高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

文字の大きさ
82 / 85
【ヤンデレβ×性悪α】 高慢αは手折られる

エピローグ (上)

しおりを挟む
冬の夜は夏よりも暗い気がする。
ベッドサイドの蝋燭と、暖炉の微かな光に照らされたフェナーラはいつもより妖艶で、顔を見るだけで腹の奥が疼いて仕方なかった。
ここ最近は、体を繋げていなかったからなおさら疼くのかもしれない。

「あっ…やぁっフェナッ」

弱い所を突かれ嬌声があがる。
ベッドのスプリングが軋む音だけじゃなく暖炉の薪が燃えてパチッと鳴る音まで聞こえるのは、行為に集中できてないからだろう。

普段ならフェナーラと繋がった後は、与えられる刺激に溺れ他のことなんて考えられなくなる。でも、今日は異物の違和感にばかり気を取られフェナーラがくれる快感に没頭っきずにいた。

「ごめん。今日は、時間かかるわ」

「んっあっ…んっ」

フェナーラも行為に没頭できていないようで、その顔には貪り尽くすような欲情は見当たらず眉根に皺を寄せ苦悶の表情を浮かべている。

「んっふうっ…あっあああっ」

「くっ…」

通常より時間をかけ、やっと絶頂を迎える。フェナーラの屹立がドクリと脈打つのを感じたが、精は腹に注ぎこまれずフェナーラの屹立の形に沿ってじんわり熱が広がる。

「んっ…ふぅっ」

フェナーラに唇を甘噛みしついばまれ、キスの気持ちよさに蕩ける。そんな私に満足したようにフェナーラは微笑み、私の中から自身を抜く。まだゆるく勃ち上がっている屹立には白くゴワゴワしたものが被せられている。あれが、行為に集中できなかった違和感の原因だ。
フェナーラがそれを外すのをじっと見つめていると

「そんなにじっと見られると、またヤりたくなるんだけど」

フェナーラが私の顔を覗き込んで冗談っぽく軽口をたたく。

「いいけど…もう一回シても」

体の熱は不完全燃焼気味だったので、それを何とかしたかった。でも、素直に抱いてと言うのは気恥ずかしくて、可愛げのない言い方になる。それでも、誘ったことに羞恥を感じ、顔が熱くなる。真っ赤になっているのを、フェナーラに見られたくなくて、顔を背けると

「そっか、そっかぁ。もう一回いいんだ。じゃあ、遠慮なく」

「でも、それは…着けないで」

フェナーラは私の顎に手を添え自分の方へ顔を向かせる。フェナーラの眼には再び欲情の色が浮かんでいた。フェナーラが用意した白いゴワゴワした物体ー避妊具を指差し、要望を伝えると、フェナーラの眼にさらに熱がこもる。

「そんな可愛いこと言われると興奮しすぎて手加減できなくなるんだけど。今日はこれの使用感を試すだけのつもりだったから大分、抑えてたのに」

フェナーラが避妊具を指で摘む。魚の浮き袋のものから改良したらしいが、それでも挿入された時の異物感は否めなかった。

そもそも今日の行為は、その新作の避妊具の使用感の確認をしたいとフェナーラからお願いされたからだ。フェナーラとの関係は良好だが、最近はちょっとした理由から営みを控えていた。

「明日、仕事があるから手加減して。後、それは異物感があるから、いつもよりなんか集中できなくて嫌」

念の為、明日に支障が出ないように予防線を張った。それから、避妊具の感想を伝える。これもバナト商会に役立つための私の仕事の一つだ。だからこれからする行為はあくまで仕事の延長線だと自分に言い訳をする

