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第七章
ずっとジノリコーチのターン
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ムルトさんがアローズへ加わり、チーム力は格段に上昇した。驚くべき事に彼女はその長身を生かした高さとリーチで守備を固めつつ、瞬時に位置関係を計算して味方のポジションをcm単位で指示できる技術の持ち主だったのだ。その事によってチーム全体のゾーンディフェンスへの理解も少し深まった。
とは言えジノリコーチの要求するほどには十分でなかったが。
「マンマークは人、ゾーンは場所を守る……という考え方は一元的でしかないのじゃ」
ムルトさんが加わった次の日の練習の最中。ジノリコーチはザックコーチに肩車して貰いながら(今やそこが指導時のレギュラーポジションになっていた)、グランドに座った選手全員に言った。
「ボールと味方の位置によって能動的にポジショニングを調整し、容易にカバーできる距離感を保つ。『守備に走らされている』ではなく『自分達が強固な守備網で捕まえに行く』という意識じゃ。お主らエルフは足も早いし責任感も強い。じゃが『集団で協調して動く』という部分が劣っている。だから喰いつく守備しかできず肝心な場所に穴を開け、失点してきたのじゃ」
俺はジノリコーチの合図を受け、練習場脇に設置した魔法の大鏡(これも大金がかかっていてムルトさんの頭痛の種になっていた)を操作する。そこには昨シーズンの典型的な失点シーンの動画が流されていた。
「あとスタミナも無いしフィジカルに勝る相手には最後に押し切られてしまう。まあフィジカルはザック君がもう少しマシにしてくれる予定じゃがな……うわっ!」
名前を呼ばれたザック監督が頷き、ジノリコーチはややバランスを失って慌てた。そこまで好き放題言われていた意趣返しかクスクス笑いが全体から起こる。
「ええい、笑うな! おほん、そのスタミナに関してもな。ゾーンの方が遙かに消費が少ないから、お主らの欠点をカバーできる事になる。そして余ったスタミナをアレに使う訳じゃな。アレ……」
「ゾーンプレス?」
ナリンさんが背伸びしてジノリコーチに耳打ちする。
「そう、それじゃゾーンプレス!」
ゾーンプレス。古くは『ボール狩り』とも呼ばれ『ゲーゲンプレッシング』や『ストーミング』へと進化していく事になるそれが、俺がアローズに持たせようとする武器だった。
DFだけでなくFWから守備に走り、タイミングと場所を決めて複数人でボール保持者に襲いかかりボールを奪う手段。それで開いてしまうスペースを埋める手段としてのオフサイドトラップと、奪った後の素早い攻撃までを含めての高度な戦術だ。
プレッシングと言われるものはこの世界のサッカードウにもある。特に負けているチームが手っ取り早くボールを奪うために、一か八かの精神で前から追いかける事は普通に行われてきた。またゾーンの守備戦術もドワーフチーム等が少ないが行っている。
しかしボール保持者を狙ったエリアへ誘導する方法やプレスをかける人数のマネージメント等はまだ発明されていなかった。この世界へ来た直後に見たようにオフサイドトラップも知られていないし、奪った後のショートカウンターを計画的に放つプランも整理されていない。
俺はそれらがこの世界で自然に発明されてしまう前に、自分たちだけに導入するつもりだ。サッカー界の先人たちが多大な努力で開発した発明品を未開発の世界へ持ち込んで無双しようとしている。前も思ったが卑怯と言えば卑怯だ。
とは言え俺も生活がかかっているし『導入』って言っても簡単じゃないから許して欲しい。だってボタン二つでプレスとオフサイドトラップが発動してくれる世界じゃないんだぞ?
