創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第257話 連鎖する懐妊と新しい仲間

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 レーランに相談したことで、グースワースの皆にネルが懐妊したことが伝えられた。

 「嬉しい報告は皆で共有するものでは?……ネル、おめでとう」
 「っ!?ありがとう。レーランさん」

 そしてなぜか全員がアースノート謹製の妊娠検査薬を試し始める。
 フェルトの言ったように、全く気が付かない人も居るためだ。

 結果、なんとネルのほかに、ルイーナとカリン、そしてギルガンギルの塔でダラスリニアと茜がそれぞれネルと同じ3か月だったことが判明した。

 「ははっ、いきなり5児のパパか。……嬉しすぎる」

 俺は報告を受け一人執務室で悶えていた。
 そして訪れる責任感。
 浮かれてばかりはいられない。

 「まずはそれぞれ家を用意した方が良いかもな」

 レーラン曰く『普通で良いのですよ?もちろん夜も』だそうなので、俺の行動は変わらない。

 可愛い彼女たちへの募る想いはますます増していくのだから。
 そんな俺をムクが訪れてきた。
 いつもならまず念話をしてからくるムクにしては珍しい。
 まあ戦闘の時とかは突然来るがな。

 「いらっしゃい。どうした?まあ、座るといい。紅茶飲むか?」
 「はい。ありがとうございます」

 ムクはそれこそ俺とグースワースの為、まさに身を投げ出し働いてくれている。
 何かあるのなら叶えてやりたい。

 二人ソファーで紅茶を飲む。
 静寂が包む。

 暫くするとムクが咳ばらいをし俺に話しかけてきた。

 「ご懐妊、おめでとうございます。グースワースの住人が増えること、嬉しく思います」
 「ああ、ありがとう。……それでどうした?まさか祝いを言うためだけで来たわけではあるまい?」

 ムクはなぜか緊張気味に俺を見つめてきた。

 「あ、あの、ノアーナ様……私事で恐縮なのですが……」
 「うん?なんだ、言ってみろ。お前には感謝している。叶えられることなら全力で協力するが」

 そして今度は顔を赤らめるムク。
 ん?
 もしや、コイツにも春が来たのか!?

 「はあ、じ、実は、お恥ずかしながら私、結婚しておりまして……先日子供も生まれたのです」

 驚いた。
 マジですか?

 俺は思わず立ち上がる。

 「えっ?初耳だが?……相手は誰だ?」
 「ええ、今日初めて報告しましたから……ノアーナ様、ニルを覚えておいででしょうか」
 「っ!?もちろんだ。忘れるわけはない。200年前、亡くなってしまった俺の大切な仲間だ」
 「彼女の孫にあたります。実はあの時、ニルはヒューネレイの子を授かっておりました。そして亡くなる直前、ヒューネレイは魔族の禁呪を紡いだのです」

 知らなかった。
 もっとも、あの時そんな余裕俺には無かった。

 「どういうことだ?説明頼めるか」
 「はい。もちろんです。……偶然でした。出会ったのは」

※※※※※

 この世界から悪意の脅威はなくなったとはいえ、俺は摂理を変えていない。
 ゆえにこの星の悪意は当然存在するし、戒律に触れない様な悪事も又はびこっていた。

 当然だが俺が再転生する前も同じような状況で、ギルガンギルの塔と神の渾身の虚実に包まれていたため大っぴらに活動はできなかったが人知れずグースワースの皆はそれぞれの責務を果たすべく、世界を見回っていた。

(新星歴5021年10月4日)

 「ふう、酷いものだ。……なぜこうも戒律をすり抜ける」

 ムクは襲われ死体が放置されている辺境の集落の凄惨な様子に思わず吐き捨ててしまう。
 悪意や漆黒はその活動を停止していた。
 しかしばら撒かれた種はどうしてもこの星、ファルスーノルン星の物なのでその縛りはない。
 また、純然たる悪意の為戒律をすり抜けてしまっているものが多く残っていた。

