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ガゼボでの出来事
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風が気持ちいいわ…
わたくしはお気に入りのガゼボでのんびり花を見ていました。
ダリアにはきつく言われましたし、実のところ少しへこんでいましたの。
今日はロベルト様がお見舞いにみえるようだけど、至って健康なのにどうしましょう…
あなたの話で倒れたなんて口が裂けても言えないわ。
ちょっとは不健康にふるまおうかしら?
「……夫人」
「…フ…ーマ…侯爵夫人」
あら?ロベルト様の声が聞こえたような…
「フリーマン侯爵夫人」
きっと幻聴ね、まだ早いし。
「マーガレット様」
「わっ!」
びっくりした!
そこにはロベルト様がニコニコして立っていました。
「ごめんなさい。驚かして。
少し早かったですか?」
「いえいえ、あの、どうぞおかけになって」
急だったのでしどろもどろになってしまった…
「お見舞いです。これ気に入ってくれるかなぁ?どうぞ」
そう言って花束を渡されました。ダリアとマーガレットが入っている花束。気遣い屋さんね。
「ありがとうございます。お見舞いしてもらうほどではないのよ。大したことなかったの」
「本当に?ここは寒くないですか?あれ?頬が赤いです。熱でも出したら大変だ」
ロベルト様が心配顔でわたくしの顔を覗き込みます。
赤いの?恥ずかしいわ!
「あの、本当に大丈夫!お気になさらないで。ここはわたくしのお気に入りの場所なの。風を感じながら庭園の花たちを鑑賞するのが楽しいのよ」
頬の赤さを隠すためわたくしは饒舌になりました。
「フリーマン侯爵夫人」
ロベルト様が急にかしこまりました。
「は、はい」
「私は幼い時に母を亡くしました」
「?」
「亡くなる少し前、母の元気のなさを子どもながらに感じ『どうしたの?どっか痛いの?大丈夫なの?』と聞いたものです。
でも母はその度に『大丈夫よ』と返すだけ。それから間もなく母は亡くなったんです。
それ以来私の中で『大丈夫』は最も気をつけるべきサインに思えて…」
「…」
「だから夫人も体をご自愛ください。少しの具合の悪さを見逃さずに」
「…わかりましたわ」
「あの、それから…これからは『母上様』とお呼びしてよろしいでしょうか?…なんだか恥ずかしいなぁ」
「…」
「フリーマン夫人!どうされました⁈」
わたくしは涙を流していました。
「あ、あの、お嫌でしたらこれまでどおり侯爵夫人とお呼びして」
「違うのよ、ロベルト様。
あなたのお母様のことを思うと…
小さな子を残して逝くことにどれほど心を痛めたか…
いいわ。わたくしのことはどうぞ母とお呼びください」
「あ、ありがとうございます、侯爵夫人!あの、いいえ…母上様」
わたくしたちは軽くハグをしました。
ロベルト様は帰っていかれました。
1人残ったわたくしは…
ロベルト様は純粋であった。それに対して自分はなんと邪な思いを…
「ふふっ…あっという間に失恋しちゃった…」
でも悲しくはありません。
爽やかな風か吹いていました。
わたくしはお気に入りのガゼボでのんびり花を見ていました。
ダリアにはきつく言われましたし、実のところ少しへこんでいましたの。
今日はロベルト様がお見舞いにみえるようだけど、至って健康なのにどうしましょう…
あなたの話で倒れたなんて口が裂けても言えないわ。
ちょっとは不健康にふるまおうかしら?
「……夫人」
「…フ…ーマ…侯爵夫人」
あら?ロベルト様の声が聞こえたような…
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きっと幻聴ね、まだ早いし。
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「わっ!」
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そこにはロベルト様がニコニコして立っていました。
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少し早かったですか?」
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そう言って花束を渡されました。ダリアとマーガレットが入っている花束。気遣い屋さんね。
「ありがとうございます。お見舞いしてもらうほどではないのよ。大したことなかったの」
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赤いの?恥ずかしいわ!
「あの、本当に大丈夫!お気になさらないで。ここはわたくしのお気に入りの場所なの。風を感じながら庭園の花たちを鑑賞するのが楽しいのよ」
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「フリーマン侯爵夫人」
ロベルト様が急にかしこまりました。
「は、はい」
「私は幼い時に母を亡くしました」
「?」
「亡くなる少し前、母の元気のなさを子どもながらに感じ『どうしたの?どっか痛いの?大丈夫なの?』と聞いたものです。
でも母はその度に『大丈夫よ』と返すだけ。それから間もなく母は亡くなったんです。
それ以来私の中で『大丈夫』は最も気をつけるべきサインに思えて…」
「…」
「だから夫人も体をご自愛ください。少しの具合の悪さを見逃さずに」
「…わかりましたわ」
「あの、それから…これからは『母上様』とお呼びしてよろしいでしょうか?…なんだか恥ずかしいなぁ」
「…」
「フリーマン夫人!どうされました⁈」
わたくしは涙を流していました。
「あ、あの、お嫌でしたらこれまでどおり侯爵夫人とお呼びして」
「違うのよ、ロベルト様。
あなたのお母様のことを思うと…
小さな子を残して逝くことにどれほど心を痛めたか…
いいわ。わたくしのことはどうぞ母とお呼びください」
「あ、ありがとうございます、侯爵夫人!あの、いいえ…母上様」
わたくしたちは軽くハグをしました。
ロベルト様は帰っていかれました。
1人残ったわたくしは…
ロベルト様は純粋であった。それに対して自分はなんと邪な思いを…
「ふふっ…あっという間に失恋しちゃった…」
でも悲しくはありません。
爽やかな風か吹いていました。
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