蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー

みーしゃ

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第一部 王立宮廷大学を目指そう!

3. 高貴なる血統の責務

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 魔神大戦は、多くの人命を奪った。

 しかし、失われたのは人命だけでなく、人々の生活に関わる、ありとあらゆるものが失われていた。
 農地は荒らされ、井戸水は毒に侵され、家や街、街道や城など、そのほとんどが壊滅的な被害を受けていた。
 そのため、物資の不足はもちろん、人材の不足も、非常に深刻な状況だった。

 復興をするためには、それに従事する人々を支えるための、水や食料の配給や、必要な道具の用意や資材の運搬、居住場所の確保や、さらにはゴミや排泄物の処理など、多岐にわたる。
 農林・畜産、製造・加工、販売・サービス、統治や管理など、あらゆる分野で、人手が足りていなかった。

 その人手不足を解消したのも、また、魔法の力だった。
 魔神大戦で活躍した人たちが中心となり、魔法の力を破壊のためではなく、創造のために使うようにしたのだ。

――それは、新たな魔法文化の始まりでもあった。

 魔神大戦を引き起こすきっかけとなった使役魔法も、当時は使役術と呼ばれており、独自に伝えていた技術の一つに過ぎなかった。
 しかし、魔神大戦をきっかけに、多くの人々がそれらを魔法として認識し、古くから伝わる魔法と、新しく神から授けられた魔法の両方が伝えられていった。
 その結果、魔法の研究が進んでいき、組み合わせて活用することにより、新しい魔法が次々と生み出されていった。

 水の魔法や、植物の成長を働きかける魔法は、瞬く間に新たな農地を作り出した。
 鉱物に反応する魔法や、爆発を引き起こす魔法は、物資を効率よく見つけ、採掘や運搬を容易にした。
 火の魔法は製造や加工を助け、土の魔法はゴーレムを生み、破壊された住居の建築補助にも使われた。
ありとあらゆる分野で魔法の持つ力が活用され、人々の生活は急速な勢いで取り戻されつつあった。

 やがて複数の家から集落が生まれ、集落は街になり、街は都市へと発展した。
 人口も増え始め、人々の生活環境が整えられていき、それに付随して文化も発展し、新たな国家作りへの基盤となっていった。

 魔法を使える人間は、復興作業の中心となり、自然とリーダーの立場も任されていくようになった。
 この復興の過程において、魔法が使える人間は、そのほとんどが貴族となっていった。

 しかし、貴族になったとはいえ、初期の貴族たちは、決して慢心することは無かった。
 魔神大戦の忌まわしい記憶が、教訓として強く残っており、その想いは次の世代以降にもしっかりと受け継がれていったのだ。

 いつか再び魔神が現れた時に備え、魔法を学問として体系化し、魔法の持つ力を研究していく。
 そして、魔力を持つものは、多くの人々を助けるために、日々研鑽し、魔法の発展に努めなければならない。

 やがてそれは、貴族の義務であると考えられるようになり、後に「高貴なるト・クレオス・ティス血統の・エウゲヌース責務・ゲネアース」と呼ばれるようになった。
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