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17リューナの誕生日 ―迷子―
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「ここは……どこ?」
私は今、迷子になっていた。
遡ること十数分前―――
「よっしゃあー!武器屋だー!」
「早くいこ…!」
ランチを終え、双子が行きたがっていた武器屋に向かっている最中のことだった。
私は、この世界で初めて嗅ぐ〝スイーツの甘い匂い〟がした。
私は見事にその匂いに誘われ、その匂いがした薄暗い路地裏に迷い込んでしまった。
そのとき、急に走り出した双子に皆、目を向けていたため、路地裏に入っていく私に気づくことはなかった。
そして、現在に至る。
――う゛……甘い匂いをたどりに来たのに、急に匂いがなくなっちゃうんだもん……。道をたくさん曲がったりしてた気がするから、来た道が本当に分からないのよね……
そう。私がここに迷い込んでいるとき、急に匂いが消え私はふっと我に返ったのだ。
自分が迷子になっていることに気づいたころでは、時すでに遅し。この場所にどうやって来たのか全く分からなくなっていた。この路地裏は人通りが全くと言っていいほどなく、人に聞くこともできなかった。
焦りながら、どのように帰ればいいか一生懸命考えていると、現在地から少し離れた所に灯りを見つけた。
私はその灯りを見つけた瞬間、一目散にその場所に駆け寄った。
「はあ……はあ……。ここは……誰かの家?」
その灯りは、ランプの灯りだった。
その灯りがかけてあった家は、こじんまりとした家だった。
この薄暗い路地裏にある家だからか、少々気味悪く感じたが、あの通りに戻るための道を聞くため、ドアをノックした。
私は今、迷子になっていた。
遡ること十数分前―――
「よっしゃあー!武器屋だー!」
「早くいこ…!」
ランチを終え、双子が行きたがっていた武器屋に向かっている最中のことだった。
私は、この世界で初めて嗅ぐ〝スイーツの甘い匂い〟がした。
私は見事にその匂いに誘われ、その匂いがした薄暗い路地裏に迷い込んでしまった。
そのとき、急に走り出した双子に皆、目を向けていたため、路地裏に入っていく私に気づくことはなかった。
そして、現在に至る。
――う゛……甘い匂いをたどりに来たのに、急に匂いがなくなっちゃうんだもん……。道をたくさん曲がったりしてた気がするから、来た道が本当に分からないのよね……
そう。私がここに迷い込んでいるとき、急に匂いが消え私はふっと我に返ったのだ。
自分が迷子になっていることに気づいたころでは、時すでに遅し。この場所にどうやって来たのか全く分からなくなっていた。この路地裏は人通りが全くと言っていいほどなく、人に聞くこともできなかった。
焦りながら、どのように帰ればいいか一生懸命考えていると、現在地から少し離れた所に灯りを見つけた。
私はその灯りを見つけた瞬間、一目散にその場所に駆け寄った。
「はあ……はあ……。ここは……誰かの家?」
その灯りは、ランプの灯りだった。
その灯りがかけてあった家は、こじんまりとした家だった。
この薄暗い路地裏にある家だからか、少々気味悪く感じたが、あの通りに戻るための道を聞くため、ドアをノックした。
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