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第3章 第11話:ゆっくり心をひらくカメのカメタ
しおりを挟むその くさ の あいだ に、じっと うごかず すわって いる カメ が いた。
リッカ は、そっと ちかづいて こえ を かける。
「こんにちは。わたし は リッカ。コトバ さがし の たび の とちゅう なの。ジショ を つくって いて……」
カメタ は、しばらく だまって いた。
そして、ゆっくり と くび を あげて、しずか に はなし はじめた。
「……ボク は、カメタ。この そうげん を みまもってるんだ。かぜ の おと を ききながら、コトバ を かんがえる の が すき なんだ」
リッカ は、カメタ の はなす ペース に あわせて、ゆっくり と すわった。
カメタ は、コトバ を はなす まで に じかん が かかる。
でも、ていねい に、こころ を ひらいて はなして くれる。
「ひらく には、じかん と あんしん が いるんだ。いそがなくても、ちゃんと とどく よ」
「そうか…ひらくって、まつ こと も だいじ なんだね」
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