41 / 66
41.レドアル公爵家の夜会
しおりを挟む
王家主催の夜会からレドアル公爵家の夜会までは一週間しかない。
短い時間で準備をしなければいけないのだが、
その忙しさを邪魔するようにいろんな貴族家から手紙が届いていた。
一番多かったのはジェラルド兄様への婚約の申し込み。
こりないのか、アゼリマ侯爵家からもまた来ていた。
「まだあきらめないのか……」
伯父様がうんざりしたように手紙を開けて読む。
内容がわかっていても、読まないわけにもいかないのだろう。
「は?ジェラルドじゃなく、ジュリアンヌに!?」
「父上、今なんと?」
「……ジュリアンヌをアゼリマ侯爵家の長男と見合いをさせてほしいと」
「はぁ!?そんなものは断る!」
「ジェラルド、わかっているから、落ち着くんだ」
アゼリマ侯爵家の長男と私がお見合い?
一度も会ったこともないし、あのシャルロット様のご兄弟……。
とても上手くいくとは思えない。
「アゼリマ侯爵家の長男ロベルトはアドルフ様と同じ学年だ。
ああ、レイモンとも同じになるな。
アゼリマ侯爵はシャルロットのほうを可愛がっていて、
ロベルトは後回しにされているとの噂だったが……」
「レイモン兄様と同じ年なのに婚約者がいないのはそういう理由……」
「おそらく、ジュリアンヌがいなくなれば、
ジェラルドとお見合いをできるとでも思ったのかもしれない」
「冗談じゃない。絶対にあの女だけはない」
王家主催の夜会でもはっきり拒絶していたのを思い出す。
あんなに断られてもまだあきらめないシャルロット様。
兄様が結婚するまであきらめそうにない。
「一応は聞いておく。
ジュリアンヌ、アゼリマ侯爵家の長男と会ってみるか?」
「いいえ、お断りしてください」
「そうだな。では、断っておく」
これ以上シャルロット様のことで兄様を苛立たせないように、
私もアゼリマ侯爵家とは関わりたくない。
はっきり断ったからか、兄様の機嫌は少し良くなった。
あとは凝りもせずマゼンタ様から手紙が来ていたようだが、
それについては伯父様は封を開けずに返送していた。
こちらも本当にしつこい。
社交シーズンが終わればシュゼット様は学園に戻って来る。
シュゼット様は伯爵令嬢になったこともあって、
教室が変わるのは間違いないけれど、油断はできない。
レドアル公爵家で夜会が開かれる日、
朝早くから準備を始め、夕方には招待客がちらほらと到着し始めた。
マリエットとコリンヌ、アリスとエリーナも早めに来ていた。
「ジュリアンヌ様!なんて素敵なドレスなんでしょう!」
「本当に素晴らしいですね!」
「さすがレドアル公爵家ですわ。ジュリアンヌ様の瞳も紫色ですものね」
「ええ、とてもお綺麗です!」
四人から口々に褒められて、少し恥ずかしくなってしまう。
ジェラルド兄様がデザインしたドレスは両肩が出ているもので、
胸元はレースで隠してあるけれど、少し大胆に見える。
こんな大人っぽいドレスが似合うのか心配だったから、
四人に褒めてもらえてほっとする。
「あとでまたゆっくり話したいわ」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ、楽しんでいてね」
お客様を迎え入れないといけないので、四人と一緒にいるわけにもいかない。
兄様には話して来てもいいと言われたけれど、
まだアドルフ様とレイモン兄様も来ていないからと断った。
お客様を迎えていると、いつのまにか開始の時間になっていた。
伯父様たちと一緒に壇上にあがって挨拶をする。
この会場にいるのは推進派の貴族だけ。
その安心感からか、王家主催の夜会ほど緊張はしない。
始まって少しして、アドルフ様とレイモン兄様が到着した。
どうやら目立たないようにわざと遅れて来たらしい。