「大事なのは連動じゃ。決して一人で先走るんじゃないぞ!」
ここで再びジノリコーチのターン。
「こちらも結局、ボールの位置じゃ。位置によってどう動くのかを頭に叩き込むのじゃ!」
ゾーンでの守備はともかく、ゾーンプレスをジノリコーチや選手達に説明するのには苦労させられた。見せるべき映像はこの世界にはないし、駒やボードを動かして説明しても臨場感がない。
俺が取った手段は……またも子供頼みのものだった。まず俺は年齢の下一桁が一歳づつ違う子たちを選抜してチームを作り、フィールドを俯瞰できるクラブハウス2Fのベランダからその年齢の数字を叫んで彼女たちを操った。指示した内容は主に誰がプレスを行うか? だが大人のエルフなら疑問や自分の判断が浮かんでしまう場面でも、俺が教えてきた変則ルールでのゲームに慣れた子供達は無邪気にまっすぐプレスをかけてくれた。
次に子供達の走力でもカバーできるように、フィールドをフットサルコートくらいの大きさに制限した。
そしてそのフィールドでそのチームとアローズの選手何名かを対決させたのがだ、彼女らは面白いようにボールを奪われていった。狭いフィールド、俯瞰の位置からの指示、法則性の分からない選手の割り振り――丁寧に背番号と年齢の数字は出鱈目にしていた――という不利な点はあったにせよ、子供達のプレスを掻い潜ってボールをファイナルサードへ進めた選手は一人もいなかったのだ。
デモンストレーションの試合が終わった後、誰もがこの(彼女らにとっては)新しい戦術の威力と可能性に困惑と興奮を覚えていた。だがただ一名、ジノリコーチだけは冷静に分析を始め直ちに練習メニューを構築し始めていた。
「エリアカラーを忘れずにな! 練習だからこれがあるが、試合では無いぞ!」
回想終わって再び今へ。ジノリコーチはまずボールがあるそのエリア毎に全選手の並ぶ角度を決め、ボールが移動する度に――厳密に言えばプレスはボールの移動中からかけないといけないので、実際は今ある場所ではなく移動先に準拠する――ポジションを修正する練習から始めた。
その練習に際して彼女が叫びつつ指さしているのはフィールドの少し上に浮かんでいる色とりどりのウィスプ、光の精霊の事だ。
ACミランでゾーンプレスの導入を行ったサッキ監督はフィールドを何カ所かに区切り旗を置いて練習したそうだが、ここはファンタジー世界で魔法が得意なエルフもたくさんいる王国だ。せっかくなので設置撤去がもっと簡単でぶつかってしまう危険もない、宙に浮く鬼火を旗代わりに使う事にしたのだ。
更に今は練習なのでフィールド脇の例の大鏡にその色と位置がヒントとして表示されている。いるが、実際の試合ではもちろんこれらは無いのでシーズン開幕までにポジションを暗記する必要がある。
そこまで出来た上で――そう、ここまでをクリアした上でまだあるのだ――最後に決まったメンバーでボール保持者を囲み、ボールを奪う事となる。これまた『決まったメンバー』についてもクラブハウスの2Fベランダから叫んでくれる人もいないので選手が覚えないといけない。
位置、角度、人数、そして冒頭でジノリコーチが説明したゾーンディフェンスとしての距離感。頭を使う事、覚える事が大量でエルフのお嬢さんたちは悲鳴を上げていた。
とは言えジノリコーチの要求するほどには十分でなかったが。
「マンマークは人、ゾーンは場所を守る……という考え方は一元的でしかないのじゃ」
ムルトさんが加わった次の日の練習の最中。ジノリコーチはザックコーチに肩車して貰いながら(今やそこが指導時のレギュラーポジションになっていた)、グランドに座った選手全員に言った。
「ボールと味方の位置によって能動的にポジショニングを調整し、容易にカバーできる距離感を保つ。『守備に走らされている』ではなく『自分達が強固な守備網で捕まえに行く』という意識じゃ。お主らエルフは足も早いし責任感も強い。じゃが『集団で協調して動く』という部分が劣っている。だから喰いつく守備しかできず肝心な場所に穴を開け、失点してきたのじゃ」
俺はジノリコーチの合図を受け、練習場脇に設置した魔法の大鏡(これも大金がかかっていてムルトさんの頭痛の種になっていた)を操作する。そこには昨シーズンの典型的な失点シーンの動画が流されていた。
「あとスタミナも無いしフィジカルに勝る相手には最後に押し切られてしまう。まあフィジカルはザック君がもう少しマシにしてくれる予定じゃがな……うわっ!」
名前を呼ばれたザック監督が頷き、ジノリコーチはややバランスを失って慌てた。そこまで好き放題言われていた意趣返しかクスクス笑いが全体から起こる。
「ええい、笑うな! おほん、そのスタミナに関してもな。ゾーンの方が遙かに消費が少ないから、お主らの欠点をカバーできる事になる。そして余ったスタミナをアレに使う訳じゃな。アレ……」
「ゾーンプレス?」
ナリンさんが背伸びしてジノリコーチに耳打ちする。
「そう、それじゃゾーンプレス!」
ゾーンプレス。古くは『ボール狩り』とも呼ばれ『ゲーゲンプレッシング』や『ストーミング』へと進化していく事になるそれが、俺がアローズに持たせようとする武器だった。
DFだけでなくFWから守備に走り、タイミングと場所を決めて複数人でボール保持者に襲いかかりボールを奪う手段。それで開いてしまうスペースを埋める手段としてのオフサイドトラップと、奪った後の素早い攻撃までを含めての高度な戦術だ。
プレッシングと言われるものはこの世界のサッカードウにもある。特に負けているチームが手っ取り早くボールを奪うために、一か八かの精神で前から追いかける事は普通に行われてきた。またゾーンの守備戦術もドワーフチーム等が少ないが行っている。
しかしボール保持者を狙ったエリアへ誘導する方法やプレスをかける人数のマネージメント等はまだ発明されていなかった。この世界へ来た直後に見たようにオフサイドトラップも知られていないし、奪った後のショートカウンターを計画的に放つプランも整理されていない。
俺はそれらがこの世界で自然に発明されてしまう前に、自分たちだけに導入するつもりだ。サッカー界の先人たちが多大な努力で開発した発明品を未開発の世界へ持ち込んで無双しようとしている。前も思ったが卑怯と言えば卑怯だ。
とは言え俺も生活がかかっているし『導入』って言っても簡単じゃないから許して欲しい。だってボタン二つでプレスとオフサイドトラップが発動してくれる世界じゃないんだぞ?