 おそらくつい最近開花した種なのだろう。
 壁にこびりついている血の跡がまだ新しい。

 「……生存者……っ!?息がある!?……おいっ、しっかりしろ……女?…なんだ、懐かしい波動……」

 一人の女性が酷いけがを負っていたものの、わずかに生きていた。
 ムクは慌ててモンクの秘術である回復術を施す。

 「……う……あ……ひいっ」
 「大丈夫です。もうあなたに酷い事をする者はおりません」
 「……うあ……ヒック……グス‥…うう……うああ……あああああああ」

※※※※※

 助けられた女性は、魔族の女性だった。
 名を『レイナーク』といった。

 錯乱していた彼女は、どうにか落ち着きを取り戻し、今までの顛末をムクに伝えた。

 「……そんなことが。……すみません。私がもっと早く……」
 「っ!?いいえ、そんな……貴方様に非はありません」

 レイナークはぽつりとつぶやく。
 そしてまた肩を震わせ泣いてしまう。
 無理もない。

 彼女は家族7人で暮らしていた普通の魔族だった。
 突然狂ったような10人の暴徒に襲撃され、凌辱の限りを受けていた。

 「レイナーク、ここは危険だ。もし行く当てがないのなら私と行きませんか」
 「えっ……でも、ご迷惑じゃ…」
 「私の住むところはエルフの女王、ルルネイア様が起こした『クリートホープ』です。あそこは誰でも受け入れてくれます。私はあなたを助けたい」

 何故か気になる。
 何よりこの波動……知っている?

 「コホン。ところでレイナーク。あなたの親や祖父の事とか教えていただけますか?もしかしたら私の知人かもしれません」
 「っ!?……すみません。母は拾われた子です。どうやら200年くらい前に、凄い場所にいた人の娘のようなのですが、詳しくは……」
 「っ!?……お許しいただけるのなら、私は調べる事が出来ます。許可を頂けますか?」
 「は、はい。……痛いとかあるのでしょうか?そ、その、少し怖いです」

 ムクは優しい瞳でレイナークを見つめる。
 そして何故か胸が高鳴っていった。

 「大丈夫ですよ。安心してください」
 「は、はい。えっと、どうすれば……」
 「少し触れます。……よ、よろしいでしょうか」
 「っ!?……手でいいですか?」
 「は、はい」

 なんだ?
 この感情……これはまるで……

 ムクはモンクの極意である『真眼』のスキルを発動し、そっとレイナークの手を握る。
 流れ込んでくる彼女の記憶と連なる情報。

 ムクが包まれていた虚実が一部開放される。
 たどり着いた人物。
 彼女の祖父……ヒューネレイだった。

 「ああ、あああ、生きていた……ヒューネレイの希望が……あああ」
 「えっ?ヒューネレイ!?……ああ、思い出した。……確かそう言っていました」

 200年の時を超え、かつての仲間の忘れ形見の娘に出会ったのだった。

※※※※※

 「という訳で私が保護し、今一緒にクリートホープで暮らしています」

 ムクが赤ら顔で俺に伝える。
 うっかりニヤニヤしてしまうのは勘弁してほしい。

 「そうか、おめでとう。……すまなかったな。俺は自分のことで精いっぱいで、お前たちのことに気を割いていなかった」
 「と、とんでもございません。我が主の帰還に勝るものはございません。……むしろ今まで報告しなかったことお許しください」

 そうか。
 だからムクは強くなったのだな。

 真に愛するものが居る。
 それに勝るものはないのだから。

 「ふむ。ならば新しい仲間だな。もし問題ないのなら、お前たち親子もグースワースで暮らすといい。歓迎しよう」
 「っ!?よ、よろしいのでしょうか。ありがとうございます」
 「部屋はあるのだろう?お前の好きにするといい」

 こうして新たな仲間が加わることになった。
 200年前多くの人員が亡くなって数の減ったグースワース。

 遂に新たな仲間が増えるまで回復したのだった。
 そして……

 新しい命が増えていく事になる。

 俺の、俺達の、楽しい生活が始まりを告げたんだ。
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