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第十六話(エレナ視点)
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この国の第二王子、アルフォンス殿下がアリシア姉様に求婚――。
これは一体、どういう風の吹きまわしなのでょうか。
考えられることといえば、幼い頃に姉様が彼が溺れていたのを助けたことを感謝していて……ということくらいですが、それならばもっと早くに求婚していても、とは思います。
「十年後に結婚しようと約束したつもりだったみたいですよ。アリシアお嬢様は覚えていなかったとのことですが」
「なるほど。十年間も姉様を想い続けていたということですか。健気ですね、それはなんとも」
へぇ、アルフォンス殿下は一途なのですね。姉様のことを十年も。
その情熱が本物なら、姉様のことを任せても良いのですが……試してみますか。
「ビンセント……、アルフォンス殿下とお会いすることは出来ますか? 二人きりで、誰にも邪魔されず」
「難しいですが、何とかしましょう。古巣の秘密の連絡網を使い、呼び出してみます」
かつて、王族の護衛隊の一人だったビンセントはそのときのコネを使って、アルフォンス殿下に手紙を送ってみせると言ってくれました。
彼の有能さには助けられています……。
「よろしい。シーラ、わたくし、隣国のノルジーア王国に留学することにします。その準備を」
「え~~!? いきなり、留学ってどういうことですか~~? エレナ様~~!」
私はシーラに大国であるノルジーア王国への留学の準備を整えるように指示しました。
これには彼女も驚いているみたいですね。
留学する目的――そんなの決まっています。
「ノルジーア王国の王子と結婚するためですよ。姉様がもしもアルフォンス殿下と不仲になって危うい立場になったら、それくらいの権力を味方にしていないと助けられませんから」
「「…………」」
そうです。姉様が王族の方と結婚したとして、もしものことがあったら今のわたくしでは助けきれないかもしれません。
ならば、それ以上の権力をこちらも手に入れるしかないのです。
幸い、あちらの国の第三王子であるレオン殿下とは以前お会いして気に入られ、文通をしている仲ですから……わたくしが本気を出せば落とせなくもないでしょう。
……って、なぜ二人はさっきから黙っているのでしょう? 心なしか呆れたような顔をしているのですが――。
「……もしかして、エレナ様ってバカですか~~?」
「お嬢様の姉バカもここまで来ると、天晴としか言い様がないですね」
「な、な、なんですか!? 主に向かってその言い草!? わ、わたくしが姉様を守るために隣国の王子と結婚するのがそんなにもおかしいですか!?」
シーラとビンセントはやれやれという表情で首をコクンと振りました。
えっ? わたくしって変なのですか? だって、アルフォンス殿下が悪者になったら、そうでもしなきゃ守れないじゃないですか。
「ヨシュア様の件、アルフォンス殿下の件、それが片付いたら隣国へ留学……やれやれ、エレナお嬢様と居れば退屈とは無縁の生活が続きそうですね」
「ヨシュア様といえば、良くない動きをしているみたいですよ~~」
なんとでも言いなさい。
わたくしは、わたくしの好きなように生きますから。
アリシア姉様の幸せを邪魔する者は何人たりとも許せないのです――。
◇ ◇ ◇
あとがき(宣伝なので読み飛ばし可)
エレナ編も、もうすぐ終了します。最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。
新連載を開始しました!
『妹に婚約者を奪われたって、お姉様が「田舎暮らしは嫌だ」って辺境伯との婚約を押しつけたんじゃないですか』
「性悪な妹」系が流行っているので、拙作もそうですが、妹が良い子のパターンを書いてみようかと。
「飽きちゃった」が口癖の姉のキャラが結構ヤバい感じで仕上がっていますので、ご興味ある方は是非!
目次の下の作者コンテンツ(アプリの方は作者ページ)から飛んで【お気に入り登録】して頂けると嬉しいです!
これは一体、どういう風の吹きまわしなのでょうか。
考えられることといえば、幼い頃に姉様が彼が溺れていたのを助けたことを感謝していて……ということくらいですが、それならばもっと早くに求婚していても、とは思います。
「十年後に結婚しようと約束したつもりだったみたいですよ。アリシアお嬢様は覚えていなかったとのことですが」
「なるほど。十年間も姉様を想い続けていたということですか。健気ですね、それはなんとも」
へぇ、アルフォンス殿下は一途なのですね。姉様のことを十年も。
その情熱が本物なら、姉様のことを任せても良いのですが……試してみますか。
「ビンセント……、アルフォンス殿下とお会いすることは出来ますか? 二人きりで、誰にも邪魔されず」
「難しいですが、何とかしましょう。古巣の秘密の連絡網を使い、呼び出してみます」
かつて、王族の護衛隊の一人だったビンセントはそのときのコネを使って、アルフォンス殿下に手紙を送ってみせると言ってくれました。
彼の有能さには助けられています……。
「よろしい。シーラ、わたくし、隣国のノルジーア王国に留学することにします。その準備を」
「え~~!? いきなり、留学ってどういうことですか~~? エレナ様~~!」
私はシーラに大国であるノルジーア王国への留学の準備を整えるように指示しました。
これには彼女も驚いているみたいですね。
留学する目的――そんなの決まっています。
「ノルジーア王国の王子と結婚するためですよ。姉様がもしもアルフォンス殿下と不仲になって危うい立場になったら、それくらいの権力を味方にしていないと助けられませんから」
「「…………」」
そうです。姉様が王族の方と結婚したとして、もしものことがあったら今のわたくしでは助けきれないかもしれません。
ならば、それ以上の権力をこちらも手に入れるしかないのです。
幸い、あちらの国の第三王子であるレオン殿下とは以前お会いして気に入られ、文通をしている仲ですから……わたくしが本気を出せば落とせなくもないでしょう。
……って、なぜ二人はさっきから黙っているのでしょう? 心なしか呆れたような顔をしているのですが――。
「……もしかして、エレナ様ってバカですか~~?」
「お嬢様の姉バカもここまで来ると、天晴としか言い様がないですね」
「な、な、なんですか!? 主に向かってその言い草!? わ、わたくしが姉様を守るために隣国の王子と結婚するのがそんなにもおかしいですか!?」
シーラとビンセントはやれやれという表情で首をコクンと振りました。
えっ? わたくしって変なのですか? だって、アルフォンス殿下が悪者になったら、そうでもしなきゃ守れないじゃないですか。
「ヨシュア様の件、アルフォンス殿下の件、それが片付いたら隣国へ留学……やれやれ、エレナお嬢様と居れば退屈とは無縁の生活が続きそうですね」
「ヨシュア様といえば、良くない動きをしているみたいですよ~~」
なんとでも言いなさい。
わたくしは、わたくしの好きなように生きますから。
アリシア姉様の幸せを邪魔する者は何人たりとも許せないのです――。
◇ ◇ ◇
あとがき(宣伝なので読み飛ばし可)
エレナ編も、もうすぐ終了します。最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。
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『妹に婚約者を奪われたって、お姉様が「田舎暮らしは嫌だ」って辺境伯との婚約を押しつけたんじゃないですか』
「性悪な妹」系が流行っているので、拙作もそうですが、妹が良い子のパターンを書いてみようかと。
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