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11.暴かれる真実 その1(ミゲル視点)
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うへへ、マリアが聖女になって二ヶ月。
父上にも認めてもらうんだ。マリアをこの僕の妻にするって。
婚約なんてまどろっこしい。すぐに結婚式を挙げるように手配しとかなきゃ、な。
ちょっと強引な手を使ってリルアを追い出したから、今は可愛くない態度を取っているが、そのうち僕のことを好きになるだろう。
なんせ、僕はお金持ちだからね。何でも好きなものを買ってあげるのさ。
「ミゲル、今からアストリア王宮へと向かうぞ」
「お、王宮!? それは、また急ですね。王家の方々も聖地の管理人である我らを呼びつけるなど滅多にしないのに」
そう、この国……アストリア王国を守護しているのはこの聖地であり、聖地は代々我らゼルリング公爵家がある程度の自治が許されている管轄。
だから、王家の連中も滅多なことで僕らに口出ししないし、自由にやらせてくれているのだ。
「我らの不始末で神具を失ったからだろう。王宮も騎士団を各地に派遣して、かなりの損害を被っているらしい」
「へぇ~。でも、あれはリルアが悪いですし、僕らのせいではありませんよ」
「だとしても、だ。管理者たる我らの責任が問われるのは当然であろう。お前もそれ相応の処分を覚悟しておくように」
ちっ、なんだそりゃあ?
僕が悪くないのに、管理者責任問われるって、どういう理屈だよ。
そんなのイチャモンだよ。イチャモン。
僕みたいに真面目に生きている人間を処分するのか? 甚だ遺憾である。
「まさか、マリアと結婚できないとかないよな……」
「マリア? そういえば、聖女マリア殿も呼ばれているらしいぞ」
「マリアもいるのですか? おのれ、アストリア王家……、よもやマリアにまで責任を――」
不満を感じながらも、僕らには抗う権限はないので、アストリア王宮へと向かった。
まったく、王家の人間でも僕の幸せを壊すことは許さんぞ……。
◆ ◆ ◆
「ゼルリング公! よく来てくれた!」
「陛下の命とあらば、このゼルリング……どこへでも馳せ参じます」
「ミゲル、お前もよく来たな」
「……神具を壊したのはリルアですよ。公爵家は関係ありません」
「こ、これ! ミゲル!」
王をも恐れぬ、僕の態度。恐れ入ったか!
こういうのは強気で行かなきゃ駄目なんだよ。
父上は下手くそだ。国王陛下だからって、媚びる態度なのだから。
「おおー、そうだった、そうだった。神具は聖女リルアによって壊されたのだと報告は聞いとる。……しかし、リルアが壊したというがどうやって壊したのか詳しい状況が記載されてなかったのでな。お前から直接聞きたかったのだよ」
なんだ、そういうことか。驚かせやがって。
確かにリルアを追放することに必死で雑に状況とか記していたかもな。
「いやー、酷いものでしたよ。リルアは神具に恨みがあるのか魔法を乱発して壊していました。氷の刃で切り裂き、炎魔法で焼き払い、やりたい放題」
「ふむ。ここでの話は裁判と同じ。言い間違いも許されぬが、それは真の話なのか?」
「真実に決まっていますよ。僕はこの目ではっきりと見たのですから。リルアが魔法を放って壊しているのを」
うざったいな。
リルアのことを信じたいのか知らんが、そうはいかんぞ。
だって、リルアは追放されているし、目撃者は僕しかいない。
何言ったって嘘ついたってバレるはずがないのだから――。
「神具には魔法を吸収する金属が使われておる! よって魔法での破壊は無理なのだがな……!」
「ゔぇっ!?」
「マリア殿! 神具の残骸を持ってきなさい!」
「畏まりましたわ!」
えっ? えっ? えっ? これって、どういう展開?
ま、マリア、そんな蔑むような目で未来の旦那を睨まないでくれよ。
父上にも認めてもらうんだ。マリアをこの僕の妻にするって。
婚約なんてまどろっこしい。すぐに結婚式を挙げるように手配しとかなきゃ、な。
ちょっと強引な手を使ってリルアを追い出したから、今は可愛くない態度を取っているが、そのうち僕のことを好きになるだろう。
なんせ、僕はお金持ちだからね。何でも好きなものを買ってあげるのさ。
「ミゲル、今からアストリア王宮へと向かうぞ」
「お、王宮!? それは、また急ですね。王家の方々も聖地の管理人である我らを呼びつけるなど滅多にしないのに」
そう、この国……アストリア王国を守護しているのはこの聖地であり、聖地は代々我らゼルリング公爵家がある程度の自治が許されている管轄。
だから、王家の連中も滅多なことで僕らに口出ししないし、自由にやらせてくれているのだ。
「我らの不始末で神具を失ったからだろう。王宮も騎士団を各地に派遣して、かなりの損害を被っているらしい」
「へぇ~。でも、あれはリルアが悪いですし、僕らのせいではありませんよ」
「だとしても、だ。管理者たる我らの責任が問われるのは当然であろう。お前もそれ相応の処分を覚悟しておくように」
ちっ、なんだそりゃあ?
僕が悪くないのに、管理者責任問われるって、どういう理屈だよ。
そんなのイチャモンだよ。イチャモン。
僕みたいに真面目に生きている人間を処分するのか? 甚だ遺憾である。
「まさか、マリアと結婚できないとかないよな……」
「マリア? そういえば、聖女マリア殿も呼ばれているらしいぞ」
「マリアもいるのですか? おのれ、アストリア王家……、よもやマリアにまで責任を――」
不満を感じながらも、僕らには抗う権限はないので、アストリア王宮へと向かった。
まったく、王家の人間でも僕の幸せを壊すことは許さんぞ……。
◆ ◆ ◆
「ゼルリング公! よく来てくれた!」
「陛下の命とあらば、このゼルリング……どこへでも馳せ参じます」
「ミゲル、お前もよく来たな」
「……神具を壊したのはリルアですよ。公爵家は関係ありません」
「こ、これ! ミゲル!」
王をも恐れぬ、僕の態度。恐れ入ったか!
こういうのは強気で行かなきゃ駄目なんだよ。
父上は下手くそだ。国王陛下だからって、媚びる態度なのだから。
「おおー、そうだった、そうだった。神具は聖女リルアによって壊されたのだと報告は聞いとる。……しかし、リルアが壊したというがどうやって壊したのか詳しい状況が記載されてなかったのでな。お前から直接聞きたかったのだよ」
なんだ、そういうことか。驚かせやがって。
確かにリルアを追放することに必死で雑に状況とか記していたかもな。
「いやー、酷いものでしたよ。リルアは神具に恨みがあるのか魔法を乱発して壊していました。氷の刃で切り裂き、炎魔法で焼き払い、やりたい放題」
「ふむ。ここでの話は裁判と同じ。言い間違いも許されぬが、それは真の話なのか?」
「真実に決まっていますよ。僕はこの目ではっきりと見たのですから。リルアが魔法を放って壊しているのを」
うざったいな。
リルアのことを信じたいのか知らんが、そうはいかんぞ。
だって、リルアは追放されているし、目撃者は僕しかいない。
何言ったって嘘ついたってバレるはずがないのだから――。
「神具には魔法を吸収する金属が使われておる! よって魔法での破壊は無理なのだがな……!」
「ゔぇっ!?」
「マリア殿! 神具の残骸を持ってきなさい!」
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えっ? えっ? えっ? これって、どういう展開?
ま、マリア、そんな蔑むような目で未来の旦那を睨まないでくれよ。
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