連合艦隊司令長官、井上成美

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ハワイ・インド攻略作戦

戦線再整理

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連合艦隊は4月25日に横須賀に凱旋した。
ただ第1航空艦隊は次の作戦の準備のためトラックに寄港していた。


「まずは、海戦の勝利おめでとう。」
大和にまで出向いた山本が祝意を伝える。
「ありがとうございます。これで敵艦隊を一網打尽にし、ハワイへの道が開けたも同然です。」
井上は太平洋の地図を見ながら言う。
「確かにハワイへの道も開けた。」
「道”も”ですか?」
「ドイツからインド洋で通商破壊をしてほしいと要請が来た。ちゃんと見返りがあるとよ。」
「インド洋…ですか。」
井上は今のドイツに良い印象は持っていなかったものの今は共闘していて無下には出来なかった。
「それに陸軍もビルマを攻略してすでにインド攻略のための作戦を練っているとのことだ。」
「では第2航空艦隊と第2艦隊を向かわせましょう。司令官は追々決めることにします。」


4月25日の時点で南方資源地帯の大部分が日本の手に落ちていた。
南方資源地帯をの防衛を担う第12軍には山本と佐官時代から親交がある今村が着任しており、強硬な軍政ではなく寛容な軍政を行い同地を安定させていた。
また東条は陸軍航空総監に再任され海軍航空本部の大西瀧治郎中将と共に航空隊のさらなる統合や、飛行予科練習学校を創設し搭乗員の育成に力を入れていた。


5月1日。
呉では鹵獲された艦艇の修復、習熟訓練が行われていた。
「ハーミーズはおそらく鳳翔と同じ運用方法になると思います。」
井上から視察を任された樋端に技術者は言った。
「ということは訓練用ということですか?」
「はい。建造年も鳳翔と近しいものがりますからそれが妥当でしょう。」
「そうですな。それで、あとの4空母は艦隊に加えられると。」
「はい。おそらく習熟訓練が完了するのが7月上旬になると思います。」
樋端は次いで重巡についても質問した。
「重巡の方はどうでしょう?」
「重巡については全艦、艦隊に加えても支障ないと思います。」
樋端は礼を言って技術者と別れた。
そして時間が思いの他あり鉢巻山を少し上る。
坂の町というだけのことはあり、軍人にも少し辛かった。
それでも呉の港が一望できる所まで登った。
「これは、壮観だな。」
上空には零戦が編隊飛行し、湾内ではこれから朱塾訓練に向かうのであろう艦艇が列をなして航行しドッグでは新たな艦艇の建造が行われている。
まさに東洋一の軍港の威容をまざまざと見せつけるかのようだった。
樋端はその風景を目に焼き付けてから来た道を戻っていった。
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