファのラットが引き起こされた」
「それって、抗えないっていう、都市伝説のあれ?」
「きっとそうだ。オメガの顔をしっかりと見たわけじゃないけれど、フェロモンを感じて。でも俺が愛しているのは麗香だから、だから、オメガの元に行きたくなかった。だけど、ラットは収まらなくて、どうしても抱きたい衝動が抑えられなかったんだ」
「……」
彼女は何かを考えるようにして黙った。そして、抱かれ過ぎて辛いだろう体を起こした。
「響也、あなたが私の香りが好きだと言っていたけれど、それはまやかしよ。私を抱いて、満足したの? 本当はそのオメガを抱きたかったんじゃないの?」
「違う! 体は反応しても、心は麗香を、麗香が好きなんだ! 俺だって、こんな不確かなものに惑わされたくないし、全く知らない相手を体だけ求めてしまうなんて、運命なんておぞましいとしか思えない」
――そうだ、俺は拒絶したんだ。
その瞬間、いつかの榊みたいになりたくないと思った。榊は運命を受け入れたのに、拒絶された。友人のあんな姿を見ていたから運命に拒絶されたアルファの末路を加賀美にはわかっていた。
――俺はごめんだ。
加賀美には一生を考えている麗香がいる。さから榊の時とは全くといっていいほど、状況が違うと簡単に思い込もうとしていた。
「麗香、頼む。俺を、捨てないでくれ……」
アルファとして、いつも麗香には頼れる男として見てほしい。
こんな弱気な姿を見せたことがなかったから、麗香は幻滅しているかもしれない。そう思って、麗香の瞳を見ると、彼女は涙を流していた。
「辛かったね。それなのに、私を選んでくれてありがとう」
「麗香、麗香っ! 愛しているんだ。こんな気持ちになったのは、麗香だけだ! 運命を拒絶する方法は必ず考えるから。俺の心はフェロモンなんて不確かなものではなくて、麗香という大切な女性だけを求めている」
麗香は微笑んだ。
「わかった。あなたが運命を選ばないというなら、私はあなたを信じる」
「麗香!」
彼女の寛大な心に、加賀美は安堵した。この女だけは絶対に手放せない、アルファの執着は運命をも拒絶するほどだった。
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