【本編完結済み】卒業パーティーで婚約破棄をやらかした王子が『真実の愛』に辿り着くまでの話

むちこ

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秋だから温泉でイチャイチャしたいだけの話

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最近書いている話の方が鬱展開で疲れてしまったので、能天気なイチャイチャエロが書きたくて書いた話です。暇潰しにでも読んでいただけたら幸いです。 

──────────────────────


「ううっ、腰が痛い~っ」 

クリストファーは会議室の広いテーブルに突っ伏して唸った。

領地開発の第一歩として領内の正確な地図を作ることにして、王都から測量技師を雇い入れて地図を作ることになった。地図作り事態には何年もかかるので本格的な作業と平行して、まだこのウエスト領が機能していた頃の地図を元に大まかな現地調査をしてもらっていたのだ。その技術者達が数ヶ月ぶりに帰ってきて、領地の現状を印した古い地図を元に報告会が開かれていたのだ。

「ずっと、座りっぱなしは腰に来ますからな。」

自分も腰を叩きながら年配の文官のネイサンが眉を顰める。彼はマーサの夫で王宮で財務府に勤めていたのに、クリストファー、正確に言うとクリストファーに着いてきたマーサに着いて辺境まで来てくれた愛妻家である。

「あれだけ毎晩頑張っていたら腰も痛くなりますよ。」

ぼそりと呟いて、アルバートに睨まれているのは「一旗挙げようと思いまして」と同じく王宮から着いてきた文官のイアンだ。

「睨まないで下さいよ。あれだけイチャイチャして。当てられるこっちの身にもなって欲しいもんです。」

最近こそ毎日ではなくなったが、初めて致してからはまさに覚えたての猿のように毎晩盛っていたのだ。大っぴらにイチャついていたつもりはなかったが、バレていたらしい。

居たたまれなさに顔に熱が集まる。赤面するクリストファーが可愛くてアルバートはクリストファーの手を取って甲に口付けた。見つめ合う二人。

イアンが二人の世界を壊す無粋な声をあげる。

「あっ!またイチャついてる!」

「自重してるじゃないか。」

「どこが!?」

「本当は抱きしめたいのに人前だから我慢してるんだぞ。」

「あ―――っ!やってらんねえ!貴方、王都にいた時と人格変わりすぎてませんか?」

「あそこは敵が多すぎるからな。」

遠回しに信頼していると言って、しらっとデレるアルバート。

ちょっと室内の空気がほんわかした。

年長者のネイサンが空気を変えるように、

「腰痛といえば、腰痛には温泉ですな。」

と夫婦で旅行に行った時に入った温泉がいかに気持ち良かったか熱弁した。

それを聞いて会議室にいた他の者も温泉はいいと温泉の話題で盛り上がる。

「私は温泉には入った事がないのだが、そんなにいいのか?」

また、今度は温泉の効能なんかの話をして、話は温泉街に移る。

「入ってみたいなぁ~」

クリストファーが憧憬のまなざしで呟いた。

「そういえば、温泉ありましたよね。確か、この辺の廃村の跡に昔使ってた温泉があるって言ってませんでしたか?」

イアンが地図を見る。それに対して技術者が場所を示しながら答える。

「ありましたね。村はもう跡形もなくなってるんですがね。源泉から流れ出たお湯が小川になっていて、小川の途中に穴を掘ってプール状にした所に岩を並べて出口を狭くしてお湯が溜まる様にしてあったのです。きっとあれは昔いた村人が使ってた風呂なんででしょうな。実は私たちも浸かってみてしまいました。」

「あれは気持ち良かったですね。周りが森になっていて野趣溢れる中々趣のある景色でしたね。」

技術者達の話す様に、うっとりした一同は温泉に入りたくて仕方なくなってしまった。
そして誰が言い出したのかいつの間にか温泉街を作る事が決まっていた。

「初期投資でいくらくらい掛かるか、早速見積りを出します。ただ、今この辺の開発にも資金がかかっている現状で資金を何処から持って来るか。」

他にも水源開発の調査が始まっていていたり金は減っていく一方なのが現状だ。頭を捻る一同にあっさりアルバートが自分が出すと伝える。

「海運貿易に投資していた資金が大分増えて回収出来まして、それを温泉街を作る資金に回しましょう!」

「アル、最高!」

クリストファーがキラキラした瞳でアルバートを仰ぎ見る。

「クリストファー様の為なら温泉街の一つや二つすぐ作って見せましょう。」

クリストファーの喜ぶ姿が見たい為に、ぽんっと街一つ創る予算をポケットマネーで出してしまえる、出来る男アルバート。
喜ぶクリストファーに得意気なアルバートは、さらにクリストファーに温泉街を作るために一度現地に二人で視察に行こうと言い出した。


二人っきりで温泉旅行だ!






