28 / 57
三一六計画
第五航空戦隊
しおりを挟む
②計画が完了した日本海軍であったが、特別に建造されることになった艦もある。
それは大鷹型空母の二番艦と三番艦である。
「大鷹は十分艦隊型空母として通用する。となると同型の艦艇によって航空戦隊を編成した方が柔軟な対応がしやすい」
軍令部はこう判断したわけだが、これからは空母の大増産が始める。
となると、必然的に航空戦隊の指揮官であったり参謀長などが必要になるが、日本海軍はこの航空戦隊の司令を務められる人材が決定的に不足していた。
これに頭を痛めた軍令部は思い切って航空戦隊の編成を変更することとした。
言ってしまえば航空戦隊あたりの空母を増やすのだが、この加減が難しかった。
4隻では少し動きが緩慢になりすぎるし、2隻では今までと変わらない。
こうしたことから軍令部は航空戦隊の編成を空母2隻から空母3隻に変更した。
となると、航空戦隊を編成するにあたり大鷹空母は1隻だけであるため、不足している2隻を建造する必要がある。
これは翔鶴型空母にも言えることだったが、翔鶴型空母はいくら平賀式設計によって安く抑えられているからと言っても、②計画で重巡洋艦を8隻建造した日本海軍にとっては苦しいところがあったのである。
2隻の大鷹型空母は長女の大鷹と違い、最初から空母として建造される。
また、”どれだけの短期間で空母を建造できるのか”という艦政本部の思惑もあり、建造はみるみる内に進んでいった。
元々が球磨型軽巡洋艦の船体と言うこともあり、進水まではわずか6カ月で終わった。
戦艦や重巡洋艦などはここからの艤装も時間が掛かるのだが、空母はそのようなことはなく、両艦は1937年12月22日と年が明けた1938年の1月2日に竣工した。
8カ月の工期であった。
二番艦は雲鷹、三番艦沖鷹と命名され第五航空戦隊を編成。
司令官は鮫島具重少将である。
「発艦用意!」
第五航空戦隊は編成されてからすぐに訓練に乗り出した。
現在も3隻の母艦から航空隊が出撃しようとしている。
艦載機は全て九七式単座爆撃機である。
「やはり天下の一航戦にはまだまだ及ばんな」
発艦して編隊を組み始めている航空隊を前に鮫島は呟いた。
それを聞いた参謀長も浅く頷く。
「一航戦は歴史が長い分、熟練の搭乗員が多くいます。仕方ないところありますが、我々も精進せねばなりませんな」
彼の言っている一航戦というのは空母蒼龍、飛龍、雲龍からなる第一航空戦隊の事である。
「全くだ」
鮫島は遠い空を見ていた。
それは大鷹型空母の二番艦と三番艦である。
「大鷹は十分艦隊型空母として通用する。となると同型の艦艇によって航空戦隊を編成した方が柔軟な対応がしやすい」
軍令部はこう判断したわけだが、これからは空母の大増産が始める。
となると、必然的に航空戦隊の指揮官であったり参謀長などが必要になるが、日本海軍はこの航空戦隊の司令を務められる人材が決定的に不足していた。
これに頭を痛めた軍令部は思い切って航空戦隊の編成を変更することとした。
言ってしまえば航空戦隊あたりの空母を増やすのだが、この加減が難しかった。
4隻では少し動きが緩慢になりすぎるし、2隻では今までと変わらない。
こうしたことから軍令部は航空戦隊の編成を空母2隻から空母3隻に変更した。
となると、航空戦隊を編成するにあたり大鷹空母は1隻だけであるため、不足している2隻を建造する必要がある。
これは翔鶴型空母にも言えることだったが、翔鶴型空母はいくら平賀式設計によって安く抑えられているからと言っても、②計画で重巡洋艦を8隻建造した日本海軍にとっては苦しいところがあったのである。
2隻の大鷹型空母は長女の大鷹と違い、最初から空母として建造される。
また、”どれだけの短期間で空母を建造できるのか”という艦政本部の思惑もあり、建造はみるみる内に進んでいった。
元々が球磨型軽巡洋艦の船体と言うこともあり、進水まではわずか6カ月で終わった。
戦艦や重巡洋艦などはここからの艤装も時間が掛かるのだが、空母はそのようなことはなく、両艦は1937年12月22日と年が明けた1938年の1月2日に竣工した。
8カ月の工期であった。
二番艦は雲鷹、三番艦沖鷹と命名され第五航空戦隊を編成。
司令官は鮫島具重少将である。
「発艦用意!」
第五航空戦隊は編成されてからすぐに訓練に乗り出した。
現在も3隻の母艦から航空隊が出撃しようとしている。
艦載機は全て九七式単座爆撃機である。
「やはり天下の一航戦にはまだまだ及ばんな」
発艦して編隊を組み始めている航空隊を前に鮫島は呟いた。
それを聞いた参謀長も浅く頷く。
「一航戦は歴史が長い分、熟練の搭乗員が多くいます。仕方ないところありますが、我々も精進せねばなりませんな」
彼の言っている一航戦というのは空母蒼龍、飛龍、雲龍からなる第一航空戦隊の事である。
「全くだ」
鮫島は遠い空を見ていた。
91
あなたにおすすめの小説
電子の帝国
Flight_kj
歴史・時代
少しだけ電子技術が早く技術が進歩した帝国はどのように戦うか
明治期の工業化が少し早く進展したおかげで、日本の電子技術や精密機械工業は順調に進歩した。世界規模の戦争に巻き込まれた日本は、そんな技術をもとにしてどんな戦いを繰り広げるのか? わずかに早くレーダーやコンピューターなどの電子機器が登場することにより、戦場の様相は大きく変わってゆく。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
北溟のアナバシス
三笠 陣
歴史・時代
1943年、大日本帝国はアメリカとソ連という軍事大国に挟まれ、その圧迫を受けつつあった。
太平洋の反対側に位置するアメリカ合衆国では、両洋艦隊法に基づく海軍の大拡張計画が実行されていた。
すべての計画艦が竣工すれば、その総計は約130万トンにもなる。
そしてソビエト連邦は、ヨーロッパから東アジアに一隻の巨艦を回航する。
ソヴィエツキー・ソユーズ。
ソビエト連邦が初めて就役させた超弩級戦艦である。
1940年7月に第二次欧州大戦が終結して3年。
収まっていたかに見えた戦火は、いま再び、極東の地で燃え上がろうとしていた。
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる