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夏を迎える前のアレ 5
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夏休み。
テストも前期の単位も落とす事なく迎えた夏休み。
あれだけバイトしまくっていたのに無事テストを乗り切ったのは単にしのさんのおかげ以外なにものでもない。見てる方が泣きたくなるスパルタぶり。あの笑顔で頑張ろうね?と言われたら抵抗できなくって泣きながらでも頑張った皆を褒めてあげたい。
そんな事もあってお盆の間だけでも家に帰ると言う顔ぶれもある。
「すみません。やっぱり初めての年なので家に帰って母さんと妹の様子を見たいので」
「それぐらい気にするな。
数少ない男手なんだから。しのさんの宿題とお土産をもって元気な姿を見せてやれよ」
「ありがとうございます」
と言うのは渉。
皆とバイトの梯子をして小遣いを溜めて家に帰る電車代を確保した。
因みにバイト代の使い方をアドバイスしたのはしのさん。
しのさんも苦学生だったからお金の使い方はびっくりするほどシビアだった。
いくら誘っても絶対遊びには参加しなかったからね。
因みにしのさん方お金の使い方を傍らで聞いていればアルバイト代はアパート代と生活費以外はほとんど年金の準備に貯めさせたり、車の免許取る為に貯めさせたり、奨学金の返済の為にも貯めさせたり、少しぐらい自分の為に貯めさせたり。いろいろ計画的な収支をはかっている。
あまり大きな声では言えないが、うちのアパートの子たちはお婆ちゃんの一声でうちの会社のパート社員になっている。学生バイトにさせない当たり鬼畜だ。
主に野田銭湯に派遣に向かわせたり、お婆ちゃんの秘書と言う名のお世話をしたり、今は俺の部下的な肩書だったりと一応会社の仕事も見えない所で関わらせている。
要は勉強だけではなく社会勉強もしろという事だ。
それはもちろん俺にもだ。
お婆ちゃんって厳しいと思うけど、その血をしっかり引き継いだ親父によってがっつり働かされているのは俺。
だんだん後継者的な仕事が増えてきてこのままでいいのかと葛藤するも、謎のタイミングでお袋から
「久しぶりに修ちゃんのエビチリが食べたいからたまには帰ってきて~。
小籠包も食べたいし、そうそう上海蟹の蟹黄豆腐も食べたいわ。前に作ってくれたのが忘れられないの。上海蟹どこかで手に入れてくるからお願いね~」
「よっしゃー! まかせろっ!!!」
なんて俺の将来を迷走させることを言われちょっといい気になるけど、俺は料理人を目指しているわけじゃない!
なんて必ず思考をリセットすることになっている。
全くこの両親は俺を乗せるのが上手いんだから油断ならん。
俺の夢を否定するなとは言いたいけど、まあ、自覚があるから声を出して言えないだけで……
「修司さん、俺も一度家の農業の手伝いに帰ります」
弟が心配だと颯也も帰宅組となった。
「俺はがっつりバイトに励みますので」
きりっとした顔で言い切ったのは陽人。
家に帰ってもすでに家での場所はないからと言うのは一年の時からの言葉。
夏休み、冬休み、春休みとがっつりバイトにいそしむ姿はやっぱり学生ローンと言う問題だろう。
「あ、俺もこの夏は帰りませんよ。
就職活動とか英語の勉強し直しとかゴリゴリに受験生レベルで頑張るので」
言ったのは瑞己。
本当にやる気の姿は少し羨ましくもあるが
「いいけどしのさんはお盆休みは実家に帰るそうだよ。
毎年恒例お世話になってる人のお宅で過ごすんだって」
「しのさんまじめすぎでしょ」
ちょっと引いてる瑞己だけど
「真夏でも最高気温30度の天国だから半分リフレッシュかつ高校時代の先輩達と一緒に帰るんだって」
「俺も着いて行きたい!!!」
聞いていた奴もいいなーなんて思う本日の最高気温39度。俺だって着いて行きたい。
とはいえ先日そのしのさんの恩人について少し話を聞く機会があった。
ものすごいクセ強な人物らしい。
