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第6話 契約とグースワース
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「あの光喜様?この空間では限定的なお話しかできません。できればグースワースに戻りたいのです。そうすれば光喜様の置かれている状況や現状など、ゆっくりとお伝えできるかと。なので、その『契約もどき』を解除してもよろしいでしょうか?」
「えっと、ああそうか。元もとの本拠地のことだよね……えっ!?契約もどき?」
「はい。どうやら強制送還直後に、卑しい泥棒猫がちょっかいをかけたようでして。忌々しくもその手の魔術については奴らのほうが一枚上手」
話をしながらもてきぱきと茶器を片付けていく。
うん。
とても有能だ。
「まあ、現在は私の作った『溺愛結界』内部ですので、あなた様にまとわりつく愚かで!売女で!愚かな泥棒猫のっ!腐れ切った卑しい!汚らわしい魔術を解くことなどっっ!!……たいしたことではないのですが」
感情が溢れすぎたせいか目つきが怖い。
「…えっと…何か深く聞きたくないような言葉が見え隠れしているけど…で?俺契約などしてないと思うんですけど…?」
「名を呼ばれ、返事されましたよね?」
なぜかジト目をされる。
「あなた様が別次元へ飛ばされる前に、条件付けされていたのです。まあ、条件が弱いために強制力が低いのでよかったのですが…」
…確かに名前呼ばれたな。
返事というか疑問形での「はい?」だったんだけど…
「それなら、即時に解除してくれていいよ。合って間もないけど、ネルさんは絶対的に味方だって認識できているから。うまく言えないけど、魂が安心しているというか?なにか運命的な感じ?」
言っていて顔に熱が集まるのを感じる。
「ハハハ、キザっぽいね。言っていて恥ずかしいな、なんて…でもまあ、最初は緊張したけど…信頼しているよ」
(本当は今もかなり緊張しているけどね!)
みるみるうちにネルさんの頬に朱がさし、自ら両手で頬を包み込み、もじもじと体をうねらせる。
やだっ、何この可愛い生き物!?
「っつ!!?」
そんな姿に見惚れていると、激しい頭痛とともに、聞き慣れていたであろう過去の自分らしい音声が頭の中で響いた。
『…限定的だが念話スキルが復元した…』
『併せてマルチタクススキルも10%程度復元した』
『…イチャつきやがって…』
頭の中にむりやり異物を押し入られるような感覚に、吐き気がし思わずかがみこんでしまう。
最後変なことも聞こえたが……
「光喜様?!どうされました?大丈夫ですか?」
対面にいたはずのネルさんが瞬間移動したかのような速さで俺を抱え起こす。
「もしや、あの腐れ泥棒猫に、なにか仕掛けられた?!」
刹那ネルさんはわなわなと震えると、鬼神のごとき表情が宿る。
「っ、いやっ。違うよ!?…どうやら少し能力が復元したらしい。頭の中に懐かしい声が響いた…どうやら本当に俺は魔王のようだ…」
(ああ、ノアーナ様!魔王然としたかつてのあなた様も素敵でしたが、いまの消えそうに儚いあなた様も可愛すぎますう。ああどうしましょ?すぐに抱きしめて胸いっぱいにノアーナ様のにおいに包まれたい。あのご尊顔をスリスリしたいいいいいい)
…ん?
唐突に頭の中に『キイテハイケナイコトガキコエタ』ようだが?
「…コホン、では少し様子を見て問題ないようでしたら、契約解除の儀式を行わせていただきますね。光喜様、ご準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「えっ?はい。準備とはどうすれば?」
「コ、コホン。まずはお召し物を脱いでいただきます。そしてわたくしが聖言を紡ぎます」
そういうと少し頬を赤く染めながら、ネルさんは着ているメイド服を脱ぎ始めた。
「っ!?」
「せっ、聖なる儀式ですので、穢れない姿でないと、効果が…」
(ノアーナ様を裸にするには、まずわたくしが脱げば抵抗ないはずですわ!本当は聖言だけでいいのですが)
「そ、そして聖言を紡いだわたくしを抱きしめていただき、口づけで儀式は完了です」
なぜかドヤ顔のネルさん。
俺は無言でネルさんの肩にそっと手を乗せた。
「あーごめん、『聖言』だけでいいんだよね?それでお願いできるかな?」
「えっ?いやでも効果を発揮するためには、儀式を…」
「うん。さっき『念話』使えるようになったんだよ。ハハハ。聖言のみでも効果があるって聞こえちゃったし。あーとても、う、嬉しいけど。……ちょっと今の俺には刺激が強すぎそうだから…ちゃっちゃっと聖言のみでお願いできるかな?」
37歳童貞に、ネルさんの裸体なんて無理!勘弁してくれ!
…本当は見たい気持ちもめちゃめちゃあるんだけれどね!!
儀式は一瞬で終了した。
うん。
なんかごめん?
