小沢機動部隊

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決戦への備え

紫電改二

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奇しくも装甲空母玄鳳が竣工したその日に紫電改の改良型である紫電改二が制式採用された。


紫電三二型(紫電改二)
最高速度:時速639㎞
武装:20㎜機銃4挺
翼面荷重:165㎏/㎡
プロペラ:直径3.42mが3枚
搭乗数:1人
搭載能力:250㎏爆弾1発
航続距離:時速450㎞で900海里
全長:9.55m
全幅:11.2m(折り畳み時5.27m)


紫電改二はその搭載エンジンを2100馬力に強化されてたハ109エンジンを搭載して特に速度面に置いて性能が向上した。
また防弾設備も充実しており、主翼には被弾した際に炭酸ガスが噴射される装置が取り付けられていた。
航続距離も紫電改に比べて増加し、艦載機としてもさらに洗練された機体となっていた。
この紫電改二の登場は海軍にとって喜ぶべきものであったと同時に悩みの種でもあった。
その原因は三菱が開発している十七試艦上戦闘機烈風であった。
まだ試作機であるが、三菱の設計陣はこれを量産する気でいた。
搭載エンジンは2100馬力に強化されていた誉エンジン。
旋回性能も零戦に引けを取らないほど良好で航続距離も長い。
まさに次世代の艦上戦闘機であったが、試しにこの試製烈風と紫電改二が模擬空戦を行うと予想外の結果が出てきた。
試製烈風は紫電改二に比べてかなり大きく、速力では紫電改二の方が勝っていた。
それを良いことに紫電改二は一撃離脱を敢行。
烈風側はどうにかして格闘戦に巻き込もうとしたが、紫電改二の速力には勝てなかった。
また火力においても試製烈風は20㎜機銃が2挺に12.7㎜機銃が2挺なのに対して紫電改は20㎜機銃4挺であり、紫電改が勝っていた。
模擬空戦は紫電改二の方に軍配が上がった。
この結果は三菱はもとより、海軍も驚愕させた。
次期艦上戦闘機としてかなりの期待を寄せていた試製烈風が、強化されたとはいえ一世代前の紫電改二に敗北を喫したのである。
三菱の設計陣は再び設計をやり直すことになった。
これは川西にとっても驚きの事であったが、同時にチャンスであった。
川西も同様に十七試艦上戦闘機の開発を行っていた。
ただやはり紫電改二の開発にリソースは割かれていたため三菱との間には埋めがたい差があった。
それが今、ほぼ無くなったのだ。
(ここで踏ん張れば、川西の戦闘機がまた艦上戦闘機に採用されるかもしれない!)
川西の技術陣は三菱のそれとは異なり俄然やる気に満ち溢れていた。
十七試艦上戦闘機の開発期限は今年の末である。
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