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14.敵かも?
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突然ジルのことを聞かれて驚いたが、このお茶会で聞かれるとは思っていた。
急に隣国から来て大公令息と婚約したとなれば、誰でも興味を持つだろう。
もしかしたら高位貴族令嬢には恨まれているかもしれないと思っていた。
それなのに、こんな風に興味を隠さずに聞かれるとは予想外だった。
「いいえ、聞かれても構いません。
おつきあいと言われましたが、留学してきた初日に初めてお会いしました。
祖母の紹介での婚約でしたので、
それまではお会いしたことがありませんでした。」
「「「ええっ!」」」
「え?」
三人同時に叫ばれるように驚かれて、身体がビクッとしてしまう。
何かおかしなことでも言っただろうか?
「リアージュ様、では、
おつきあいされてからまだ一月もたっていないということですの?」
「…おつきあいというか、婚約してから一月たっていませんね。」
「それなのに、ガハメント大公令息があのような甘い顔をされていますの?
あの魔王と呼ばれている方が!?」
「…魔王?」
「あっ。」
うっかり言ってしまったのだろう。
フェリア様が涙目になって口元に手を当てているが、
他の二人は目をそらして呆れているように見える。
…内緒の呼び名みたいなものだったのかしら。でも魔王って良い感じしないわ。
「大丈夫です。ジルには言いませんから。
それで、ジルは魔王と呼ばれているんですか?」
「…ええ。どんな令嬢も近寄れず、話しかけることもできません。
噂では眼鏡をしていないガハメント大公令息の目を見てまうと、
すぐさま魂を持って行かれるとも言われております。」
「えええ…さすがにそれはないと思います。
眼鏡外している時に目を合わせたことありますよ?
とても綺麗な目だと思ったけど、それ以上には何もなかったわ。」
「ふえぇぇ。リアージュ様は素顔をご存じなのですね!素敵ですわ!」
「ええ、さすがですわ!あの方に選ばれただけありますわ。
私、お二人を応援いたします!」
「私も応援したいですわ!」
「応援とは?そう言われると、何か弊害がありそうに聞こえますけど…?」
「…王女様です。」
「ん?王女様っていうのは、第一王女のジャニス様ですよね?
何かあるんですか?」
「ええ。この国には第一王子サハル様と第二王子シャハル様、
その二つ下にジャニス様がいらっしゃいます。」
「え?シャハル王子は第二王子なんですか?」
「はい。サハル王子とシャハル王子は双子です。
ですが、サハル王子はご病気で王宮でお過ごしです。
それでシャハル様があの状態ですので…。」
「あの状態…ね。」
「ええ、リアージュ様も初日に大変な思いをされたと思いますが、
高位貴族の令嬢に対してああいうことはめずらしいです。
ですが、王宮の侍女などが被害にあっているという話はよく聞きます。」
「ですから、ジャニス王女としてはご自分が女王になって、
ガハメント大公令息を王配にしたかったそうですわ。
ガハメント大公令息はその申し出をずっと断り続けていると聞いています。」
「あーでは、ジャニス王女にとって私は邪魔者というわけですか。」
「そうだと思います。
学園では他学年と会うことは少ないですけど、夜会で会うことになると思います。
お気をつけてくださいね。何かあれば盾になれるかと思いますので…。」
「ありがとう、皆さん。気を付けますね。」
ジルはあまり他の貴族の話をしないので、お茶会での情報はとてもありがたい。
自分の敵になるかもしれない方の情報は先に仕入れておきたいもの。
急に隣国から来て大公令息と婚約したとなれば、誰でも興味を持つだろう。
もしかしたら高位貴族令嬢には恨まれているかもしれないと思っていた。
それなのに、こんな風に興味を隠さずに聞かれるとは予想外だった。
「いいえ、聞かれても構いません。
おつきあいと言われましたが、留学してきた初日に初めてお会いしました。
祖母の紹介での婚約でしたので、
それまではお会いしたことがありませんでした。」
「「「ええっ!」」」
「え?」
三人同時に叫ばれるように驚かれて、身体がビクッとしてしまう。
何かおかしなことでも言っただろうか?
「リアージュ様、では、
おつきあいされてからまだ一月もたっていないということですの?」
「…おつきあいというか、婚約してから一月たっていませんね。」
「それなのに、ガハメント大公令息があのような甘い顔をされていますの?
あの魔王と呼ばれている方が!?」
「…魔王?」
「あっ。」
うっかり言ってしまったのだろう。
フェリア様が涙目になって口元に手を当てているが、
他の二人は目をそらして呆れているように見える。
…内緒の呼び名みたいなものだったのかしら。でも魔王って良い感じしないわ。
「大丈夫です。ジルには言いませんから。
それで、ジルは魔王と呼ばれているんですか?」
「…ええ。どんな令嬢も近寄れず、話しかけることもできません。
噂では眼鏡をしていないガハメント大公令息の目を見てまうと、
すぐさま魂を持って行かれるとも言われております。」
「えええ…さすがにそれはないと思います。
眼鏡外している時に目を合わせたことありますよ?
とても綺麗な目だと思ったけど、それ以上には何もなかったわ。」
「ふえぇぇ。リアージュ様は素顔をご存じなのですね!素敵ですわ!」
「ええ、さすがですわ!あの方に選ばれただけありますわ。
私、お二人を応援いたします!」
「私も応援したいですわ!」
「応援とは?そう言われると、何か弊害がありそうに聞こえますけど…?」
「…王女様です。」
「ん?王女様っていうのは、第一王女のジャニス様ですよね?
何かあるんですか?」
「ええ。この国には第一王子サハル様と第二王子シャハル様、
その二つ下にジャニス様がいらっしゃいます。」
「え?シャハル王子は第二王子なんですか?」
「はい。サハル王子とシャハル王子は双子です。
ですが、サハル王子はご病気で王宮でお過ごしです。
それでシャハル様があの状態ですので…。」
「あの状態…ね。」
「ええ、リアージュ様も初日に大変な思いをされたと思いますが、
高位貴族の令嬢に対してああいうことはめずらしいです。
ですが、王宮の侍女などが被害にあっているという話はよく聞きます。」
「ですから、ジャニス王女としてはご自分が女王になって、
ガハメント大公令息を王配にしたかったそうですわ。
ガハメント大公令息はその申し出をずっと断り続けていると聞いています。」
「あーでは、ジャニス王女にとって私は邪魔者というわけですか。」
「そうだと思います。
学園では他学年と会うことは少ないですけど、夜会で会うことになると思います。
お気をつけてくださいね。何かあれば盾になれるかと思いますので…。」
「ありがとう、皆さん。気を付けますね。」
ジルはあまり他の貴族の話をしないので、お茶会での情報はとてもありがたい。
自分の敵になるかもしれない方の情報は先に仕入れておきたいもの。
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