――――――――――
人気のない木立の中、下半身を肌だけさせて交わる二人の人影があった。
温泉街開発の為の視察という名の温泉旅行に来たクリストファーとアルバートだ。 温泉に繋がる小川を見つけて一息つこうと休憩をしてイチャイチャしていたら、乗馬での旅行に備えてクリストファーの体調管理の為にこの数日我慢していたアルバートが爆発したのだ。




「アル、アル。気持ちいいっ!!」

立ったまま腰を持たれて、バックからアルバートのアルバートに後孔を穿たれる。初めての立ちバックにベッドでの正常位では当たらない場所を突かれて、この数ヶ月すっかり開発されたクリストファーは快楽を余すことなく受け止めて気持ち良くてたまらない。ここ数日馬上の旅の為に夜伽を控えていたので殊更だ。感じまくってうねるクリストファーの中が熱くアルバートに絡み付いて打ち付ける腰が止まらない。アルバートの激しい攻めにたまらず、手をついていた立ち木にしがみつくクリストファー。

「ああ――――っ!!」

木に抱き着いたままにイキそうになるクリストファー。不意に動きが止まって後ろから抱きしめられて、木から引き離される。

「ああ~っ。イキそうだったのに。」

「そんなものに抱き着いてイカないでください。」

首筋に熱い息がかかってキツく吸われた。

「あっ!」

敏感になった身体が快楽を拾う。

「…木に嫉妬したのか?」

「私は心の狭い男なのです。クリスの全てを独占したくて、木にだって嫉妬してしまう。」

「アル、可愛いな。私の全てはお前の物なのに。」

「クリス愛しています。私の全て。」

あまりのアルバートの可愛さに身体を捻ってアルバートの首に腕を回してキスをねだる。

「ああっ!」

捻った弾みでいいところをアルバートが擦って思わず感じてしまう。

「しっかり掴まっていて下さい。」

アルバートが入れたままクリストファーの片足を持ち上げて自分の腰に巻き付ける。

「――――――っ!!」

中をぐるっと掻き回されて強い刺激にイッてしまうクリストファーに、容赦なく背中を片手で支えたままもう片方の足も持ち上げて自分の腰に巻き付ける。

「一人でイッしまうなんて酷い人だ。しっかり掴まっていないと落としてしまうかもしれませんよ。」

イッて力の入らない手足で必死にアルバートにしがみつくクリストファーの口許を濡らす唾液を舐め取って唇に噛みつく様にしてキスをする。イッたばかりの敏感な後孔は自重で深くアルバートを飲み込んで、より深い所で繋がる二人。身動ぎするだけで擦れる中の刺激に気持ち良すぎて辛い。

「アル、動かないで!イッたばっかりだから、気持ち良すぎてもう辛い!」

口付けの合間に訴える。

「気持ち良すぎて辛いんですか?本当、もう可愛いな。もうちょっとだけ我慢して。」

アルバートはクリストファーをしっかり抱え直して、口付けしながらの激しい抜き挿しを開始した。不安定な体勢にクリストファーが必死にしがみ着くので自重も加わって深い所の入口を何度も突かれる。もう、クリストファーは気持ちいいしか考えられない。何度目かの訪いにクリストファーの奥の入口がアルバートの先端を飲み込んだ。

「ひゃあ――――っ!!!!!!」
「うわあっ!」

狭い奥の入口にアルバートの亀頭がはまり込んで、凄まじい快感がクリストファーを襲う。身体を痙攣させてクリストファーの中が収縮する。搾り取られる様に締め付けられたアルバートはクリストファーの中に熱い飛沫を撒き散らした。






──────────────────────
「お湯が入っちゃう!!」をやりたいので続きます。






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