創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第259話 原点回帰

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 取り敢えず駅を離れ、街を散策する俺と茜。
 何故かついてくる友達二人。

 茜は白い息を吐きながら、大きなため息をつく。

 「ねえ、いつまで来るつもり?もう帰りなよ」
 「「えー」」

 今日は目的もある。
 出来ればこの辺で別れたいところなのだが。

 突然鳴り響く友達のスマホ。
 慌てて電話に出る友達、ゆうなちゃんの顔色が変わる。

 「うわー、忘れてた。ごめん、沙織、私帰るね」
 「えっ、マジで?……しょうがない。私も帰る。ゆうな、駅行くでしょ。一緒に行こ」
 「うん。……茜、またね。その、光喜さん?また会いたいです♡」
 「わ、わたしもっ♡」

 嵐のようにあわただしく走っていく二人の少女。
 うーむ。
 地球の女性も侮りがたし。

 「……光喜さん?残念とか思ってる?」
 「い、いや、そ、そんな事はないぞ!?」
 「……あやしい」

 いやいや、俺は茜一筋だよ?……地球ではね。
 俺は茜の手を取り指を絡ませ恋人つなぎをする。
 手袋越しではあるが、彼女のしなやかな指の感触に自分でやったことだが緊張で鼓動が激しくなってしまう。

 「っ!?嬉しい♡……光喜さん……大好き♡」
 「お、おう。……行こうか」
 「うん♡」

※※※※※

 実は茜にせがまれ、俺の暮らしていた場所を見たいそうだ。
 もっともとっくに取り壊されているだろうが。

 「私さ、何にも知らないでしょ?光喜さんの暮らし、少しでも体験したいなって。ねえ、連れて行って」

 そんなこんなで今日は二人歩いてかつて俺の暮らしていた町を見て回ることにしていた。

 「あ、懐かしいな。このコンビニ。……いつも深夜に行っていたなあ」

 目に付くコンビニ。
 あの店員、まだいるのだろうか。

 「へー、光喜さんいつもここでご飯買っていたの?もう、不摂生過ぎでしょ」
 「まあな。社畜の鏡だったよ俺は。……あったかい飲み物でも買うか」
 「うん」

 「いらっしゃいませ」

 コンビニに入るとあの店員がいた。
 当然俺の姿は前とは違う。
 だが何故か俺を凝視する店員。
 そしておもむろに話しかけてきた。

 「あの、もしかして……以前会ったことありますっけ?……ああ、すみません。見た目全然違うんですけどね。依然行方不明になられた方がいて……お兄さん、雰囲気似てるんでビックリしましたよ。まあ、全然お兄さんの方がイケメンですけどね」

 驚いた。
 見た目も年齢も全然違う。
 だけどこの店員はあの冴えない佐山光喜をまだ覚えていたようだ。

 俺はなぜか涙が浮かんできてしまう。

 「いえ、きっと人違いですよ?……でも、嬉しいです」
 「ははっ、よく見たら全然違うね。うん、あなた凄くかっこいいもんね。失礼しました」

 俺は見慣れた店内を見て、コーヒーとお茶を購入し店を後にした。

 「ねえ、あの店員さん、光喜さんの知り合いなの?」
 「いや、知り合いというか……俺が深夜に行くといつもいた店員なんだよ。まさか俺の事を覚えているとは思わなかった」
 「ふーん。ねえ、次はアパート行こっ」
 「ああ。まあ多分もうないとは思うけどな」
 「いいの。ほら、早く」

 コンビニを出て、俺達は行儀悪くも歩きながら飲み物を飲む。
 久しぶりに飲む温かい缶コーヒーに、思わずかつての事が思い出される。

 「ふう、たまにはいいものだな。こんなに安っぽく甘いだけのコーヒーが……うまく感じる」
 「ふふっ、なんか不思議だね」
 「うん?」
 「だって、こうして二人でお出かけするなんて。200年前のお花見デート以来だね。あの時の大トロ、美味しかったなあ」

 もちろん俺たちはギルガンギルの塔やファルスーノルン星ではしょっちゅう一緒に居た。
 でも考えると二人きりでいたのはそれこそ心を通わせるときくらいだった。

 「そうだな。……なあ、茜」
 「うん?」
 「たくさん、デートしような。二人でたくさんの物を見て、一緒に感動しよう」
 「嬉しい。私ももっと光喜さんと一緒に居たい」

 ああ、茜は本当に可愛い。
 ファルスーノルン星ではもうじき俺たちの子供が生まれる。

 地球でも、俺は彼女を俺のものにしたいとこの時強く思った。

 「うん?ああ、ここだ。……やっぱり新しい建物になっているな……ん?」

 そんなことを考えていたら以前俺のボロアパートのあった場所へ到着した。
 やはり既に新しいお洒落なマンションになっていたのだが……

 張り紙をした看板が立っていた。

 「んー?『尋ね人、37歳、佐山光喜!?……2023年4月28日、火事によりその後行方不明……!?懸賞金?……30万円!?』……えーっと、光喜さん、何かしたの?」

 なんだこれ?
 どうして俺尋ね人になっているんだ?

 うん?依頼主……本山商事……って、俺の会社じゃん!?
 連絡先……げっ、経理のお局さんじゃんか。

 俺、何かやらかしたっけな?

 「いや、特に心当たりはないが……まあ、良いんじゃないか?無視で」
 「う、うん。今更だもんね。光喜さん、昔と全然違うし」

 あれからもう1年近く経過している。
 まさか俺を探しているとは……

 嫌な予感しかしない。

 「あ、茜?もういいか?……寒いからそろそろ行こう。うまい飯でも食って、帰ろう。送るよ」
 「う、うん。……ねえ、パパに聞いてみた方が良くない?」
 「あー、うん。……後で聞いてみるよ。茜は心配しなくていいぞ」
 「うん。……ねえ、お寿司食べたい」
 「ははっ、良いぞ。ちょうど報酬貰ったばかりだ。以前とは桁違いだからな。回らないお寿司をご馳走しよう」
 「やった!!」

 俺達は帰路につき、茜の自宅のある近くのすし屋で、それはうまい寿司を堪能した。

※※※※※

 「ごちそうさまでした。ふうー、美味しかった」
 「良かったよ。……若い子は凄いな。よくあんなに食べられるな」
 「だって。……美味しかったんだもん」
 「喜んでいただけて光栄です。お姫様?」
 「ふふっ。魔王様にそう言っていただけるなんて……嬉しい。……ねえ、光喜さん」
 「うん?」

 茜は急にモジモジし始める。
 そして上目遣いで俺を見てきた。

 もうすぐそこに茜の自宅であるタワーマンションのエントランスがある。
 俺は茜をそっと抱き寄せた。

 「うあ♡……ん」

 俺はそっと茜にキスを落とす。
 柔らかい唇の感触に、俺の心が跳ねる。

 「茜……愛してる。……今度泊りでどこかへ行きたい。……もちろん栄人兄ちゃんの許可をもらってな」
 「っ!?……うん♡……嬉しい……光喜さん、大好き♡……じゃあね」

 手を振りエントランスに入っていく茜を見送り、俺は自宅へと向かった。

 まだ2月だ。
 吐く息は白く風は冷たいが、俺の心はとても温かかった。

 俺は地球でも幸せをつかむ。
 そう心に決めていた。
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