「やっぱ、異物感あるよな。着けてない方が断然気持ちいいから、まだまだ改良の余地があるな」

そう言ってフェナーラは避妊具をベッドのサイドボードに置く。
そして私の足を持ち上げ、「挿れるぞ」と言い何も着けていない屹立で私の後孔を一息に貫いた。

「んっ…あっはぁっ」

「はっ…セラフの好きな所、たくさん擦ってやるから、俺だけに集中して感じて」

体を起こされフェナーラの膝の上、対面座位の姿勢になる。そのまま下から、一番弱い所を突き上げられ体が跳ねる。さっき不完全燃焼した分の熱も出口を求め体を駆け巡る。

「んっ…あっやぁっ」

「セラフ、気持ちいいか?」

「うんっ…いいっ…あっはぁっ」

「俺とセックスするの好きか?」

「す、すきっ…やっ、そこダメ…っ」

フェナーラに奥をグリグリとこねられ、電流のように快感がつま先から頭のてっぺんまでかけあげる。

「俺のこと愛してる?」

「う、ん…っ。好きっ…あっ、あいっ…してるっ」

快感に溶かされながらも、フェナーラの質問に答えていくと、フェナーラはニヤリと笑った。

「じゃあ、結婚式挙げるよな?」

「んっ…ずるいっ…やぁっ」

フェナーラはねちっこく、私の奥を責め立てる。

私達は夏に相思相愛になり、秋にはパートナーの届出をだして家族になった。それでもフェナーラは何度も「挙式するだろ?いつにする?」と聞いてくるのだ。秋口に親戚を集めた婚姻式を行なったのだから、それが結婚式にあたるのでは?と私は思うのだが、フェナーラに言わせればそれでは不十分らしい。
結婚式はエステートの全貴族と、バナト商会の仕事仲間を呼んで盛大なものにしたいらしい。
そんなことをせずとも、貴族の中では私がレトア家から除名されフェナーラに嫁いだことは噂になっている。それに商会の仲間には取引の際に挨拶を済ませているのだから、今更式を挙げる必要性を感じないのだ。

「ズルいのは、セラフだろ?俺が体で懐柔できないように…散々理由をつけて抱かせてくれなかったじゃん」

「いやっ…あっ…やめっ…イくイッちゃ…っ」

不完全燃焼燃焼だった体はフェナーラが与える刺激に従順に反応し、絶頂を迎えるため全神経がそちらに集中する

「セラフ…イきたいなら分かってるだろ?」

「い、いじわる…っ…やだっ…やだ…」

後もう一歩の所でフェナーラの屹立を抜かれ、ギリギリで堰き止められた熱が体の中で暴れ狂う。もう自分でと思い、自身の中心に触れようとした手を掴まれ阻まれる。
フェナーラは、私が結婚式を承諾するまでイかせないつもりだ。

「ほら、セラフ。これで、奥をガツガツ突かれたいだろ?」

「やっ…やあっ…いじわる…しないでぇ」

フェナーラは私のお尻の割れ目に屹立を擦り付け、時々、先端だけ後孔に浅く抜き差しする。もどかしい刺激に体の奥が疼いて切なくなる。

「意地悪してんのは、セラフの方だろ?俺がセラフを抱きたがってるの知ってて、避けてたじゃん。俺もセラフを目一杯可愛がりたいから、もう諦めて結婚式するって言えよ」

「やっ…やだっ…あっあっ…んっ…しな、い」

「じゃあ、このままでいいんだな?」

「やだっ…おねがいっ…もうっ…イきたい」

「じゃあ、結婚式挙げていいな?もう意地張るの辞めるな?」

フェナーラに意地を張るなと言われるが、私にだって譲れない時があるのだ。
今の何もない私のまま挙式を挙げた所で、フェナーラには相応しくないと言われるのは目に見えている。しかもエステートの全貴族を招待するとなると、フェナーラはご令嬢に人気があるようだから、ご令嬢達も出席するに違いない。フェナーラがご令嬢達に優しくするところなど見たくはない。そんなのは仕事を兼ねたパーティーだけで充分だ。
結婚式の晴れ舞台を嫉妬ばかりの思い出にするくらいなら、しない方がマシだ。

「やっ…ふっうっ…やだぁっ」

素直に心の内を言う事も、目の前の快楽に打ち勝つこともできず、涙が溢れてくる。泣く事しかできない自分が情け無くて仕方ない。

「……。泣かせてごめん。俺の負けだ。気持ちよくするから、許してくれ」

「んっ…んっ…あっやぁっ…フェナ…っ。好きっ」

唇にキスが落とされ、それに酔いしれていると、フェナーラに奥まで穿たれ体が弓形になる。

「俺も好きだ。セラフ、好きだ」

「やっあっ…イくっ…フェナっ…イッちゃっ…あっあああっ」

フェナーラにしがみつき、限界が近いことを告げると胸の飾りを摘まれ、前立腺を刺激される。それで私は絶頂を迎え、フェナーラの屹立をキツく締め上げると私の中で弾け腹に精の熱さが広がる。

ーーー

「そういえば、セラフの明日の仕事、俺も同行するな」

「フェナーラが居てくれるなら、私も心強いです」

事後、一緒にお風呂に入っているとフェナーラがそう言ったので、私は胸を撫で下ろした。

だって、明日は私の天敵と顔を会わせる日だから。私にとっては結婚式以上に、耐え難いことだから。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