それを考えれば下手に着いて行くと危険しか用意されていないような気がする。要注意だね。の前に
「お前は勉強する気があるのか……」
呆れて聞けば
「少しは学生最後の夏休みを満喫したいです」
ものすごくいい顔をしていたけど、今までの夏休み一切遊ばなかったこいつはそんなこと言いつつも遊ぶことはない事は目に見えているので有言実行と言うように
「それについては9月に入ってから考えている。
みんなでうちの別荘に遊びに行くぞ。山と海どっちがいいか考えておけ」
「マジっすか!」
「叔父さんには話はしてある。あとはお前らの予定しだいだ」
あまりに遊ぶことを知らないこいつらの為にせめてと言うように交渉させてもらった。
おかげではないがいっぱい仕事をもらう事になったが、できないものではないのでちゃっちゃか仕事をすますだけ。
こうやって後継ぎ教育がされていくんだろうなとため息は尽きないが、別に嫌いな仕事ではないので問題は無い。
ここが一番の問題なんだけどね。
今日はスーパーで売っていた串を打った鮎を庭で焼いて皆に食べさせた。
冷奴に豚汁と和風なのは単に俺が書類に埋もれていて忙しかっただけの手抜き。
忙しくなると野菜を細かく切ってたくさんにしてボリュームを作って誤魔化すしのさん仕込みの豚汁に皆これを作る時は俺が忙しい時とこの春からのメニューで理解してくれて食後のだべる時間には俺に仕事に戻るようにしてくれる。
心づかいがありがたいという事にしているが……
どうしても朝も手抜きになってしまう所は皆で持ち回りで手伝ってくれるのでありがたく協力してもらっている。
そうして俺の仕事に忙殺される夏が始まり、夏休みは当分お預けなのが確定されるのだった。
テストも前期の単位も落とす事なく迎えた夏休み。
あれだけバイトしまくっていたのに無事テストを乗り切ったのは単にしのさんのおかげ以外なにものでもない。見てる方が泣きたくなるスパルタぶり。あの笑顔で頑張ろうね?と言われたら抵抗できなくって泣きながらでも頑張った皆を褒めてあげたい。
そんな事もあってお盆の間だけでも家に帰ると言う顔ぶれもある。
「すみません。やっぱり初めての年なので家に帰って母さんと妹の様子を見たいので」
「それぐらい気にするな。
数少ない男手なんだから。しのさんの宿題とお土産をもって元気な姿を見せてやれよ」
「ありがとうございます」
と言うのは渉。
皆とバイトの梯子をして小遣いを溜めて家に帰る電車代を確保した。
因みにバイト代の使い方をアドバイスしたのはしのさん。
しのさんも苦学生だったからお金の使い方はびっくりするほどシビアだった。
いくら誘っても絶対遊びには参加しなかったからね。
因みにしのさん方お金の使い方を傍らで聞いていればアルバイト代はアパート代と生活費以外はほとんど年金の準備に貯めさせたり、車の免許取る為に貯めさせたり、奨学金の返済の為にも貯めさせたり、少しぐらい自分の為に貯めさせたり。いろいろ計画的な収支をはかっている。
あまり大きな声では言えないが、うちのアパートの子たちはお婆ちゃんの一声でうちの会社のパート社員になっている。学生バイトにさせない当たり鬼畜だ。
主に野田銭湯に派遣に向かわせたり、お婆ちゃんの秘書と言う名のお世話をしたり、今は俺の部下的な肩書だったりと一応会社の仕事も見えない所で関わらせている。
要は勉強だけではなく社会勉強もしろという事だ。
それはもちろん俺にもだ。
お婆ちゃんって厳しいと思うけど、その血をしっかり引き継いだ親父によってがっつり働かされているのは俺。
だんだん後継者的な仕事が増えてきてこのままでいいのかと葛藤するも、謎のタイミングでお袋から
「久しぶりに修ちゃんのエビチリが食べたいからたまには帰ってきて~。
小籠包も食べたいし、そうそう上海蟹の蟹黄豆腐も食べたいわ。前に作ってくれたのが忘れられないの。上海蟹どこかで手に入れてくるからお願いね~」
「よっしゃー! まかせろっ!!!」
なんて俺の将来を迷走させることを言われちょっといい気になるけど、俺は料理人を目指しているわけじゃない!
