身近であった怖い話 短編集

中川四角

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採光窓 4

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 千里と私はとにかく無言で早足でアパートに帰り千里の部屋に入り鍵をかけて電気をつけました。

電気をつけるとふたり顔を見合わせて、

「さっきの見た?」

とほぼ同時に言いました。

「いやだちょっと何あれ?見たよ。ハッキリ。ドアの小さいはめ込みガラスみたいな所にさあ……。」

と千里は興奮して取り乱していました。

「ぴったりはめ込まれた顔が恐い目でこっちを見てた。何だろう?あれなんだろう?人間の顔にしては小さすぎない?」

と私もまだ心臓がバクバクしていました。

「マヤちゃん、黙っちゃって何にも話さないから、たぶん同じものを見たのかなって思ってた。」

「うん、声を出したりらアレに気づかれる気がして…。そーっとあの場から離れたかった。お互いに何も言わなくても早足になってたもんね。」

「それとさあ千里、元葬儀場の前で何か聞いた?」

「うん、電気ついてないのに葬儀をやってるようなざわめきとか、お経とかいろいろ…あれって何?」

「聞こえてたんだあ。今まであんな事一度も無かったよね。」

「明日の昼間、あのドアの採光窓見に行こうよ。顔みたいなデザインなのか何かが顔みたいに見えたとかあるかも知れないし。」

「そうだね。それがわかれば怖く無いもんね。」

千里の提案に私も行く事にしました。きっと何かが顔に見えただけ。そういうデザインだと思えてきました。

元葬儀場の件も昨日の深夜、何かあの辺で人が集まっていたか大家さんにでも聞いてみようかと言う事になりました。

アパートに帰って来て、テレビもつけて何事も無いのですっかり安心して私達はアイスを食べました。




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