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16.シンディ様とのお茶会
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アキムがうれしそうに出て行った後、準備をどうしようかと悩む。
呼び出したのだからお茶を出さないわけにもいかない。
正式なお茶会というわけではないので、お茶菓子は簡単なものでいいだろう。
シンディ様はアルフレッド様に会いたいだけだろうし、
私は挨拶さえできれば怒って退室されたとしても問題ない。
ただ、場所をどうするかまでは考えていなかった。
「顔合わせするのにいい場所はありますか?」
「さすがにこの部屋は嫌だな。
信用できない者を私室にいれたくはないんだ」
アルフレッド様が信用できない者はいれない。
その部屋で過ごしていることをうれしいと感じて、なんだか気恥ずかしい。
「……じゃあ、どこか使っていない部屋を」
「小さいが庭がある。そこにしよう」
「わかりました。では、お茶の用意をしますね」
「あ、ちょっと待ってくれ」
アキムが戻ってきたのはそれからすぐのことだった。
伝言を伝えに行って、すぐに戻って来たらしい。
「シンディ様はすぐにこちらへ来られます!」
「わかった。アズを呼んできてくれ」
「はい?」
「聞こえなかったのか?アズを呼んで来いと言ったんだ」
「ですが、今からシンディ様が……」
「お前は誰の侍従なんだ。これくらいの使いもできないようなら首にするぞ」
「わ、わかりました」
シンディ様が来るのをここで待ちたかったのか、
アキムはものすごく嫌そうな顔で出て行った。
「アキムを追い出したかったのですか?」
「いや、すぐに戻って来るだろう。
顔合わせの間、アキムは居座ると思ったからアズを呼びに行かせたんだ。
何か問題があった時、アキムはシンディの味方をするだろう。
他にも証言できるものを置いておかないとまずいんだ」
「そういうことですか」
話している間にシンディ様が到着したようで扉のあたりが騒がしい。
アルフレッド様と行ってみると、シンディ様が騒いでいるようだ。
騎士はアルフレッド様を見て事態を報告しようとしたが、
それよりも早くシンディ様が声をあげた。
「アル兄様!この騎士を処罰してちょうだい!」
「どうしてだ」
「私の侍女を通さないって言うのよ!」
「俺が通すなと言ったからだな。
ここには一人で来いと言ったはずだ。
侍女たちは全員帰せ」
「まぁ!私一人でその女と会えと言うの!?」
完全に敵だと認識しているのか、その女呼ばわり……。
私が同盟国の王女だとわかっているのだろうか?
「お前はルーチェが王女だとわかっていないのか?
わかっていてそんな口の利き方をしているのなら、今すぐお前も帰れ!
王弟として、この国の恥を見せるわけにはいかない」
「そんな……アル兄様。洗脳でもされているの……?」
「何をわけのわからないことを言っているんだ。
おとなしく話をする気がないのなら帰れ。
これ以上の反論は許さない」
「……わかったから早く中に入れて。
兄様の部屋は奥よね?」
まだ何も言っていないのに、シンディ様は奥へと勝手に行こうとする。
それをアルフレッド様が前に出て立ちふさがり、外を指さした。
「場所は庭だ。部屋に入ろうとするな」
「ええ?外なの?……日よけもないのに」
「嫌なら帰れ」
よほど帰りたくないのか、シンディ様はふてくされた顔で外へ行く。
王宮の区画と区画の間に位置するこの庭は、
ここからしか出られないようになっている。
ふだんは使っていないのか、古びたテーブルの上に布をかぶせ、
室内から椅子を三脚運んであった。
「お茶を運んでくるから待っていろ」
アルフレッド様がお茶を運んでくれたので、私は焼き菓子を運ぶ。
テーブルの上に並べると、シンディ様がお茶を一口飲んで地面へ吐き出した。
「まっずい!あなた、お茶も満足に淹れられないわけ?
これじゃあ、私の侍女にもなれないわね」
「えっと……」
「それとも毒でも入れたの!?
