あなたの1番になりたかった

トモ

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初恋

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姉のメイジェーンとその幼馴染のサムは、小さい時から仲良く遊んでいた。
妹のルナは、5歳離れていることもあり、いつも後をついて回っていたけど、いつのまにか、毎回見失うの。
帰るときになると、サムが頭を撫でてくれるあの手と、笑顔がずっと好きだった。
7歳の時サムに「私はサム兄さんが好き」そういうと、サムも「僕もルナが好きだよ」そう返してくれた。まだ子供だったので、その時はこのまま大人になったら、結婚してくれる、そう勝手に思い込んでいた。
ある日、姉のメイジェーンが「ルナ、いい加減、私達の邪魔をしないで、自分と同じ年頃の子達と遊ぶようにしたら?」そう言われた。ルナは「私はサムが好きなの。将来結婚するんだから」と答えたら、「子供は相手にされないわよ。それに、妹のようにしか思われてないわ」と言われた。ショックだった。でもルナは、サムに言われたわけじゃないから、諦めないでずっと好きな気持ちを持ち続けた。
15歳になり、家に遊びにきていた、サムに告白しようと、姿を探していると、庭の方で話し声が聞こえてきた。
そっと覗くと、メイジェーンとサムが激しいキスをしていた。
ショックだった。そして、そうか姉は自分がサムを好きだったから、私が邪魔だったんだわ。それでいい加減、同じ年頃の子達と遊ぶように言ったんだわ。そう悟った。
その日を境にルナは、サムには合わなくなった。
ある日、町にできたカフェに1人で入った。
すると学校のクラスメイトのボブが話しかけてきた。
「ルナだよね。俺同じクラスなんだけど、知ってる?」そう聞かれたので「もちろん知ってるよ」と。そこから話は続き、とても楽しい時間を過ごす事ができた。
家に帰ると、思った。私の見てきた世界は、狭かったわ。これからもっと行動範囲を広げて楽しもう。
そして次の日からは、ショッピング、本屋、カフェいろいろなところに行くようにした。
友達も増え、休日は、友達と出かけるようになって、ルナは明るくなった。
ある日、ボブに「遊園地のチケットもらったんだけど、一緒に行かないか?」そう聞かれたので、「行きたい」と、答えた。
休日、ボブが家まで迎えにきた。その時、サムがちょうど家に来た。あら久しぶりだわ。そんな風に思えるぐらい、吹っ切れたルナ。
すると「久しぶりだね。ルナ…最近会えなかったからどうしたのかと思ってたよ。友達と遊びに行くの?」そう聞いてきたので答えようとしたら、ボブが「今から遊園地に行くんです。それから今は友達ですが、もうすぐ彼氏になる予定なんで」そういうと、ルナの手を取って歩き出した。
ルナは「どうしてもうすぐ彼氏なんて言ったの?」と聞くと、「俺はずっとルナが好きだったけど、ルナには他に好きな人がいただろ?告白してもダメかなと思ってたら、1人でカフェに来てたから、思わず声をかけてたんだ。話してみたらやっぱり好きな気持ちは止められなくて。こんな告白でなんかかっこ悪いけど、付き合ってくれませんか?」そう言われた。ルナは「私、まだボブの事友達ぐらいにしか思ってないけど、それでもよければ」とお付き合いする事に。
遊園地ではたくさん乗り物に乗り、楽しかった。一緒に過ごしている時間は、とても有意義だった。
それから数ヶ月経ち、ルナはボブの事が好きになっていた。いつもルナを1番に考え、ルナを大事にしてくれた。
姉が言ってた通り同じ年頃の子達と過ごすようにしてホントによかった。そう思えるルナだった。
数年後、サムの姿を見かける事がなくなっていることに気づいた。そういえば、働きだしたから会いに来なくなったのかな?それぐらいしか思っていなかったけど、どうやら姉と、サムは別れたらしい。本人に聞いたわけじゃないけど。まぁ別に関係ないか。そう切り替え、ルナはずっと付き合ってきた今は婚約者のボブと結婚式の打合せに向かう。
すると、結婚式場で働くサムの姿が。
ここで働いているのね。世間は狭いわ。そう思ったけど、あえて話しかけず、気づかないふりをした。
ボブが「あの人、以前ルナの家に来てた人じゃあない?」と聞いてきたので、「姉と別れたから声かけるのもね。」そう返事をし、その場を後にした。
そして、幸せな結婚式、結婚生活を始められたルナ。初恋は実らなかったけど、今最高に幸せ。姉さんありがとう。いろいろ気づかせてくれて。これからも楽しい日々を過ごしていくわね!
fin

メイジェーンのその後
妹は、私の幼馴染に恋してる。私の恋人になる予定の人よ!
そう思っていたから、小さい時後ろからついて来るのが鬱陶しかった。
ある時、いい加減、同級生と仲良くしたらと言った。そしてルナが15歳の頃、サムが家に来た時、私はルナが見ているのをわかって、ディープキスをした。すると走って去っていくルナが見えた。 
サムは何するんだ。気持ち悪い。
もうこんな事するなら、ここには来ない。そう怒ったので、「好きなの。付き合ってほしい」そう言った。すると「俺は幼馴染以外の感情はないよ。悪いけど付き合えない」そう言って帰ってしまった。
それからサムは家に来なくなった。
メイジェーンは、振られ、ひとりぼっちに。
ルナはこの日を境に、友達がたくさん出来、外出が増え、楽しそうな顔をすることが多くなった。
そして彼氏も出来たよう。
それから数年後
私が意地悪したのをきっかけに、外の世界を見られるようになったと、ルナの結婚式で言われた。結婚式場で働くサムに内容を聞かれてしまっていた事を、メイジェーンはまだ知らない…
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