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第二章
気づきと考察
しおりを挟む▶︎アルフレッド◀︎
「クソっ!! どうしたらいいんだ!!」
私は力任せに壁に拳をぶつけた。
「アルフレッド……」
イザベルの心配そうな声が聞こえる。
あぁ、ダメだ。
妻や子供に心配をかけるようなことを……。
だが、娘を教会に奪われて平常心でいられる親など
いるものか!
「お父様! 大丈夫ですよ!
お姉様は戻ってくるって言ってました!
お姉様が約束を破ったことはありません。
だから大丈夫ですよ」
ヴェルデが明るい笑顔を見せる。
この前向きな性格はヴァイオレット譲りだな。
思わず笑みがこぼれたが心のモヤモヤは
治まらない。
早くヴァイオレットを取り戻さなくては。
「……気になることがあるの。」
ソファに腰掛けたイザベルが
何かを考えるように人差し指を顎に添えた。
「アンガス教皇は何故今になってヴァイオレットを
教会を迎え入れたのかしら」
「それはヴァイオレットが
聖女だと判明したからだと……」
そこまで言って気づいた。
聖女は生まれてからすぐに教会へと迎え入れられる。
ヴァイオレットが聖女ならば
赤ん坊の頃に引き取られてもおかしくない。
ヴァイオレットが聖女だということは認めよう。
だが何故、今更ヴァイオレットを教会に?
まさか。
ヴァイオレットの魔力が暴発したときの
映像が頭によぎる。
「ヴァイオレットの魔力が暴発した際
闇の魔力を目撃したのはパーシヴァル大公爵と
夫人……ということは……」
イザベルは真剣な表情で頷く。
「ええ、どちらかがヴァイオレットの力のことを
教会に密告した可能性が高いわ」
しかし教会へ密告したとしても
パーシヴァル大侯爵には何の利益も無いはずだ。
それなのに、何故。
その瞬間頭の中に稲妻が走る。
魔力暴発事件の黒幕はシモン殿下だ。
シモン殿下はヴァイオレットを狙っていた。
あの事件の後、王妃様とシモン殿下から
正式に謝罪を受け、タチの悪い悪戯だったことは
分かったが……
本当にヴァイオレットを狙っていたとしたら?
シモン殿下がパーシヴァル大公爵を
使いヴァイオレットを殺そうと目論んでいたら……。
背筋が凍るような感覚に陥る。
何故、今まで気づかなかった……!!
「イザベル……!
このままではヴァイオレットが危ない!」
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