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「ダンフォース~!!おっはよ~~!!」
朝のコーヒーを淹れようとヤカンのお湯が沸くのを待っているダンフォースの背中に、ぎゅうぎゅうっとしがみつき、クンクンとダンフォースの匂いを堪能する。これが一緒に住み始めてから、毎朝の恒例となっていた。
「・・・ジュディス、危ない。」
「はぁい、ごめんなさい。」
ダンフォースは、ジュディスの抱きつき方が危ない時の注意はするけれど、恋人でも夫婦でもない間柄なのに抱きついてくることを注意することはない。なのでジュディスも遠慮なく、心置き無くしょっちゅう抱きついているのだ。
ジュディスが手際よく朝食を準備している間、ダンフォースがコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいるのもいつもの光景だ。
(ダンフォースとお喋りしたい~だけど集中してるときは、邪魔しちゃダメ!それに・・・集中してるダンフォースもかっこいい~!!すき!)
と、気持ちを堪えながらもついつい見とれてしまう。じっとダンフォースの顔を眺めながら、手だけは素早く動かしていきパンや野菜スープ、サラダとハムを出す。
「ダンフォース、食べよ!」
「ん」
「いただきます!」「・・・す」
待ってました、とばかりにジュディスはたくさん話しかける。今日の予定、夕食のこと、最近見かける野良猫のこと、ダンフォースは時折頷くだけで、返事や言葉はない。それでもジュディスは幸せだ。
「ふふふ」
急に笑いだしたジュディスを、ダンフォースは怪訝そうに眺めた。
「ダンフォース、今日もかっこいいなぁって思って!」
「・・・はぁ」
呆れたように溜め息をつくダンフォースすらも愛しくて、にこにこ見つめる。
ダンフォースは、あんまり話さないけれど。
一緒に住んでいても甘い空気にはならないけれど。
ジュディスを褒めたりはしないけれど。
だけど、ジュディスのご飯を全部食べてくれて。
ジュディスの話を最後まで聞いてくれて。
ジュディスの居場所を作ってくれて。
それだけで、ジュディスの胸はいっぱいになるのだ。
「ふふふ、だいすき!」
やっぱり返事はないけれど、困ったように小さく頷いてくれるだけでジュディスは大満足なのだった。
朝のコーヒーを淹れようとヤカンのお湯が沸くのを待っているダンフォースの背中に、ぎゅうぎゅうっとしがみつき、クンクンとダンフォースの匂いを堪能する。これが一緒に住み始めてから、毎朝の恒例となっていた。
「・・・ジュディス、危ない。」
「はぁい、ごめんなさい。」
ダンフォースは、ジュディスの抱きつき方が危ない時の注意はするけれど、恋人でも夫婦でもない間柄なのに抱きついてくることを注意することはない。なのでジュディスも遠慮なく、心置き無くしょっちゅう抱きついているのだ。
ジュディスが手際よく朝食を準備している間、ダンフォースがコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいるのもいつもの光景だ。
(ダンフォースとお喋りしたい~だけど集中してるときは、邪魔しちゃダメ!それに・・・集中してるダンフォースもかっこいい~!!すき!)
と、気持ちを堪えながらもついつい見とれてしまう。じっとダンフォースの顔を眺めながら、手だけは素早く動かしていきパンや野菜スープ、サラダとハムを出す。
「ダンフォース、食べよ!」
「ん」
「いただきます!」「・・・す」
待ってました、とばかりにジュディスはたくさん話しかける。今日の予定、夕食のこと、最近見かける野良猫のこと、ダンフォースは時折頷くだけで、返事や言葉はない。それでもジュディスは幸せだ。
「ふふふ」
急に笑いだしたジュディスを、ダンフォースは怪訝そうに眺めた。
「ダンフォース、今日もかっこいいなぁって思って!」
「・・・はぁ」
呆れたように溜め息をつくダンフォースすらも愛しくて、にこにこ見つめる。
ダンフォースは、あんまり話さないけれど。
一緒に住んでいても甘い空気にはならないけれど。
ジュディスを褒めたりはしないけれど。
だけど、ジュディスのご飯を全部食べてくれて。
ジュディスの話を最後まで聞いてくれて。
ジュディスの居場所を作ってくれて。
それだけで、ジュディスの胸はいっぱいになるのだ。
「ふふふ、だいすき!」
やっぱり返事はないけれど、困ったように小さく頷いてくれるだけでジュディスは大満足なのだった。
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