零式艦上マルチロール機

ypaaaaaaa

文字の大きさ
13 / 27
大増産!

一号作戦開始

しおりを挟む
1940年8月6日。
夏真っ盛りのこの日、ついに陸軍の大攻勢が始まった。
戦車450両、騎兵4万騎、歩兵40万、そして航空兵力2300機。
まさに建軍史上最大の作戦である。
目標はただ一つ。
蒋介石が居座る重慶である。
この大攻勢、もとい一号作戦は西安方面から一気に西進し重慶を陥落させるための作戦であった。
また、この一号作戦を成功させるために、海軍や他の方面軍も攻勢に打って出る。
支作戦も含めるとその兵力は戦車600両、騎兵5万5000騎、歩兵80万、航空機3800機に及んだ。
国民党軍は武漢包囲戦から立ち直りつつあり、その兵力は300万と膨大であったが、航空兵力に関しては長年にわたる日本軍との戦いにより壊滅してしまっていた。
そこに3800機もの航空機が来襲したのである。
それも全機が爆弾を装備し、機銃掃射を浴びせてくる。
これは日本軍兵士からしたら心強いことこの上ないが、国民党軍兵士にとっては絶望以外の何物でもなかった。


西安方面で進撃が進むなか、南寧方面においても大攻勢が始まった。
まずは海南島へ陸戦隊が上陸。
これには長門や赤城など海軍の錚々たる艦達が参加し、海南島は即座に占領された。
また、これと同時に広州にも上陸を開始し南方戦線を構築。
こちらには8万人の陸軍へと500機の陸軍航空隊が進出。
またそれとは別に海軍の艦載機も250機程度が陸揚げされ支援に当たった。
南方戦線は重慶を突き上げるように進撃することになる。


国民党の窮状はすぐに欧米列強の知る所となった。
本来であればすぐに武器貸与を行いたいところであるが、イギリスとフランスはそうもいかなかった。
既にフランスはドイツ軍の侵攻を前に降伏してしまい、イギリスは現在本土でドイツ空軍と死闘を繰り広げている。
余裕があるのはアメリカだけだった。
すぐにアメリカはP40や海軍機だが優秀な機体であるF4Fなどを貸与し、またフライングタイガースも大幅に増強した。
だが、やはりエンジンの馬力が違った。
格闘性能ではP40やF4Fの方が優秀であったが、火力や上昇力では九八式多攻より劣る。
また、数がまるで違い撃墜されていく。
撃墜された機体はプロパガンダに利用され、まさに踏んだり蹴ったりである。
だだ、やはり九八式多攻などではF4Fと互角以上の戦いは難しくなっており、損害機は50機を超えた。
「やはり零式多攻の生産および改良は急がねばならんな…」
井上は報告書を見ながらそう呟いた。
現在も作戦は継続中である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜

雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。 そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。 これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。 主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美 ※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。 ※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。 ※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

未来を見た山本五十六、帝国を勝利へ導く

たか
歴史・時代
1928年12月10日の空母赤城艦長の就任式終了後、赤城の甲板に立ち夕暮れを見てた時だった。ふと立ちくらみのような眩暈が起きた瞬間、山本五十六「それ」を見た。 燃え上がる広島と長崎、硫黄島で散る歩兵、ミッドウェーで沈む空母、そして1943年ブーゲンビル島上空で戦死した事…… あまりに酷い光景に五十六は倒れそうになった、「これは夢ではない……現実、いやこれは未来か」 その夜、山本五十六は日記に記した。 【我、帝国の敗北を見たり。未来を変えねば、祖国は滅ぶ】

生残の秀吉

Dr. CUTE
歴史・時代
秀吉が本能寺の変の知らせを受ける。秀吉は身の危険を感じ、急ぎ光秀を討つことを決意する。

戦国終わらず ~家康、夏の陣で討死~

川野遥
歴史・時代
長きに渡る戦国時代も大坂・夏の陣をもって終わりを告げる …はずだった。 まさかの大逆転、豊臣勢が真田の活躍もありまさかの逆襲で徳川家康と秀忠を討ち果たし、大坂の陣の勝者に。果たして彼らは新たな秩序を作ることができるのか? 敗北した徳川勢も何とか巻き返しを図ろうとするが、徳川に臣従したはずの大名達が新たな野心を抱き始める。 文治系藩主は頼りなし? 暴れん坊藩主がまさかの活躍? 参考情報一切なし、全てゼロから切り開く戦国ifストーリーが始まる。 更新は週5~6予定です。 ※ノベルアップ+とカクヨムにも掲載しています。

処理中です...