「紹介はしなくていいよ。静かに楽しませてもらうから」
「わかりました。ごゆっくりどうぞ」
先日もアドルフ様の妃カトリーヌ様はご一緒じゃなかったけれど、
仲がいいとは聞いていたのに何か事情があるのだろうか。
奥の半個室に案内すると、アドルフ様はレイモン兄様にもういいよと言う。
「大事な用があるんだろう?俺はここでくつろいでいるから行って来いよ」
「いいのですか?」
「ああ、かまわない。用事が終わったら戻って来てくれ」
「わかりました。ジェラルド、すまないが頼んでもいいだろうか。
さすがに一人にしておくのはまずい。
カトリーヌ様からも一人にはしないように言われているんだ」
「わかった。ジュリアンヌを頼んだ」
「ああ。終わったらすぐに戻る」
アドルフ様はジェラルド兄様に任せて、
レイモン兄様をマリエット達が楽しんでいる席へ連れて行く。
四人は急に現れたレイモン兄様に驚いていたけれど、
一斉に立ち上がって礼をする。
「ああ、楽にしてくれ。今日はジュリアンヌの兄として接してくれればいい」
「そういうことだから、あまり気にせずに話してくれる?
私の初めての友人をレイモン兄様に紹介したいの」
そう言えば、四人とも少し緊張がほぐれたらしい。
少しずつ話し始め、最後にはいつもおしゃべりなアリスが本領を発揮し、
学園での私のことを兄様に報告していた。
「へぇ、そんな感じで楽しんでいるんだね。
ジュリアンヌは中等部に通えなかったから心配していたんだ。
頼もしいお友達に恵まれたようで安心したよ」
「私も最初は心配したけど、今は楽しいわ」
「そうか。よかったな」
私の話ばかりだったけれど、四人とも兄様と話していた。
見合いの話はあとでコリンヌに話すつもりだ。
他の三人がいたら断りにくいかもしれないので一人の時にしようと思う。
「じゃあ、そろそろアドルフ様のところに戻るよ。
ジュリアンヌも一度戻った方がいいね」
「ええ」
四人には好きに楽しんでもらうことにして、兄様とアドルフ様のところに戻る。
その途中、玄関の方から誰かが騒いでいる声が聞こえた。
「王族と公爵令嬢が来たら喜んで通すのが当たり前でしょう!
すぐにジェラルド様のところに案内しなさいよ!」
「お待ちください!招待状がなければたとえ王族であろうと……」
その声を聞いて、レイモン兄様と顔を見合わせる。
「今の声って……」
「ああ、シュゼットだな。どうしてここに……。
すぐにジェラルドのところに行こう」
「ええ」
あの勢いだと使用人たちでは止められないかもしれない。
王族と公爵令嬢と言っていた?
王族とは……サミュエル様ではないだろうか。
シュゼット様は仲がよかったはずだから、一緒にいてもおかしくない。
「アドルフ様、ジェラルド、大変です。シュゼットが押しかけてきています」
「なんだと?」
「押しかけて来た?」
さっき聞こえた会話を報告していると、広間の扉がバーンと音を立てて開いた。
そこには赤いドレス姿のシュゼット様と花束を抱えたサミュエル様がいた。
短い時間で準備をしなければいけないのだが、
その忙しさを邪魔するようにいろんな貴族家から手紙が届いていた。
一番多かったのはジェラルド兄様への婚約の申し込み。
こりないのか、アゼリマ侯爵家からもまた来ていた。
「まだあきらめないのか……」
伯父様がうんざりしたように手紙を開けて読む。
内容がわかっていても、読まないわけにもいかないのだろう。
「は?ジェラルドじゃなく、ジュリアンヌに!?」
「父上、今なんと?」
「……ジュリアンヌをアゼリマ侯爵家の長男と見合いをさせてほしいと」
「はぁ!?そんなものは断る!」
「ジェラルド、わかっているから、落ち着くんだ」
アゼリマ侯爵家の長男と私がお見合い?
