D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗

文字の大きさ
122 / 700
第七章

秘密の代償

しおりを挟む
「ショーちゃん、あんな約束して大丈夫なの?」
 ムルトさんの足音が遠くなるのを聞いてから、シャマーさんが聞いてきた。
「たぶんね。彼女が入って戦術が固まれば、上位チーム以外にはほぼ負けないチームが出来ると思うし。その上で試合前から『あーこれは負けるなー』ってチームが相手の時は……」
 俺は椅子に腰掛け選手リストを取り上げ言った。
「ムルトさんを登録選手から外す。そうすれば『彼女』はセンシャする事はない。故にチームから離脱しない」
 それを聞いたシャマーさんは一瞬、固まった。が、すぐに満面の笑みを浮かべ、身体の方も魔法で宙に浮かべ机を飛び越し俺に抱きついた。
「凄い! 狡い! ショーちゃん、そういうところ大好き!」
「シャマーさん離して! そうは言っても予想外のチームに負けてムルトさんを失う事もあり得ますけどね!」
 俺は補足を行いつつ、頬ずりするシャマーさんを引き離そうとする。
「んーそうだね。そこは会長にも言った通り、失点しなければ少なくとも負けない訳だから私、頑張る。頑張るからさ~」
 シャマーさんは頬ずりを止め、そっと俺の耳に囁くように言う。
「たまには私ににも、して」
「んんっ!?」
 そ、そのキーワード合言葉は!?
「な、何をですかねえ?」
「うふふ。レイちゃんから聞いちゃった。二人のひ・み・つ」
 なっ! まさかレイさんがあの事を喋った!? しかしいつ何処で!?
「あの晩ね。ショーちゃんのベッドで寝てしまう前に、たくさんお話したの。ピロートークってやつね」
 俺の心を読んだかの様にシャマーさんが続ける。てかちゃうやろ! ピロートーク睦言じゃなくてパジャマパーティーとかそっちやろ!
「もちろん、卒業後の結婚の約束とかご褒美のチューとかまでは言わなかったわよ。そっちはレイちゃんが寝てから魔法で、ね?」
 例の夢魔法か! あのクソ便利なやつめ!
「そ、その件は他言無用でお願いします……」
「分かってるわよぉ。私を信頼して子羊の様に眠るレイちゃんから盗み出した情報だし、言いふらすなんてできないもの。でもね」
 シャマーさんは魔法を解いてゆっくり俺の膝の上へ横向きに着座する。
「それを知ってから、私もショーちゃんの方から来て欲しくなっちゃったんだ。秘密は黙ってるしサッカードウも頑張るから、私にも……」
 彼女は俺を上目遣いで見つめ、唇を尖らせて言った。
「して」
 困った。今度は言葉も出ない。と言うか何かを言って誤魔化せるような状況じゃない。恐らく夢魔法で細部まで知られている。
「うん」
 再び俺の心を読んだかのようにシャマーさんが頷いた。そして目を閉じ待つ体勢に入った。
「シャマーさん」
 特に意味もなく彼女の名前を呼ぶ。シャマーさんは小さく頷き辛抱強く待っている。確かに彼女はこうだ。不真面目だし悪戯心は旺盛だし常に状況を引っかき回すが、いつもなんだかんだ言って俺に献身を捧げてくれている。
 その動機は分からない。気紛れなのかも、或いはシャマーさんが言うように本当に俺の事を「好き」でいるからなのかも。ただ一つ言えるのは、俺は彼女の献身にあまり応えてないという事だ。
「じゃあ、ちょっとだけ」
 俺は言い訳のような訳の分からない事を言いながら、彼女の唇に唇を重ねた。
「ん……」
 そっと舌を差し出してから、しまった! と思った。つい癖でそう動いてしまったが、何もそこまで要求された訳ではなかった筈だ。
「いやん、ショーちゃんやらしー」
 一度、唇を離しそうからかった後、シャマーさんも動きを合わせた。
「(違うんです! 今のはミスで!)」
 と言う隙は無かった。彼女は動きを止めず、両腕を俺の背中に回して抱きしめながら、
「ショーちゃん、好き。大好き」
と時々呟いては唇を重ねた。
 こうしているシャマーさんは本当に普通の可愛い女の子で、良い匂いがして、羽の様に軽くて折れそうに華奢だった。このまま持ち上げて来客用の大きな椅子の上へ……。
「監督、言い忘れていましたわ……」
 動く寸前で、廊下から声がした。ムルトさんだ! 
「事務員の給与枠ですが……ええっ!?」
 俺は急いで唇と身体を離したが、シャマーさんの腕はまだ俺の首辺りに絡まったままであった。
「いや、違うんですこれは」
「やっぱり……やっぱりサッカードウは破廉恥ですわー!」
 ムルトさんは持ってきた書類や手荷物を放り出して廊下を走っていった。
「ごめんごめん会長、待ってー! ショーちゃん、追うわよ!」
「あ、はい!」
 俺たちは逃げ出したムルトさんを追ってクラブハウスを駆け回った。その後はシャマーさんの魔法を使ってムルトさんを捕獲し、
「さっきのはストレッチを手伝っていた」
などと誤魔化すのに夜明け近くまでかかるのであった……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...