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47.反撃を始めよう
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シリウス様とクラデル侯爵には隠れてもらって、
私一人で中庭に並べられた者たちの前に立つ。
「お義母様、ジネット、久しぶりね」
「!!!」
「いったいなんなのよ!
こんなこと許されると思っているの!?早く縄を解きなさいよ!」
「ナディア、許さないわ!
あんたのせいで牢にまで入れられたのよ!」
「そうよ!どうして私までこんな目に!」
私の顔を見て、全員が噛みつきそうな顔で文句を言い始めた。
夫人二人は口もとに布を巻かれているから何を言っているかわからない。
「ああ、お義母様たちの布を外してくれる?話ができないわ。
そして、ジネット。あなた本当に罪が許されたと思っているの?」
「はぁ?どういうこと?」
昨日の夕方まで貴族牢に入れられていただろうに、
どうして処罰なしで釈放されたことを気にしないのだろう。
本当に罪がないとでも思っていたりする?
首をかしげていると、お義母様の口の布が外される。
「ナディア、どういうことなの!」
「オデット・モフロワ。あなたとお父様の婚姻は無効だと判断されたわ」
「……は?」
「だから、あなたはアンペール公爵夫人じゃなくて、
モフロワ公爵令嬢なのよ」
「無効だなんてどうして!?」
ようやく理解できたのか顔色を変えて聞いてくる。
化粧をしていないからか、眉と目が半分になっていて少し怖い。
「だって、お父様と夫婦関係でいたことなんてないでしょう?
ジネットはお父様の子じゃないし、ずっとモフロワ公爵家の監視下にあった。
だから、婚姻は無効で婚姻時の契約も認められない。
ここから出て行ってもらうわ」
「冗談じゃないわ!あんたなんかにそんな権限は」
「あるから言っているんでしょう。
昨日のうちに婚姻無効は陛下と王太子から承認されたわ」
衛兵の一人が書類を持ってお義母様の顔の前に差し出す。
縛られたままその書類を読んでいたお義母様は叫び出した。
「お父様を呼びなさい!お父様の許可なくこんなこと認めさせないわ!」
「陛下は疲れたそうよ」
「は?」
「隣国からの要求に従い王妃を娶った時、
元婚約者である公爵令嬢に婚約解消を認めてもらうために、
モフロワ公爵家に大きな借りができてしまった。
そのため、モフロワ公爵家の姉妹を止めることができなかったと」
モフロワ公爵家と、お義母様、元バラチエ侯爵夫人が増長していたのは、
陛下が一方的に婚約解消したことの負い目が原因だった。
おかげで巻き込まれたお父様と私はあんなに苦労することになったのだから、
陛下にもしっかりと反省してもらうけれど。
「というわけで、もうあなたはアンペール侯爵夫人ではないし、
ジネットはアンペール侯爵令嬢ではない。
この屋敷にいることはできないから、モフロワ公爵家に送り届けるわ」
「……すぐにお父様に言ってなんとかしてもらうんだから。
その時はどうなるか見てなさいよ!」
「そうよ!お祖父様はえらいのよ!
お祖父様にお願いしたらナディアなんてどうにでもできるんだから!」
アンペール侯爵家を追い出されてもモフロワ公爵家に行くならいいかと思ったのか、
元バラチエ侯爵夫人とレベッカ、ルーミアは黙った。
いつまでも文句を言い続けるお義母様とジネットに、
本当は黙ってモフロワ公爵家に送り届けるつもりだったけれど、
教えてあげることにした。
「あのね、クラデル侯爵が声明を出したの。
モフロワ公爵家とも、公爵家と取引している商会とも、
今後一切関わることをしない、って」
「……は?」
「それがどうしたっていうのよ」
一応は公爵令嬢として教育を受けてきたからか、
お義母様と元バラチエ侯爵夫人が呆然としている。
ジネットとレベッカ、ルーミアは事の重大さがわからないから平気そうだ。
だけど、それだけじゃないのよね。
「それと、お父様を監禁していた罪で前モフロワ公爵は捕まったわ。
アンペール侯爵領の税金を横領していた罪で前公爵夫人も。
今は現当主が必死で何とかしようとしていると思うけど、
両親がしていたことを知っていたのだから、そのうち捕まるでしょうね」
「まさか……お兄様まで」
「そんな。お父様だけでなくお母様も……」
「おそらくあなたたち五人を受け入れることはできないでしょうね。
だって、モフロワ公爵家が存続できるかどうかの危機だもの」
倒れそうなお義母様とバラチエ侯爵夫人。
本当にモフロワ公爵家は王家が強く出られないのをいいことにやりすぎたのだ。
「お母様、騙されないで。そんなのナディアの嘘よ!」
「そうよ!ナディアにそんな力はないわ!」
「まだそんなこと言っているの?
ああ、そっか。私とシリウス様が結婚するの知らないのね」
「は?」
「シリウス様と……結婚!?」
ジネットとレベッカ、そしてルーミアは、
学園内で私の文句を大っぴらに言っていたために孤立していた。
だから誰からも教えてもらえなかったに違いない。
周りの令息令嬢はシリウス様の婚約者になった私に嫌われないように、
この三人からは距離を取っていたらしいから。
「シリウス様の婚約者である私を殺そうとしたのよ。
何もお咎めがないわけないじゃない。
本当なら死罪だったのをこちらに引き渡してもらったの。
だって、死んだら終わりなんて許せないのよ。
お父様は今も苦しんでいるのに」
「……私たちをどうするつもりなのよ」
私一人で中庭に並べられた者たちの前に立つ。
「お義母様、ジネット、久しぶりね」
「!!!」
「いったいなんなのよ!