しばらくネルさんの視線が非難じみた色をたたえていたのは気づかないふりをしておこう…
なんか真直ぐすぎる好意にほとんど慣れていない俺としては、もう少し、色々整ってから対応したいんだよな。
今の状態だと罪悪感すら感じてしまうのだから。
(彼女が心から信愛を捧げる相手は魔王ノアーナ。俺ではあるようだが…ちょっとな)
そんな俺の心の葛藤とは別に、どうやら解除された契約により、また少しの能力が解放されたらしい。
『拠点間転移』『基礎魔法』『魔王威圧』『運命操作』の4つ。
例によって頭というか魂に直接押し込められたような感覚に、またしても暫くうずくまってしまうのだった。
「えっと、ああそうか。元もとの本拠地のことだよね……えっ!?契約もどき?」
「はい。どうやら強制送還直後に、卑しい泥棒猫がちょっかいをかけたようでして。忌々しくもその手の魔術については奴らのほうが一枚上手」
話をしながらもてきぱきと茶器を片付けていく。
うん。
とても有能だ。
「まあ、現在は私の作った『溺愛結界』内部ですので、あなた様にまとわりつく愚かで!売女で!愚かな泥棒猫のっ!腐れ切った卑しい!汚らわしい魔術を解くことなどっっ!!……たいしたことではないのですが」
感情が溢れすぎたせいか目つきが怖い。
「…えっと…何か深く聞きたくないような言葉が見え隠れしているけど…で?俺契約などしてないと思うんですけど…?」
「名を呼ばれ、返事されましたよね?」
なぜかジト目をされる。
「あなた様が別次元へ飛ばされる前に、条件付けされていたのです。まあ、条件が弱いために強制力が低いのでよかったのですが…」
…確かに名前呼ばれたな。
返事というか疑問形での「はい?」だったんだけど…
「それなら、即時に解除してくれていいよ。合って間もないけど、ネルさんは絶対的に味方だって認識できているから。うまく言えないけど、魂が安心しているというか?なにか運命的な感じ?」
言っていて顔に熱が集まるのを感じる。
「ハハハ、キザっぽいね。言っていて恥ずかしいな、なんて…でもまあ、最初は緊張したけど…信頼しているよ」
(本当は今もかなり緊張しているけどね!)
みるみるうちにネルさんの頬に朱がさし、自ら両手で頬を包み込み、もじもじと体をうねらせる。
やだっ、何この可愛い生き物!?
「っつ!!?」
そんな姿に見惚れていると、激しい頭痛とともに、聞き慣れていたであろう過去の自分らしい音声が頭の中で響いた。
『…限定的だが念話スキルが復元した…』
『併せてマルチタクススキルも10%程度復元した』
『…イチャつきやがって…』
頭の中にむりやり異物を押し入られるような感覚に、吐き気がし思わずかがみこんでしまう。
最後変なことも聞こえたが……
「光喜様?!どうされました?大丈夫ですか?」
対面にいたはずのネルさんが瞬間移動したかのような速さで俺を抱え起こす。
「もしや、あの腐れ泥棒猫に、なにか仕掛けられた?!」
刹那ネルさんはわなわなと震えると、鬼神のごとき表情が宿る。
「っ、いやっ。違うよ!?…どうやら少し能力が復元したらしい。頭の中に懐かしい声が響いた…どうやら本当に俺は魔王のようだ…」
(ああ、ノアーナ様!魔王然としたかつてのあなた様も素敵でしたが、いまの消えそうに儚いあなた様も可愛すぎますう。ああどうしましょ?すぐに抱きしめて胸いっぱいにノアーナ様のにおいに包まれたい。あのご尊顔をスリスリしたいいいいいい)
…ん?
唐突に頭の中に『キイテハイケナイコトガキコエタ』ようだが?
「…コホン、では少し様子を見て問題ないようでしたら、契約解除の儀式を行わせていただきますね。光喜様、ご準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「えっ?はい。準備とはどうすれば?」
「コ、コホン。まずはお召し物を脱いでいただきます。そしてわたくしが聖言を紡ぎます」
そういうと少し頬を赤く染めながら、ネルさんは着ているメイド服を脱ぎ始めた。
「っ!?」
「せっ、聖なる儀式ですので、穢れない姿でないと、効果が…」
(ノアーナ様を裸にするには、まずわたくしが脱げば抵抗ないはずですわ!本当は聖言だけでいいのですが)
「そ、そして聖言を紡いだわたくしを抱きしめていただき、口づけで儀式は完了です」
なぜかドヤ顔のネルさん。
俺は無言でネルさんの肩にそっと手を乗せた。
「あーごめん、『聖言』だけでいいんだよね?それでお願いできるかな?」
「えっ?いやでも効果を発揮するためには、儀式を…」
「うん。さっき『念話』使えるようになったんだよ。ハハハ。聖言のみでも効果があるって聞こえちゃったし。あーとても、う、嬉しいけど。……ちょっと今の俺には刺激が強すぎそうだから…ちゃっちゃっと聖言のみでお願いできるかな?」
37歳童貞に、ネルさんの裸体なんて無理!勘弁してくれ!
…本当は見たい気持ちもめちゃめちゃあるんだけれどね!!
儀式は一瞬で終了した。
うん。
なんかごめん?
しばらくネルさんの視線が非難じみた色をたたえていたのは気づかないふりをしておこう…
なんか真直ぐすぎる好意にほとんど慣れていない俺としては、もう少し、色々整ってから対応したいんだよな。
今の状態だと罪悪感すら感じてしまうのだから。
(彼女が心から信愛を捧げる相手は魔王ノアーナ。俺ではあるようだが…ちょっとな)
そんな俺の心の葛藤とは別に、どうやら解除された契約により、また少しの能力が解放されたらしい。
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