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終結3
しおりを挟む私の実家には、団長との結婚の一報を送って、既に返事が返ってきている。
もう一生独身かと思われた行き遅れの娘が魔術騎士団長を落としたとあって、しつこく真偽が問われていた。その後間もなくして団長からの連絡が届いたのか、お祝いの言葉と今後の打ち合わせの内容が届いた。
結婚をしない女は後ろ指を指されるような土地柄で、その領主の娘が王都で独身を謳歌しているのは、色々心労をかけただろうと思う。けれど、なにも言わずに、ただ心配だけをしてくれていた親だ。安心をさせられたのなら、よかったと思う。
半年後にはこちらで式を挙げ、その後実家の領地の方で紹介を兼ねた宴を催すらしい。面倒だけど両親の面目もあるので仕方がないだろう。
団長の両親との顔合わせも終わった。団長の能力のことをひどく気にかけておられたが、知られたくないことを知られるのも、知りたくないことを知ってしまうのも、つらいのはお互い様ですから……。と、無難に答えておいた。
思うところは山ほどあるけれども、恐らく私以上につらかったであろうご両親の気持ちを思うと、言う必要はないだろう。
思うところがあったのだろう、ご両親は苦く笑って頷いた。
気分の良いものではないけれども、人間というのは、案外慣れるものなので。
何より、私がさらけ出す以上に、団長はさらけ出したらいけない物を私にさらけ出している。ぜひとも隠して欲しいのに。露出プレイが過ぎる。知りたくないことを知らされる辛さがおぼろげながら理解できるというものだ。世の中には、知りたくない事が溢れている。
これ以上は考えたらドツボなので、知らんぷりをしておきたいと思う。あと、私のいやな面を知っても、団長ならそれを悪いように扱うことはまずないかなという気持ちもある。それに、サプライズで喜ばせようと思っても、それが叶わないかわいそうな人なのだ。
「大丈夫だ、君というサプライズに俺は毎日ときめいている」
やかましい。
心の中の罵声に、団長がうれしそうに笑う。
それを見たご両親もまた、うれしそうに笑っていた。
……え、それで大丈夫なんですか。
団長は魔術騎士団長に就任した時点で、伯爵位を継いでいる。私の生家は子爵位で、別段問題はない。うちの実家が、毒にも薬にもならない家というのも、ちょうどよかったらしい。
年齢的には私は行き遅れでそれは瑕疵になるが、団長も晩婚と言っていい年だ。年齢差を思えば釣り合いはとれている範疇だろう。
元婚約者も、偶然会った際にお祝いを言ってくれた。私が行き遅れているから、少し罪悪感があったらしい。万感の思いがこもった「よかった……!!」を呟かれた。あなたのせいではないのだけれど、申し訳ないことをした。
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