多分嫌いで大好きで

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 ーーあ、課題のやつ調べよう

 こうやってこっそり課題ができるのもこのバイトのいい所かもしれない。
 自分でも真面目なのか真面目じゃないのか分からない。バレなきゃいいって思ってしまうところはあるかもしれない。

 ーーアジア系でまとめたいなぁ

 中国、上海、韓国。とりあえず日本に近い国をあげていく。タイなんかもいいなぁ。
 イギリスやフランスなんかもオシャレで憧れはあるけど、自分の心に刺さる国はアジア系が多かった。
 だから今回の課題はアジアから選ぶことにした。

 とりあえず目に移る資料をクリックしていく。国の成り立ちや不思議な風習。都市伝説なんかも出てきた。やっぱり世界って面白い。
 そんなことをしていたら16時になっていた。

 咲久がパソコンの画面に夢中になっていると、「すみません」と声をかけられた。

「あ、こんにちは~」

 真面目に仕事してますという表情を作って顔を上げる。

「16時に予約してた佐藤工業です。」

 もうそんな時間かと思いながら、一応予約名簿の名前を確認してから事前に用意していた個室オフィスのカードキーを手渡す。

「2名様のご予約ですね。この後他にお客様はいらっしゃいますか?」

「いえ、特にないです。」

「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ~」

 語尾を伸ばしてしまうのは俺の癖なのかもしれない。注意されたこともないから自分から治そうとは思わないけど。
 マニュアル通りの聞いて部屋を案内する。
 これで今日のメインの仕事は終わりだ。この後は特に予約は入っていない。

 ーーたったついでに掃除でもするかぁ

 使用したであろうデスクを丁寧に拭いていく。椅子にもコロコロをかけてホコリや毛玉をとる。
 思ったよりオフィスは広い。この掃除で結構時間が潰れるから、バイトの掃除も嫌いじゃない。

 デスクの上のライトの位置を微調節したり、椅子の背もたれの角度を統一したり、暇の潰し方は教育してくれた人から教わっている。それなりに真面目に仕事してるように見えるのもいい。

 それでもバイトは長い。

 暇なのもあるけど、同じ単純作業の繰り返し。しかし発情期のあるオメガが、人に迷惑かけない仕事などこういうものが多い。
 不満も特にないし、自分の性格にこの仕事内容は合っていると思う。でもたまに暇すぎて、自分ってこれやってて意味あるのかななんて考えることも結構ある。

 まぁこれから1週間は課題のことがあるからバイト時間も暇にはならないけど。

 ある程度掃除を終わらせ受付内に戻る。

 特に意味もないがメールをチェックして何も届いていないことを確認すると、咲久はまた課題に取り掛かった。

 途中から各国の都市伝説なんかを調べ始めて、課題をする気はあるのかと自分でも思うほどだった。
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