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しおりを挟む「まぁ!昨日入籍したの?」
ソフィアが付いている、公爵の一人娘シャーロットはソフィアとハロルドの報告を聞いて目を丸くした。公爵の前とは打って変わって、ハロルドは深々と頭を下げ謝罪した。
「お嬢様。事後報告になり申し訳ありません。」
「いいえ、それは良いのよ。貴族間の結婚は家同士の事情で急に状況が変わることも多いでしょうし。」
シャーロットのフォローにソフィアは思わず顔を赤らめた。ソフィアが急に籍を入れたのは家の都合などではなく、自分たちの都合だったからだ。そんなソフィアの顔を見て、ハロルドが口を開いた。
「お嬢様。私たちの入籍が急だったのは家の事情ではないのです。」
「そうなの?」
「はい。私がどうしても早くソフィアと籍を入れたくなってしまったのです。」
「ハ、ハロルド……!」
「まぁ、本当に?」
ハロルドの言葉にソフィアは動揺するが、シャーロットの顔はハロルドを見据え嘘を付いていないか見極めようとしているようだ。
「はい。私はソフィアだけを愛しておりますので。」
「ふふふ、そうね。ソフィアだけを愛している人でないとソフィアをお願いできないわ。ハロルド、どうかソフィアを大切にしてね。もし大事にしないようなら……。」
ハロルドの職場での評価が冷徹な執事ということで、シャーロットはハロルドにソフィアを託しても良いのか疑いが拭えないようだ。
「大事にしないようなら?」
「うーん……、ハロルドはお父様に言い付けても何のダメージもないのよね。そうね、エドモンド様に言い付けようかしら?」
エドモンドはシャーロットが婚約者候補になっているこの国の第二王子だ。正義感の強い人だと評判の王子だ。
「エドモンド第二王子へご迷惑をお掛けするようなことには決してならないとお約束します。」
ハロルドはシャーロットへはっきりとそう言い切った。自分の主、ハワード公爵には散々無礼な態度を取るハロルドだが、シャーロットへは丁重に対応する。それは、シャーロットはソフィアが大事に想っている主であるからこそだと知っているソフィアは、嬉しいやら恥ずかしいやらで言葉にならなかった。
「お願いね……ソフィア。」
「はい。お嬢様。」
「結婚おめでとう。どうか結婚してからも私を助けてくれたら嬉しいわ。」
「勿論です、お嬢様。」
ソフィアへ言葉を贈るシャーロットが笑顔を見せると、ソフィアも漸く嬉しそうに笑みを零した。
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