高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

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【ヤンデレβ×性悪α】 高慢αは手折られる

第八話

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「アンヌ、お前またセラフに変なこと吹き込んだりしてないよな?」

「変なことって何よ?私は事実しか伝えてないわよ。だいたいフェナはこの高飛車な性悪を美化しすぎてるのよ。現実を見て早く目を覚ましなさい!」

「うぶっ。ひゃなせ(離せ)」

アンヌはフェナーラの顔を両手で勢いよく挟み込む。バチンッといい音がしたからフェナーラは痛かっただろう。いい気味と思う反面、アンヌのフェナーラへの距離感が近すぎる気がした。フェナーラもそれを受け入れている様子に何故か苛立つ。

「アンヌ嬢、もう要件が済んだのならば私は失礼させていただきますね」

フェナーラと見つめ合うアンヌ嬢に背後から声をかけ、そのまま部屋を出ようと二人の側を横切る。

「シェリャフ(セラフ)」

何故かフェナーラに腕を掴まれる。フェナーラは空いている方の手でアンヌの手を払いのける。

「あっ、こらフェナ!レディの腕を払うなんて失礼よ!」

「人の顔を思い切り叩いたお前には言われたくないね。そんなことより、これから客人が来てここの部屋使うから、お前はささっと帰れ」

フェナーラはアンヌに手で追い払う仕草をする。
まただ。フェナーラは私を呼び止めたはずなのに、この二人が話し始めると他の誰も二人の間には割って入れない、そんな雰囲気になる。
私の腕を掴んだままアンヌと言い合いをするフェナーラを横目でみるが私の視線には気付かない。だから私は無言でフェナーラの腕を振り払った。

「ちょっと、待てってセラフ。俺はセラフに話があるんだ」

「……」

フェナーラはすぐさま私の腕を掴み直し、やっと私に視線を向ける。

「前に話したと思うけど、今日の客人はセラフにも同席して欲しい。後、首元が出ている服の方がいいから、セラフの着替えよろしく」

お願いをするように言うが、私の返事を聞く前に控えていた使用人に指示を出す。使用人は指示を受け素早く行動をし始める。

「…私は同席すると言った覚えはないですが?」

「やっと話す気になったか?別に嫌なら同席しなくてもいい。ただ相手はエステートのだけどな」

「えっ⁈王族の関係者ってすごい相手が来るのね。…でも良く良く考えたら、この性悪も元々はすごいお貴族様なんだもんね」

「アンヌ、性悪じゃなくてセラフな。そしてお前はささっと帰れ。セラフは着替えだけど…俺が手伝うか?」

「何言っているんですか。必要ありませんから。」

「何で様付けしなきゃいけないのよ!それにフェナはこいつの性悪っぷりを見て見ぬふりしてるから、そんなこと言うんでしょ⁈」

「本来ならセラフはお前が気軽に話せる相手じゃないからな。後なぁ、セラフの性格に難があるのは昔から変わらないから。俺は性格悪い所そういうところも含めて、セラフが好きなんだよ」

「なに恥ずかしいことを言っているんですか!まったく」

「そう言う割には顔真っ赤になってんぞ」

「性悪でも照れるのね」

「おい!アンヌ、これ以上赤面してるセラフを見んな!俺だって中々見れないんだから、他の奴には見せたくないんだよ。はい!セラフはささっと着替えにいくぞ!」

フェナーラは自己完結すると私を肩に担ぎ、私達の寝室に向かう。
他の奴には見せたくない…相変わらずの独占欲だと思うが、それが嫌じゃない自分がいる。でも今はまだ気づきたくないから、それ以上深く考えないようにした。





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