身近であった怖い話 短編集

中川四角

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人が亡くなる時、音がする

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 「人が亡くなる時、音がする。」

と、言ったのはうちの母だ。それを聞いた時、私は全くピンと来なかった。

一 いったい何を言ってるんだろう?そんな話を、聞いたこともない、

母は現実主義で、霊界とかスピリチュアルとか
心霊みたいな話は好きではなかったはずだった。

母は40代後半になってそんな話をするようになっていた。

「音って何?」

私はさほど興味も無かったが、一応話を聞いてみた。

「お父さんの弟が亡くなった時にね、家の裏から入って来た音がした。ドンドンドンドンって、そしてね、バタバターって何かが崩れ落ちるようなでっかい音がしたんだよ。」

「おじさんって近くのアパートに住んでた1人暮らしの人?」

「そう。おじさんはしばらくお父さんとも会ってなかったんだけど、あの時すごい音がしたからお父さんに様子を見てきたら?って言ったの。」

私はあまり興味が持てず、なんとなく聞いていた。

「行ってみたら、孤独死してた。あれはお父さんに死んだのを知らせに来たんだよ。」

「ふーん。」

父の弟は私とは、ほとんど話したことも無く、嫌味を言われた事が2回だけ、ろくに働かず、困った時だけ父に近づいて来てお金をもらうような人だった。

誰かが死んだ時に音がすると言っても、うちの裏口にはたくさんの物が積んであってあれが崩れれば、それは大きな音がしてもおかしくない。

たまたま父の弟が亡くなったのと物が崩れたタイミングがあったのだと思った。

それから年月が流れ、私の大切な人が亡くなる少し前、窓の外から奇妙な音がした。私の部屋は3階にある。その窓のすぐ外で音がなっていた。ベランダは無い。カーテンを開けてもそこには何者もおらず、何もなかった。

「ポンカン、ポンカン、ポンカン⋯。」

そんな音がしていた。しばらくして音が消えると携帯がなった。

私の大切な人が亡くなった知らせだった。

その日はもう電車もなく駆けつけられないので、朝イチで駆けつける事にして、少し眠った。

またあの音がしていた。

「ポンカン、ポンカン、ポンカン⋯。」

いつもの静かな住宅街で私だけがその音を聞いていた。

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