クズ王子から婚約を盾に迫られ全力で逃げたら、その先には別な婚約の罠が待っていました?

gacchi(がっち)

文字の大きさ
13 / 42

13.お茶会

しおりを挟む
「こうしてお話しするのは初めてですね。
 皆様、イルーレイド公爵令嬢とお話しするのを楽しみにしていましたのよ?」

おっとりとした話し方でお茶会を始めたのはタルテット侯爵家フェリア様だ。
いつもにこやかな方ではあるが、割とはっきり話す令嬢だと思っている。


「そうですね。教室内ではあまりお話しする機会がありませんでしたね。
 皆様とお話しする機会があって嬉しいです。
 私のことはリアージュと呼んでくださいね。」

「嬉しいですわ。」

礼儀作法の一環として、三か月に一度お茶会を開くことになっているらしい。
同じ学年の令嬢でも、侯爵家以上の令嬢の会と伯爵家の令嬢の会に分かれるという。

「それにしても、こちらでは子爵家と男爵家は同じ学園には通わないのですね。」

「ええ。レミアスでは貴族は同じ学園に通うと聞いて驚きました。
 こちらでは子爵家と男爵家とはほとんどお会いすることが無いものですから。」


フェリア様とは逆側のお隣に座るのはヘンジェイン侯爵家ジェーニー様だ。
女騎士を目指しているらしく、髪を一つに束ねているのが特徴的な令嬢だ。
お父親は騎士団長を務めていて、ご自身も騎士団に入団することが決まっているらしい。

「それは何か理由があるのかしら?」

「この学園では魔術実技があるので、魔力があることが前提になります。
 子爵家以下だと魔力を持たない人も多いですし、魔力があっても少ないのです。
 魔力が無い状態でこの学園に通うのは、
 飛べない鳥に飛び方を教えるようなものですから。」

向かい側に座るのはユナイダー辺境伯令嬢のダミエラ様。
伯爵位ではあるが、学園では侯爵家以上の会になるそうだ。
授業でも発言することが多く、その説明もわかりやすい。

「魔力が基準になっているのね。
 レミアスでは経済が発達している分、平民から男爵になった方も学園に通うの。
 大きな商家の男爵だと、子爵家よりも力があったりするのよね。」

「ずいぶん違うのですね。
 それでは夜会やお茶会も分けられることが無いのでしょうか?」

「ええ?もしかして、この学園だけではなく、
 夜会やお茶会も身分で分けられるの?」

「そうです。伯爵家以上の上は子爵家以下の家と婚姻することはありません。
 魔力が減ってしまうと、伯爵家から子爵家に落とされてしまうこともありますから。
 伯爵家が二代続けて魔力の無い子が産まれたら子爵家になりますの。」

「そうなのですか。レミアスでも婚姻は一つ上か下までの爵位までですね。
 それ以上になると、何か特別な才能があるかたなら考えられるかもしれませんね。
 ですが、ほとんど聞いたことがありません。」

レミアスでのことを思い出しながら答えていると、
ジェーニー様が少し前のめりになって質問してきた。
その勢いに驚きつつ顔には出さないようにつとめる。

「リアージュ様とガハメント大公令息との婚約は、
 いつ頃決まったのか聞いてもよろしいですか?
 その…お二人はいつからおつきあいを?」

「ジェーニー様、はしたないですわよ?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。 ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。 屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。 家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。

1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。

尾道小町
恋愛
登場人物紹介 ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢  17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。 ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。 シェーン・ロングベルク公爵 25歳 結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。 ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳 優秀でシェーンに、こき使われている。 コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳 ヴィヴィアンの幼馴染み。 アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳 シェーンの元婚約者。 ルーク・ダルシュール侯爵25歳 嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。 ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。 ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。 この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。 ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳 ロミオ王太子殿下の婚約者。 ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳 私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。 一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。 正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?

好きにしろ、とおっしゃられたので好きにしました。

豆狸
恋愛
「この恥晒しめ! 俺はお前との婚約を破棄する! 理由はわかるな?」 「第一王子殿下、私と殿下の婚約は破棄出来ませんわ」 「確かに俺達の婚約は政略的なものだ。しかし俺は国王になる男だ。ほかの男と睦み合っているような女を妃には出来ぬ! そちらの有責なのだから侯爵家にも責任を取ってもらうぞ!」

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。

みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。 マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。 そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。 ※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓

舌を切られて追放された令嬢が本物の聖女でした。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果

柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。 彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。 しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。 「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」 逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。 あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。 しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。 気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……? 虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。 ※小説家になろうに重複投稿しています。

妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。

処理中です...