一度も会ったこともないし、あのシャルロット様のご兄弟……。
とても上手くいくとは思えない。
「アゼリマ侯爵家の長男ロベルトはアドルフ様と同じ学年だ。
ああ、レイモンとも同じになるな。
アゼリマ侯爵はシャルロットのほうを可愛がっていて、
ロベルトは後回しにされているとの噂だったが……」
「レイモン兄様と同じ年なのに婚約者がいないのはそういう理由……」
「おそらく、ジュリアンヌがいなくなれば、
ジェラルドとお見合いをできるとでも思ったのかもしれない」
「冗談じゃない。絶対にあの女だけはない」
王家主催の夜会でもはっきり拒絶していたのを思い出す。
あんなに断られてもまだあきらめないシャルロット様。
兄様が結婚するまであきらめそうにない。
「一応は聞いておく。
ジュリアンヌ、アゼリマ侯爵家の長男と会ってみるか?」
「いいえ、お断りしてください」
「そうだな。では、断っておく」
これ以上シャルロット様のことで兄様を苛立たせないように、
私もアゼリマ侯爵家とは関わりたくない。
はっきり断ったからか、兄様の機嫌は少し良くなった。
あとは凝りもせずマゼンタ様から手紙が来ていたようだが、
それについては伯父様は封を開けずに返送していた。
こちらも本当にしつこい。
社交シーズンが終わればシュゼット様は学園に戻って来る。
シュゼット様は伯爵令嬢になったこともあって、
教室が変わるのは間違いないけれど、油断はできない。
レドアル公爵家で夜会が開かれる日、
朝早くから準備を始め、夕方には招待客がちらほらと到着し始めた。
マリエットとコリンヌ、アリスとエリーナも早めに来ていた。
「ジュリアンヌ様!なんて素敵なドレスなんでしょう!」
「本当に素晴らしいですね!」
「さすがレドアル公爵家ですわ。ジュリアンヌ様の瞳も紫色ですものね」
「ええ、とてもお綺麗です!」
四人から口々に褒められて、少し恥ずかしくなってしまう。
ジェラルド兄様がデザインしたドレスは両肩が出ているもので、
胸元はレースで隠してあるけれど、少し大胆に見える。
こんな大人っぽいドレスが似合うのか心配だったから、
四人に褒めてもらえてほっとする。
「あとでまたゆっくり話したいわ」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ、楽しんでいてね」
お客様を迎え入れないといけないので、四人と一緒にいるわけにもいかない。
兄様には話して来てもいいと言われたけれど、
まだアドルフ様とレイモン兄様も来ていないからと断った。
お客様を迎えていると、いつのまにか開始の時間になっていた。
伯父様たちと一緒に壇上にあがって挨拶をする。
この会場にいるのは推進派の貴族だけ。
その安心感からか、王家主催の夜会ほど緊張はしない。
始まって少しして、アドルフ様とレイモン兄様が到着した。
どうやら目立たないようにわざと遅れて来たらしい。
「紹介はしなくていいよ。静かに楽しませてもらうから」
「わかりました。ごゆっくりどうぞ」
先日もアドルフ様の妃カトリーヌ様はご一緒じゃなかったけれど、
仲がいいとは聞いていたのに何か事情があるのだろうか。
奥の半個室に案内すると、アドルフ様はレイモン兄様にもういいよと言う。
「大事な用があるんだろう?俺はここでくつろいでいるから行って来いよ」
「いいのですか?」
「ああ、かまわない。用事が終わったら戻って来てくれ」
「わかりました。ジェラルド、すまないが頼んでもいいだろうか。
さすがに一人にしておくのはまずい。
カトリーヌ様からも一人にはしないように言われているんだ」
「わかった。ジュリアンヌを頼んだ」
「ああ。終わったらすぐに戻る」
アドルフ様はジェラルド兄様に任せて、
レイモン兄様をマリエット達が楽しんでいる席へ連れて行く。
四人は急に現れたレイモン兄様に驚いていたけれど、
一斉に立ち上がって礼をする。
「ああ、楽にしてくれ。今日はジュリアンヌの兄として接してくれればいい」
「そういうことだから、あまり気にせずに話してくれる?
