帝国航空決戦

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絶対国防圏の戦い

絶対国防圏縮小

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1943年は日本にとって喪失の年だった。
まず、半年にわたって激戦を繰り広げていたソロモン諸島のガダルカナル島が大量の死傷者と共に陥落し、また南方戦線の視察に出向いていた連合艦隊司令長官の山本五十六大将がブーゲンビル島上空で戦死。
大損害に違いなく、この大敗の方は陛下にも届いていた。
「そもそも陸海の対立がこの大敗北を生み出したのだ…これ以降、陸海は共同して作戦に当たるように。また、もはやニューギニアでの戦は無駄であり早々に撤退せよ」
決して大声ではなかったが、明らかに怒気が孕んだ声色である。
呼び出されていた参謀本部総長の元帥杉山元大将と軍令部総長の元帥永野修身大将はその雰囲気に圧倒される他なかった。
だが、すぐに杉山は考えを巡らせ始めた。
(陛下にここまでのご心労をおかけしたのは私の責任…ここはこの命を報いてご奉公する他あるまい!)
杉山はそう決心したのである。


陸海共同という陛下のご勅令はすぐに実行された。
陸海軍の作戦指揮を執る参謀本部と軍令部は統合され総合参謀本部となった。
また、航空本部に関しても陸軍航空本部と海軍航空本部とに分かれていたがこれを統合して単に航空本部と呼称されるようになる。
同時にニューギニア方面からの撤退も開始された。
国力に劣る日本にとってニューギニアまでの兵站線を維持することはそれだけで国力の疲弊をもたらすのである。
撤退は海軍の全面協力の元、迅速に行われる予定である。
これを機に、統合参謀本部は絶対国防圏に関しても変更した。
大本営が設定していた絶対国防圏はかなり広大であった。
もはや現状の日本にその広範囲を守り切る力は無い。
そこで統合参謀本部はマーシャル諸島を絶対国防圏から除外し、サイパン、南鳥島、硫黄島などの島々の防衛兵力を増強することとした。
そしてもう1つ統合参謀本部がなしたことがある。
それは防空能力の強化である。
地球の反対側で同じく戦争しているドイツは連日にわたる連合軍の爆撃によち各都市が大損害を受けていた。
これを聞かされていた統合参謀本部の面々らは”我が国も他人ごとでは済まない!”として1944年中頃までに新型迎撃戦闘機や電探連動高射砲の開発を厳命した。
また、現時点での航空戦力にもテコ入れを行う予定であり、日本は陛下の勅令により防衛体制を整えていった。
全ては破滅的な未来を回避するために。
全ては銃後の臣民がこの戦争が終わった後で幸せに生きられるように。
日本の未来を賭けた戦いはもうすぐ始まろうとしていた。
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