こんなこと許されると思っているの!?早く縄を解きなさいよ!」
「ナディア、許さないわ!
あんたのせいで牢にまで入れられたのよ!」
「そうよ!どうして私までこんな目に!」
私の顔を見て、全員が噛みつきそうな顔で文句を言い始めた。
夫人二人は口もとに布を巻かれているから何を言っているかわからない。
「ああ、お義母様たちの布を外してくれる?話ができないわ。
そして、ジネット。あなた本当に罪が許されたと思っているの?」
「はぁ?どういうこと?」
昨日の夕方まで貴族牢に入れられていただろうに、
どうして処罰なしで釈放されたことを気にしないのだろう。
本当に罪がないとでも思っていたりする?
首をかしげていると、お義母様の口の布が外される。
「ナディア、どういうことなの!」
「オデット・モフロワ。あなたとお父様の婚姻は無効だと判断されたわ」
「……は?」
「だから、あなたはアンペール公爵夫人じゃなくて、
モフロワ公爵令嬢なのよ」
「無効だなんてどうして!?」
ようやく理解できたのか顔色を変えて聞いてくる。
化粧をしていないからか、眉と目が半分になっていて少し怖い。
「だって、お父様と夫婦関係でいたことなんてないでしょう?
ジネットはお父様の子じゃないし、ずっとモフロワ公爵家の監視下にあった。
だから、婚姻は無効で婚姻時の契約も認められない。
ここから出て行ってもらうわ」
「冗談じゃないわ!あんたなんかにそんな権限は」
「あるから言っているんでしょう。
昨日のうちに婚姻無効は陛下と王太子から承認されたわ」
衛兵の一人が書類を持ってお義母様の顔の前に差し出す。
縛られたままその書類を読んでいたお義母様は叫び出した。
「お父様を呼びなさい!お父様の許可なくこんなこと認めさせないわ!」
「陛下は疲れたそうよ」
「は?」
「隣国からの要求に従い王妃を娶った時、
元婚約者である公爵令嬢に婚約解消を認めてもらうために、
モフロワ公爵家に大きな借りができてしまった。
そのため、モフロワ公爵家の姉妹を止めることができなかったと」
モフロワ公爵家と、お義母様、元バラチエ侯爵夫人が増長していたのは、
陛下が一方的に婚約解消したことの負い目が原因だった。
おかげで巻き込まれたお父様と私はあんなに苦労することになったのだから、
陛下にもしっかりと反省してもらうけれど。
「というわけで、もうあなたはアンペール侯爵夫人ではないし、
ジネットはアンペール侯爵令嬢ではない。
この屋敷にいることはできないから、モフロワ公爵家に送り届けるわ」
「……すぐにお父様に言ってなんとかしてもらうんだから。
その時はどうなるか見てなさいよ!」
「そうよ!お祖父様はえらいのよ!
お祖父様にお願いしたらナディアなんてどうにでもできるんだから!」
アンペール侯爵家を追い出されてもモフロワ公爵家に行くならいいかと思ったのか、
元バラチエ侯爵夫人とレベッカ、ルーミアは黙った。
いつまでも文句を言い続けるお義母様とジネットに、
本当は黙ってモフロワ公爵家に送り届けるつもりだったけれど、
教えてあげることにした。
「あのね、クラデル侯爵が声明を出したの。
モフロワ公爵家とも、公爵家と取引している商会とも、
今後一切関わることをしない、って」
「……は?」
「それがどうしたっていうのよ」
一応は公爵令嬢として教育を受けてきたからか、
お義母様と元バラチエ侯爵夫人が呆然としている。
ジネットとレベッカ、ルーミアは事の重大さがわからないから平気そうだ。
だけど、それだけじゃないのよね。
「それと、お父様を監禁していた罪で前モフロワ公爵は捕まったわ。
アンペール侯爵領の税金を横領していた罪で前公爵夫人も。
今は現当主が必死で何とかしようとしていると思うけど、
両親がしていたことを知っていたのだから、そのうち捕まるでしょうね」
「まさか……お兄様まで」
「そんな。お父様だけでなくお母様も……」
「おそらくあなたたち五人を受け入れることはできないでしょうね。
だって、モフロワ公爵家が存続できるかどうかの危機だもの」
倒れそうなお義母様とバラチエ侯爵夫人。
本当にモフロワ公爵家は王家が強く出られないのをいいことにやりすぎたのだ。
「お母様、騙されないで。そんなのナディアの嘘よ!」
「そうよ!ナディアにそんな力はないわ!」
「まだそんなこと言っているの?
ああ、そっか。私とシリウス様が結婚するの知らないのね」
「は?」
「シリウス様と……結婚!?」
ジネットとレベッカ、そしてルーミアは、
学園内で私の文句を大っぴらに言っていたために孤立していた。
だから誰からも教えてもらえなかったに違いない。
周りの令息令嬢はシリウス様の婚約者になった私に嫌われないように、
この三人からは距離を取っていたらしいから。
「シリウス様の婚約者である私を殺そうとしたのよ。
何もお咎めがないわけないじゃない。
本当なら死罪だったのをこちらに引き渡してもらったの。
だって、死んだら終わりなんて許せないのよ。
お父様は今も苦しんでいるのに」
「……私たちをどうするつもりなのよ」
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