あなたは僕の運命なのだと、

BL
将来を誓いあっているアルファの煌とオメガの唯。仲睦まじく、二人の未来は強固で揺るぎないと思っていた。 ──あの時までは。 すれ違い(?)オメガバース話。

アルファだけど愛されたい

屑籠
BL
ベータの家系に生まれた突然変異のアルファ、天川 陸。 彼は、疲れていた。何もかもに。 そんな時、社の視察に来ていた上流階級のアルファに見つかったことで、彼の生活は一変する。 だが……。 *甘々とか溺愛とか、偏愛とか書いてみたいなぁと思って見切り発車で書いてます。 *不定期更新です。なるべく、12月までメインで更新していきたいなとは思っていますが、ムーンライトノベルさんにも書きかけを残していますし、イスティアもアドラギも在りますので、毎日は出来ません。 完結まで投稿できました。

婚約破棄?しませんよ、そんなもの

おしゃべりマドレーヌ
BL
王太子の卒業パーティーで、王太子・フェリクスと婚約をしていた、侯爵家のアンリは突然「婚約を破棄する」と言い渡される。どうやら真実の愛を見つけたらしいが、それにアンリは「しませんよ、そんなもの」と返す。 アンリと婚約破棄をしないほうが良い理由は山ほどある。 けれどアンリは段々と、そんなメリット・デメリットを考えるよりも、フェリクスが幸せになるほうが良いと考えるようになり…… 「………………それなら、こうしましょう。私が、第一王妃になって仕事をこなします。彼女には、第二王妃になって頂いて、貴方は彼女と暮らすのです」 それでフェリクスが幸せになるなら、それが良い。 <嚙み痕で愛を語るシリーズというシリーズで書いていきます/これはスピンオフのような話です>

番を持ちたがらないはずのアルファは、何故かいつも距離が近い【オメガバース】

さか【傘路さか】
BL
全10話。距離感のおかしい貴族の次男アルファ×家族を支えるため屋敷で働く魔術師オメガ。 オメガであるロシュは、ジール家の屋敷で魔術師として働いている。母は病気のため入院中、自宅は貸しに出し、住み込みでの仕事である。 屋敷の次男でアルファでもあるリカルドは、普段から誰に対しても物怖じせず、人との距離の近い男だ。 リカルドは特殊な石や宝石の収集を仕事の一つとしており、ある日、そんな彼から仕事で収集した雷管石が魔力の干渉を受けない、と相談を受けた。 自国の神殿へ神が生み出した雷管石に魔力を込めて預ければ、神殿所属の鑑定士が魔力相性の良いアルファを探してくれる。 貴族達の間では大振りの雷管石は番との縁を繋ぐ品として高額で取引されており、折角の石も、魔力を込められないことにより、価値を著しく落としてしまっていた。 ロシュは調査の協力を承諾し、リカルドの私室に出入りするようになる。 ※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。 無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。 自サイト: https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/ 誤字脱字報告フォーム: https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f

僕が死んだあと、あなたは悲しんでくれる?

いちみやりょう
BL
死神 × 不憫なオメガ 僕を大切にしてくれる青砥と、ずっと一緒に居られると思ってた。 誰も感じない僕のオメガのフェロモンを青砥だけはいい匂いと言ってくれた。 だけど。 「千景、ごめん。ごめんね」 「青砥……どうしたの?」 青砥は困った顔で笑って、もう一度僕に“ごめん”と謝った。 「俺、和樹と付き合うことにした。だから、ごめん」 「そんな……。もう僕のことは好きじゃないってこと?」 「……ごめん」 「……そっか。分かった。幸せにね」 「ありがとう、千景」 分かったと言うしか僕にはできなかった。 ※主人公は辛い目に遭いますし、病気で死んでしまいますが、最終的に死神に愛されます。

無理です!僕は絶対にこんな屑駄目王子の嫁になりませんからね?

竜鳴躍
BL
見た目と才能を隠していた第二王子と第一王子の婚約者候補のラブコメ?王家ざまあ。番確定なのに未成熟で分かってない主人公(受)とすれ違いの攻。あげく第一王子は変装した弟に恋をするし、たいへんです。 ※前半あらすじ? 「なんでウチは公爵なのぉ!?」ハイリ5歳は絶望した。ちょっと顔が綺麗なだけで傲慢な第一王子。外面が良いだけの悪魔の婚約者候補に選ばれてしまう。ハイリは男の子だけどΩでお嫁に行く。だから女の子に混じって、実家の爵位と年齢から選ばれてしまった。死にそうになったところを助けてしまったり、あまりのアホさにやらかす男を助けてしまい、なんとか自分だとバレないように裏工作するハイリ。見た目と才能をひた隠しにして、どうにかこうにか誰かに第一王子を押し付けようとするのだった。 ☆短編になりました。

オメガなのにムキムキに成長したんだが?

未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。 なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。 お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。 発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。 ※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。 同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。

処理中です...