88 / 104
五十二話 粛正
しおりを挟む
1580年(天正八年)、戦が長引くことを懸念した正親町天皇が仲裁を提案する。
両者はこれを受入れ、本願寺側が武装解除し、顕如が石山を退去することで石山合戦は一応の終結を迎える。
元亀元年(1570年)、織田信長は三好氏が拠点とする野田砦と福島砦を攻撃。
この野田・福島の戦いから始まった石山本願寺との戦いは、その後、10年にも渡り、石山本願寺と織田信長は争っていくことになる。
石山本願寺の顕如は、全国の門徒に信長との全面対決を訴え、長島の一向一揆など、その声に答えた門徒達が信長と対決していく。
そんな石山勢に対して信長は、これに手こずりながらも長島、近江、越前、加賀の一向一揆など、地方における本願寺勢力を次々に潰していく。
そうして織田信長は、難攻不落の石山本願寺を攻略するため兵糧攻めを慣行していく事となる。
陸地では、本願寺の4方10箇所に砦を築き、大阪湾からの兵糧搬入も水軍で海を包囲していく。
しかしこの時、本願寺と連帯する毛利の水軍は強力であり、兵糧攻めの効果は上がってはいなかった。
しかし、その決定的打開策として用いれられたのが、(重治の持ち込んだ設計により)信長が開発させたのが巨大な軍艦である。
船は鉄板で覆われ、大砲が装備。これが正真正銘、日本で初の巨大鉄船であった。
これにより、兵糧不足におちいった本願寺は、1580年、正親町天皇仲裁を提案を受け入れ、ついに石山を引き渡せという織田信長の要求に答え、顕如は石山本願寺を開城したのである。
とここまでが、史実として現代に語り継がれている部分であり、この後、無能とされ織田家を追放される佐久間信盛親子への『十九カ条からなる覚書』へと繋がっていく。
しかし、たとえ史実がそうであっても、事実がそのままであるとは限らない。
佐久間家とは、織田家に何代にも渡って仕える古参の家臣である。そんな家臣を難攻不落と言われた石山の城を落とせなかったといって、無能扱いで追放することなど、普通に考えてあり得るであろうか?
その時、余程の癇癪でも起こしていなければ、そんな馬鹿な状況が起こる訳はない。つまり、追放の裏には、それなりの理由が存在したのである。
「佐久間信盛、林秀貞…いったい何人の者がわしを裏切っておる!」
「はっ、…重臣としては、そのお二人が…、しかし、その者だけとも言い難く…」
「蘭丸、その方、伊蔵に協力を仰ぎ、裏切り者をあぶり出せ!」
「はっ!」
あまりの剣幕の信長に蘭丸は、慌てて駆けだした。
目指すは、主不在の竹中屋敷である。
「ふっ…だからあれほど旅など許さぬと申したのに…」
信長の最後の言葉は、誰の耳にも届かない。ただ、青く広がる空へと溶け込んでいったのである。
両者はこれを受入れ、本願寺側が武装解除し、顕如が石山を退去することで石山合戦は一応の終結を迎える。
元亀元年(1570年)、織田信長は三好氏が拠点とする野田砦と福島砦を攻撃。
この野田・福島の戦いから始まった石山本願寺との戦いは、その後、10年にも渡り、石山本願寺と織田信長は争っていくことになる。
石山本願寺の顕如は、全国の門徒に信長との全面対決を訴え、長島の一向一揆など、その声に答えた門徒達が信長と対決していく。
そんな石山勢に対して信長は、これに手こずりながらも長島、近江、越前、加賀の一向一揆など、地方における本願寺勢力を次々に潰していく。
そうして織田信長は、難攻不落の石山本願寺を攻略するため兵糧攻めを慣行していく事となる。
陸地では、本願寺の4方10箇所に砦を築き、大阪湾からの兵糧搬入も水軍で海を包囲していく。
しかしこの時、本願寺と連帯する毛利の水軍は強力であり、兵糧攻めの効果は上がってはいなかった。
しかし、その決定的打開策として用いれられたのが、(重治の持ち込んだ設計により)信長が開発させたのが巨大な軍艦である。
船は鉄板で覆われ、大砲が装備。これが正真正銘、日本で初の巨大鉄船であった。
これにより、兵糧不足におちいった本願寺は、1580年、正親町天皇仲裁を提案を受け入れ、ついに石山を引き渡せという織田信長の要求に答え、顕如は石山本願寺を開城したのである。
とここまでが、史実として現代に語り継がれている部分であり、この後、無能とされ織田家を追放される佐久間信盛親子への『十九カ条からなる覚書』へと繋がっていく。
しかし、たとえ史実がそうであっても、事実がそのままであるとは限らない。
佐久間家とは、織田家に何代にも渡って仕える古参の家臣である。そんな家臣を難攻不落と言われた石山の城を落とせなかったといって、無能扱いで追放することなど、普通に考えてあり得るであろうか?
その時、余程の癇癪でも起こしていなければ、そんな馬鹿な状況が起こる訳はない。つまり、追放の裏には、それなりの理由が存在したのである。
「佐久間信盛、林秀貞…いったい何人の者がわしを裏切っておる!」
「はっ、…重臣としては、そのお二人が…、しかし、その者だけとも言い難く…」
「蘭丸、その方、伊蔵に協力を仰ぎ、裏切り者をあぶり出せ!」
「はっ!」
あまりの剣幕の信長に蘭丸は、慌てて駆けだした。
目指すは、主不在の竹中屋敷である。
「ふっ…だからあれほど旅など許さぬと申したのに…」
信長の最後の言葉は、誰の耳にも届かない。ただ、青く広がる空へと溶け込んでいったのである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる