身近であった怖い話 短編集

中川四角

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2階のあれ 3

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 向かいのお姉さんはどうなったのか?しばらくして、

お姉さんは仕事が無く、親戚のおばちゃんの面倒をみるため、親戚の家で暮らすことになったのではないか?と風の噂に聞きましたが、ハッキリした事を誰も知りませんでした。

お兄さんは比較的安定した所に就職しました。
若いのに、田舎では見たことも無いような、高そうな車に乗っていたのを覚えています。

いつしか私はあの怪物?妖魔?を見ることも無くなりました。1度だけお兄さんと少し会話を交わした事がありますが、子供の頃のまま、明るい感じで変わってないなあと思い、少し安心したような記憶があります。

私が社会人になった頃、向かいのお兄さんが居なくなりました。いろんな所からお金を借りて返せなくなって、家を取られたと聞きました。

子供の頃は、本当にごく普通のお兄さんでした。意地悪もされた事はなく、癖の無い話しやすい感じだったと思います。


お兄さんが、まさかそんな事になっているなんて、思いもよりませんでした。

その家は競売にかけられたようですが、誰も買いませんでした。


まただいぶ経って、向かいの家は取り壊されて駐車場になりました。

家が取り壊されてから、何度かあの家が夢に出て来たことがあります。誰かが住んでいる風でした。外観だけが夢に出てきて、中の事はわかりませんでした。お兄さんとお姉さんのお父さんが建てた家です。裏にはきれいなお庭があって、木の塀の向こうは直ぐに海岸に降りれるようになっていました。

誰もいなくなってしまった家。不幸な出来ごとはあの怪物か妖魔のようなものが関係していたのでしょうか?


ある日、母と話していると、
母がこんな事を言いだしました。

「あのお向かいの家で、恐ろしいを見た事があるんだよね。あれは幽霊だった。幽霊ってね、本当にいる。あの世と言うものはあると思う。」

「お母さん、それを見たのは、向かって左の2階の部屋の右奥の方の入り口付近?たぶんお兄さんの部屋。」

私がそう言うと、母は驚いたのか目を丸くしました。

「あの幽霊すごく恐い顔をしていて、時々笑っているようにも見えた。」

と、母は言いました。

どうしてあれを、この世のものでないと思ったか聞こうと思いましたが、やめました。私は作り物と思い込んで怖さから逃れようとしただけで、誰がみても怪物か妖魔のようなものだったと思います。母には幽霊2見えていたようです。

そんな話をしていると、父が部屋に入って来ました。

「あっ、お父さん、この子もお向かいの家があった頃に、おの幽霊を見てたんだって。お父さんと私だけだと思ってた。」


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