私の初めての友人をレイモン兄様に紹介したいの」
そう言えば、四人とも少し緊張がほぐれたらしい。
少しずつ話し始め、最後にはいつもおしゃべりなアリスが本領を発揮し、
学園での私のことを兄様に報告していた。
「へぇ、そんな感じで楽しんでいるんだね。
ジュリアンヌは中等部に通えなかったから心配していたんだ。
頼もしいお友達に恵まれたようで安心したよ」
「私も最初は心配したけど、今は楽しいわ」
「そうか。よかったな」
私の話ばかりだったけれど、四人とも兄様と話していた。
見合いの話はあとでコリンヌに話すつもりだ。
他の三人がいたら断りにくいかもしれないので一人の時にしようと思う。
「じゃあ、そろそろアドルフ様のところに戻るよ。
ジュリアンヌも一度戻った方がいいね」
「ええ」
四人には好きに楽しんでもらうことにして、兄様とアドルフ様のところに戻る。
その途中、玄関の方から誰かが騒いでいる声が聞こえた。
「王族と公爵令嬢が来たら喜んで通すのが当たり前でしょう!
すぐにジェラルド様のところに案内しなさいよ!」
「お待ちください!招待状がなければたとえ王族であろうと……」
その声を聞いて、レイモン兄様と顔を見合わせる。
「今の声って……」
「ああ、シュゼットだな。どうしてここに……。
すぐにジェラルドのところに行こう」
「ええ」
あの勢いだと使用人たちでは止められないかもしれない。
王族と公爵令嬢と言っていた?
王族とは……サミュエル様ではないだろうか。
シュゼット様は仲がよかったはずだから、一緒にいてもおかしくない。
「アドルフ様、ジェラルド、大変です。シュゼットが押しかけてきています」
「なんだと?」
「押しかけて来た?」
さっき聞こえた会話を報告していると、広間の扉がバーンと音を立てて開いた。
そこには赤いドレス姿のシュゼット様と花束を抱えたサミュエル様がいた。
2,243
あなたにおすすめの小説
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
妹なんだから助けて? お断りします
たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。
【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに
おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」
結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。
「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」
「え?」
驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。
◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話
◇元サヤではありません
◇全56話完結予定
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
働かない令嬢は、すでに幸せです ――婚約破棄? それより紅茶の時間をください
鷹 綾
恋愛
婚約破棄された公爵令嬢、レイラ・フォン・アーデルハイド。
――しかし彼女は、泣かない。怒らない。復讐もしない。
なぜなら、前世でブラック企業に心身を削られた元OLにとって、
婚約破棄とは「面倒な縁が切れただけ」の出来事だったから。
「復讐? 見返し? そんな暇があったら紅茶を飲みますわ」
貴族の婚姻は家同士の取引。
壊れたなら、それまで。
彼女が選んだのは、何もしない自由だった。
領地運営も、政治も、評価争いも――
無理に手を出さず、必要なときだけ責任を取る。
働かない。頑張らない。目立たない。
……はずだったのに。
なぜか領地は安定し、
周囲は勝手に動き、
気づけば「模範的な公爵令嬢」として評価が独り歩きしていく。
後悔する元婚約者、
空回りする王太子、
復讐を期待していた周囲――
けれど当の本人は、今日も優雅にティータイム。
無関心こそ最大のざまぁ。
働かないからこそ、幸せになった。
これは、
「何もしない」を貫いた令嬢が、
気づけばすべてを手に入れていた物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる