D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗

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第四章

眠り姫の隣で

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 気付くと馬車の窓の外には漆黒の森が広がっていた。ステフの話を聞く間に日は暮れ、道は森の中をくねくねと進むものに変わっていたのだ。
「ゴルルグ族の帝国については視察は無理なんだよな?」
 話を終えて一息つくステフに俺は再度、確認した。
「そうだな。やつらは徹底的な鎖国政策をしているから、公式に視察させてくれとお願いしても断られるだろう。かと言って非公式に潜入する、と言っても国の規模やら施設やらが分からんから難しい。考えてる事も分からん連中だし捕まったらどうなるか……」
 その言葉を聞いて俺はアホウマリンスタジアムでの出来事を思い出した。あの場で警備員のオークさんに捕まったらどうなっていたんだろう? 彼らは多分、こちらの事を知りたがっただけだから、あんな事をしなくても適当に嘘を伝えれば済んだ話かもしれない。
「それを踏まえると潜入はアタシ一人でもヒヤヒヤもん、ショーキチみたいな潜入工作の素人足手まといを連れて行くなら命がけ、だ」
 俺が別の事を考えているのを知ってか知らずか、ステフは歯に衣を着せずに言う。そうだった、実のところ旅立ち前、行程を決める時から「たぶんゴルルグ族は無理」とは言われていた。が、旅を共にする間にお互いの技量や性質について理解が深まり、判断が変わるかもしれないと思っていたのだ。
 まあ結論変わってないんだけれど。しかし相手の力量がはっきり分かった上で改めて判断する事にも意味があると俺は思う。またステフが忖度しない人物であるのも再確認できた。こういう所では真面目なんだよな、この娘。
「そういう事なら仕方ないか。もともと命をかける程のものじゃないし、その命が自分のだけじゃないなら猶更だよ」
 俺はそう言うと静かに寝息を立てるナリンさんの寝顔を見た。疲労に酒。そこへサッカードウ以外の長い話だ。眠ってしまっても責められない。いやもとより俺にナリンさんを責める心はないが。
「(ぐっすり眠っているな。こっそりキスしてもバレないかな?)」
「おい、勝手にモノローグ内心を操るな」
 小声で囁くステフにナリンさんを起こさないよう、同じく小声で突っ込む。
「操ってないぞ? 本心を読んだだけだ」
「本心じゃねえし!」
 いや、ナリンさんの唇を見てあの時の事を思い出してはいたが。
「ナリンちゃんは知らないってよ」
「は? 何を?」
「ショーキチの家族の話」
 それか。アホウに入る前に話題に上がった、俺の家族関係やそれに対して抱くデイエルフたちの心情の話。
「そうか」
「ナリンちゃんには話しても大丈夫だと思うぞ」
 ステフは意味深に微笑みながら告げる。どういう意味だ? と訊ねると彼女の狙い通りのような気がして、俺は別の言葉を選んだ。
「大丈夫とか関係なく、ナリンさんに聞かれたら応えるし聞かれなかったら言わない。それだけだ」
 俺がそこまで言うとステフは予想どおり渋い顔をした。
「え~。それはツマランなあ。ナリンちゃんはきっとショーキチから言って欲しいと思うぞ?」
 ステフはなおも追及する。なんとか流れを変えようと、俺は強引に話を移した。
「狙うのはナイトエルフの方、だよな」
「え? まだ別に惚れてるエルフがいるの?」
 ステフは驚いた顔でそう言ったが、すぐに勘違いに気づいて笑う。
「ああ、大洞穴の事か。そうだな。申し訳ないが、蛇どもは諦めて貰ってナイトエルフの方に集中した方が良い」
「大丈夫だ。それに地球じゃ『右手を洗えば左手も綺麗になる』って言い回しがある。ナイトエルフについて深く知れば、ゴルルグ族の方も着いてくるさ」
 少し楽観が過ぎるかもしれないが、俺は努めて明るい声で言った。この先は明かりの射さない暗い地下へ進む予定だ。多少、無理してでも明るい気分を保っていた方が良いだろう。
 まあナリンさんから話を逸らせた安心感で自然に明るい声になったのも事実だが。
「そう言ってくれると助かるわ~。ナイトエルフの国への潜入には、ショーキチの頑張りが必要だからな!」
 そう言うとステフはこれからの作戦を説明し出した。その中身は、俺の決意を簡単に崩壊させるような内容だった。

第四章:完
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