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終結2
しおりを挟む子供の頃、大人は自由だと思っていた。大人に制限される不自由さには、よく怒りを覚えていた。それが、どれだけ護られていて心が自由だったのかを、こんな時、痛感するのだ。
自分の力で生きるということは、周りを見て、自分や周りの人たちを護るために、自身の心に制限を課す事だと思う。
人は自分の自由の範囲を広げるために、そして守るために足掻いている。そうすれば他の人の自由を害するし、反発もされる。そのせいで広げたかったはずの自分の自由が余計に狭まったりする。その中で試行錯誤してそれぞれが自由を確立しようとしている世界で、そうやって互いが関わりながら生きていくしかない世界で、自身の自由が確立できないことを他人のせいにできるほど、世界は単純ではないのだ。
私はその中で、余計な正義感は口に出さないこと、関わらないこと、表情を取り繕うことで、私の譲れない自由を護ってきた。
大人になるということは、社会に組み込まれて生きるということだ。それは、自由が自由でないと知ることなのかもしれない。
嫌だなと思う。不自由だと思う。
それら全てを呑み込めるようになる日が来て欲しいのか、来て欲しくないのか、今はまだ、わからない。
ただ、この王宮で勤める以上、そして、団長の妻になる以上、こういう事はこれからも直面するかもしれないし、避けては通れないのだろうと思う。
団長をチラリと見上げる。
「……もう、情報を隠さないんですね」
「もともと全部開示してもよかったんだが……君はできれば知らずに過ごしたかっただろう?」
その通りだ。知らずにすめば、あんな風に、着火せずにいられたのにと思うと、返す返すも恥ずかしい。
何事も、過ぎてから気付くものなのだ。
客観性というものは当事者が持つのは難しい。当事者感覚が抜けた過去のことになって、はじめて客観性を持てるようになる。
……そう、つまり、また、私はやってしまったのだ。
着火して暴走した。
思い出すと、悶えそうなぐらい恥ずかしい。
副団長に告発したときの暴走が悔やまれる。団長との合流を待つという選択肢を持ってたにもかかわらず、迷わず告発を選んだその時に、どうして私は自分の頭に血がのぼっていると気づかなかったのだと。
結果的に死ぬ羽目になっても知るか、とか思ってた時点で、おかしいと気づこうよ、私……。
なにが問題かって、別に私は感情的に後悔してないのが問題なのだ。でも、理性は余計なことをしたとわかっている。
余計なことをして後悔がないのは、質が悪いのだ。
私に情報を与えずに蚊帳の外で終わらせようとしていた団長は正しかった。
いや、でも、なんか隠されてたら不安だし、気になるし、探ろうとするのは人の情だと思う。
知らない方が無難とはわかっているけれど、これから団長の側にいるとなると、悩ましいところだ。
「君は知らない方がいい、と注意してやろうか?」
むしろそれ、着火フラグ。
くくくっと団長が笑う。
「なるようになるさ。俺がなんとでもするから、君は好きにするといい」
それって完全に、保護者の力を自分の実力と勘違いして全能感を満喫する愚か者じゃないですか……。
そんなの推奨するの、やめて欲しい。こわい。
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