身近であった怖い話 短編集

中川四角

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採光窓 3

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 私達は全員車の後ろを見ていました。きくりんは、積み上げられていた石に車をぶつけて崩してしまったのです。

「あっ。」

「何であんな所に石が積んであるの?」

「あれ、崩しちゃって⋯直した方が良いのかな?」

「直すって、てきとうに積んでいいの?」

口々にいろんな事を言っている中、きくりんは何のためらいもなく車を走らせて来た道を戻って行きました。

「だ、誰かがいたずらで石を積んだだけで深い意味なんて無いんだよ。は、ハハハ。」

のぶさんは自分に言い聞かせるように言いました。その後、私達はその場から何事もなく離れ、その事は忘れたのです。

1週間後、きくりんが骨折したと千里の元にのぶさんから連絡があったようです。

ちょっぴりあの日の事が頭をよぎりましたが、また忘れていきました。
ある日の深夜、

「千里、そろそろアイス買いに行こうか?」

「行こう、行こう。」

私達はいつもの様に近くのコンビニに向かい、アイスを1個ずつ買って帰りました。帰り道に、元葬儀場みたいな建物がありましたが、一度も使っているのを見た事がなく、廃業したのかと思っていました。

その日は、夜中にその葬儀場を通ると木魚と念仏の様な音と声、中にたくさん人が居るような気配がありました。電気はついていません。間口が狭かったので、通ったのは一瞬です。千里も会話をとめる事なく話していました。
 
一 何らかの音がそんな風に聞こえたのかも⋯。

私達は、いつもの角を右に曲がりました。千里は途中で知らない脇道に入ってみたいと言いました。

「良いよ。」

私達は左の脇道に入りました。直ぐにいき止まりになりました。

かなり遅い時間でしたが突き当たりの家の2階には電機がついて居ました、

そして、2階の部屋の奥のドアに採光窓がありました。ひし形のような小さな窓です。それを見た瞬間私達の会話は無くなり、無言でUターンしました。

千里も私も一言も発せず、足早にアパートを目指します。何故か、声を出したり走ってはいけないと思いました。いつもの帰り道が少し長く感じていました。



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