なんて必ず思考をリセットすることになっている。
全くこの両親は俺を乗せるのが上手いんだから油断ならん。
俺の夢を否定するなとは言いたいけど、まあ、自覚があるから声を出して言えないだけで……
「修司さん、俺も一度家の農業の手伝いに帰ります」
弟が心配だと颯也も帰宅組となった。
「俺はがっつりバイトに励みますので」
きりっとした顔で言い切ったのは陽人。
家に帰ってもすでに家での場所はないからと言うのは一年の時からの言葉。
夏休み、冬休み、春休みとがっつりバイトにいそしむ姿はやっぱり学生ローンと言う問題だろう。
「あ、俺もこの夏は帰りませんよ。
就職活動とか英語の勉強し直しとかゴリゴリに受験生レベルで頑張るので」
言ったのは瑞己。
本当にやる気の姿は少し羨ましくもあるが
「いいけどしのさんはお盆休みは実家に帰るそうだよ。
毎年恒例お世話になってる人のお宅で過ごすんだって」
「しのさんまじめすぎでしょ」
ちょっと引いてる瑞己だけど
「真夏でも最高気温30度の天国だから半分リフレッシュかつ高校時代の先輩達と一緒に帰るんだって」
「俺も着いて行きたい!!!」
聞いていた奴もいいなーなんて思う本日の最高気温39度。俺だって着いて行きたい。
とはいえ先日そのしのさんの恩人について少し話を聞く機会があった。
ものすごいクセ強な人物らしい。
それを考えれば下手に着いて行くと危険しか用意されていないような気がする。要注意だね。の前に
「お前は勉強する気があるのか……」
呆れて聞けば
「少しは学生最後の夏休みを満喫したいです」
ものすごくいい顔をしていたけど、今までの夏休み一切遊ばなかったこいつはそんなこと言いつつも遊ぶことはない事は目に見えているので有言実行と言うように
「それについては9月に入ってから考えている。
みんなでうちの別荘に遊びに行くぞ。山と海どっちがいいか考えておけ」
「マジっすか!」
「叔父さんには話はしてある。あとはお前らの予定しだいだ」
あまりに遊ぶことを知らないこいつらの為にせめてと言うように交渉させてもらった。
おかげではないがいっぱい仕事をもらう事になったが、できないものではないのでちゃっちゃか仕事をすますだけ。
こうやって後継ぎ教育がされていくんだろうなとため息は尽きないが、別に嫌いな仕事ではないので問題は無い。
ここが一番の問題なんだけどね。
今日はスーパーで売っていた串を打った鮎を庭で焼いて皆に食べさせた。
冷奴に豚汁と和風なのは単に俺が書類に埋もれていて忙しかっただけの手抜き。
忙しくなると野菜を細かく切ってたくさんにしてボリュームを作って誤魔化すしのさん仕込みの豚汁に皆これを作る時は俺が忙しい時とこの春からのメニューで理解してくれて食後のだべる時間には俺に仕事に戻るようにしてくれる。
心づかいがありがたいという事にしているが……
どうしても朝も手抜きになってしまう所は皆で持ち回りで手伝ってくれるのでありがたく協力してもらっている。
そうして俺の仕事に忙殺される夏が始まり、夏休みは当分お預けなのが確定されるのだった。
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