私のことが気に入らないからってひどいわ!」
「お茶を淹れたのは俺だ」
「え!!」
「毒は入れていない。まずいなら飲むな」
「……」
まさか本当にこんなことを言うとは……。
呆れてしまうが、それをアルフレッド様が予想したのも怖い。
さきほど、お茶の用意をしようとしたらアルフレッド様に止められた。
毒を入れたと言い掛かりをつけられるかもしれないから、アルフレッド様が淹れると。
いつも一人でいる時は自分で淹れているそうで、手慣れているようだった。
自分の分のお茶を口にすると、何も問題はなさそうだった。
「美味しいです、アルフレッド様」
「ああ、ありがとう」
私が淹れるよりも美味しいかもしれない。
シンディ様はアルフレッド様がお礼を言ったのを聞いて、目を見開いた。
何に驚いているのかはわからないけれど、黙っている今が挨拶するいい機会かも。
「シンディ様、アントシュ国第一王女のルーチェです。
ああ、昨日からエッカルト国王の養女となり、
ベルコヴァの第一王女になりましたが」
「はぁ!?」
「やはり聞いていなかったのですね。
お義父様がシンディ様に説明するとおっしゃっていたのですが」
「何も聞いていないわよ!」
「では、私がアルフレッド様の婚約者になったことは?」
「…………は?」
呼び出したのだからお茶を出さないわけにもいかない。
正式なお茶会というわけではないので、お茶菓子は簡単なものでいいだろう。
シンディ様はアルフレッド様に会いたいだけだろうし、
私は挨拶さえできれば怒って退室されたとしても問題ない。
ただ、場所をどうするかまでは考えていなかった。
「顔合わせするのにいい場所はありますか?」
「さすがにこの部屋は嫌だな。
信用できない者を私室にいれたくはないんだ」
アルフレッド様が信用できない者はいれない。
その部屋で過ごしていることをうれしいと感じて、なんだか気恥ずかしい。
「……じゃあ、どこか使っていない部屋を」
「小さいが庭がある。そこにしよう」
「わかりました。では、お茶の用意をしますね」
「あ、ちょっと待ってくれ」
アキムが戻ってきたのはそれからすぐのことだった。
伝言を伝えに行って、すぐに戻って来たらしい。
「シンディ様はすぐにこちらへ来られます!」
「わかった。アズを呼んできてくれ」
「はい?」
「聞こえなかったのか?アズを呼んで来いと言ったんだ」
「ですが、今からシンディ様が……」
「お前は誰の侍従なんだ。これくらいの使いもできないようなら首にするぞ」
「わ、わかりました」
シンディ様が来るのをここで待ちたかったのか、
アキムはものすごく嫌そうな顔で出て行った。
「アキムを追い出したかったのですか?」
「いや、すぐに戻って来るだろう。
顔合わせの間、アキムは居座ると思ったからアズを呼びに行かせたんだ。
何か問題があった時、アキムはシンディの味方をするだろう。
他にも証言できるものを置いておかないとまずいんだ」
「そういうことですか」
話している間にシンディ様が到着したようで扉のあたりが騒がしい。
アルフレッド様と行ってみると、シンディ様が騒いでいるようだ。
騎士はアルフレッド様を見て事態を報告しようとしたが、
それよりも早くシンディ様が声をあげた。
「アル兄様!この騎士を処罰してちょうだい!」
「どうしてだ」
「私の侍女を通さないって言うのよ!」
「俺が通すなと言ったからだな。
ここには一人で来いと言ったはずだ。
侍女たちは全員帰せ」
「まぁ!私一人でその女と会えと言うの!?」
完全に敵だと認識しているのか、その女呼ばわり……。
私が同盟国の王女だとわかっているのだろうか?
「お前はルーチェが王女だとわかっていないのか?
わかっていてそんな口の利き方をしているのなら、今すぐお前も帰れ!
王弟として、この国の恥を見せるわけにはいかない」
「そんな……アル兄様。洗脳でもされているの……?」
「何をわけのわからないことを言っているんだ。
おとなしく話をする気がないのなら帰れ。
これ以上の反論は許さない」
「……わかったから早く中に入れて。
兄様の部屋は奥よね?」
まだ何も言っていないのに、シンディ様は奥へと勝手に行こうとする。
それをアルフレッド様が前に出て立ちふさがり、外を指さした。
「場所は庭だ。部屋に入ろうとするな」
「ええ?外なの?……日よけもないのに」
「嫌なら帰れ」
よほど帰りたくないのか、シンディ様はふてくされた顔で外へ行く。
王宮の区画と区画の間に位置するこの庭は、
ここからしか出られないようになっている。
ふだんは使っていないのか、古びたテーブルの上に布をかぶせ、
室内から椅子を三脚運んであった。
「お茶を運んでくるから待っていろ」
アルフレッド様がお茶を運んでくれたので、私は焼き菓子を運ぶ。
テーブルの上に並べると、シンディ様がお茶を一口飲んで地面へ吐き出した。
「まっずい!あなた、お茶も満足に淹れられないわけ?
これじゃあ、私の侍女にもなれないわね」
「えっと……」
「それとも毒でも入れたの!?
私のことが気に入らないからってひどいわ!」
「お茶を淹れたのは俺だ」
「え!!」
「毒は入れていない。まずいなら飲むな」
「……」
まさか本当にこんなことを言うとは……。
呆れてしまうが、それをアルフレッド様が予想したのも怖い。
さきほど、お茶の用意をしようとしたらアルフレッド様に止められた。
毒を入れたと言い掛かりをつけられるかもしれないから、アルフレッド様が淹れると。
いつも一人でいる時は自分で淹れているそうで、手慣れているようだった。
自分の分のお茶を口にすると、何も問題はなさそうだった。
「美味しいです、アルフレッド様」
「ああ、ありがとう」
私が淹れるよりも美味しいかもしれない。
シンディ様はアルフレッド様がお礼を言ったのを聞いて、目を見開いた。
何に驚いているのかはわからないけれど、黙っている今が挨拶するいい機会かも。
「シンディ様、アントシュ国第一王女のルーチェです。
ああ、昨日からエッカルト国王の養女となり、
ベルコヴァの第一王女になりましたが」
「はぁ!?」
「やはり聞いていなかったのですね。
お義父様がシンディ様に説明するとおっしゃっていたのですが」
「何も聞いていないわよ!」
「では、私がアルフレッド様の婚約者になったことは?」
「…………は?」
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