「大事なのは連動じゃ。決して一人で先走るんじゃないぞ!」
ここで再びジノリコーチのターン。
「こちらも結局、ボールの位置じゃ。位置によってどう動くのかを頭に叩き込むのじゃ!」
ゾーンでの守備はともかく、ゾーンプレスをジノリコーチや選手達に説明するのには苦労させられた。見せるべき映像はこの世界にはないし、駒やボードを動かして説明しても臨場感がない。
俺が取った手段は……またも子供頼みのものだった。まず俺は年齢の下一桁が一歳づつ違う子たちを選抜してチームを作り、フィールドを俯瞰できるクラブハウス2Fのベランダからその年齢の数字を叫んで彼女たちを操った。指示した内容は主に誰がプレスを行うか? だが大人のエルフなら疑問や自分の判断が浮かんでしまう場面でも、俺が教えてきた変則ルールでのゲームに慣れた子供達は無邪気にまっすぐプレスをかけてくれた。
次に子供達の走力でもカバーできるように、フィールドをフットサルコートくらいの大きさに制限した。
そしてそのフィールドでそのチームとアローズの選手何名かを対決させたのがだ、彼女らは面白いようにボールを奪われていった。狭いフィールド、俯瞰の位置からの指示、法則性の分からない選手の割り振り――丁寧に背番号と年齢の数字は出鱈目にしていた――という不利な点はあったにせよ、子供達のプレスを掻い潜ってボールをファイナルサードへ進めた選手は一人もいなかったのだ。
デモンストレーションの試合が終わった後、誰もがこの(彼女らにとっては)新しい戦術の威力と可能性に困惑と興奮を覚えていた。だがただ一名、ジノリコーチだけは冷静に分析を始め直ちに練習メニューを構築し始めていた。
「エリアカラーを忘れずにな! 練習だからこれがあるが、試合では無いぞ!」
回想終わって再び今へ。ジノリコーチはまずボールがあるそのエリア毎に全選手の並ぶ角度を決め、ボールが移動する度に――厳密に言えばプレスはボールの移動中からかけないといけないので、実際は今ある場所ではなく移動先に準拠する――ポジションを修正する練習から始めた。
その練習に際して彼女が叫びつつ指さしているのはフィールドの少し上に浮かんでいる色とりどりのウィスプ、光の精霊の事だ。
ACミランでゾーンプレスの導入を行ったサッキ監督はフィールドを何カ所かに区切り旗を置いて練習したそうだが、ここはファンタジー世界で魔法が得意なエルフもたくさんいる王国だ。せっかくなので設置撤去がもっと簡単でぶつかってしまう危険もない、宙に浮く鬼火を旗代わりに使う事にしたのだ。
更に今は練習なのでフィールド脇の例の大鏡にその色と位置がヒントとして表示されている。いるが、実際の試合ではもちろんこれらは無いのでシーズン開幕までにポジションを暗記する必要がある。
そこまで出来た上で――そう、ここまでをクリアした上でまだあるのだ――最後に決まったメンバーでボール保持者を囲み、ボールを奪う事となる。これまた『決まったメンバー』についてもクラブハウスの2Fベランダから叫んでくれる人もいないので選手が覚えないといけない。
位置、角度、人数、そして冒頭でジノリコーチが説明したゾーンディフェンスとしての距離感。頭を使う事、覚える事が大量でエルフのお嬢さんたちは悲鳴を上げていた。
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