31 / 59
4
しおりを挟む「アリス様! お誕生日おめでとうございます!
これ、プレゼントの薔薇です!」
「お誕生日おめでとうございます!
これ、プレゼントのネックレスです!」
「プレゼントのドレスです!」
アリス様に、貴族令息達が群がっている。
わたしだったらめんどくさいけど、
アリス様は笑顔で応えていた。
アリス様、素敵…。
「おい、お前ら
どういうつもりだぁっ 俺の妹に手を出すなっ!」
アルヴァン様が令息達からアリス様を守るように
腕を広げている。
アリス様は結婚できるのだろうか……。
〈アリスったら、すごい人気ねぇー〉
セレニテは空中を泳ぐようにくるくる回った。
「ほんと、すごい人気。わたしなんかは全然だもん」
すると、セレニテは不思議そうな顔をする。
〈何言ってるの?ヴァイオレット、
あなたを恋する眼差しで見つめている男の子が
たくさんいるわよ?〉
周囲を見渡すけどそんな人いないよ?
姿を隠したボスとセレニテは
同時にため息をついたのだった。
「お前、マジか……」
隣にいたカイルがそんなわたしを見て呆れている。
「な、何ですか、その目は…」
「いや…なんでもない…。それよりもっと食べろ」
わたしの皿に小さなケーキが載せられた。
「今日はやけに優しいんですね」
「…お前、いつも俺をどんな目で見てるんだよ」
口を開きかけて、アリス様が
立っているのに気付いた。
「アリス様!!」
カイルも振り向く。
「ふふふ、楽しそうですね。
宜しければわたくしも混ぜて頂けませんか?」
「もちろんです!」
やった!お友達になれるチャンス!
「ヴァイオレット嬢は明るくてとても
素直ですね。わたくしとは正反対だわ」
え?最後の方なんて言った?
「ヴァイオレット様、せっかく知り合ったのですから
仲良くしましょうね」
アリス様が花が咲くように笑い、わたしの手を握る。
はうっ!!
「はい!!アリス様!
これからよろしくお願いします!」
「俺を相手にしているときとは態度が違うな」
ムスッとした表情のカイルを見て
アリス様はふふふと笑う。
「カイル殿下、拗ねていらっしゃるようですわね」
え?カイル拗ねてるの?
「そうなんですか?」
「す、拗ねてなんかねーよ!」
「そうですか、わたくしの勘違いかしら」
意味ありげな目をカイルに向けるアリス様。
カイルはプイッと顔を背けた。
「ふふふ、それでは二人とも
パーティーを楽しんでくださいね」
そう告げるとアリス様は王妃様と
お母様のもとへ向かっていった。
わたしは胸のドキドキを抑えるため
紅茶を口にした。
うん、いい香り。
あれ、何だか眩暈がしてきた。
あれ、あれれ?
シャンデリアが下がった天井が
回っているかのような錯覚。
「ヴァイオレット? 大丈夫か?」
カイルの声がノイズ混じりに聞こえ
視界に映る光景がぼやけて見える。
「ヴァイオレット!!」
誰かの声が暗闇の世界に響いた。
3
あなたにおすすめの小説
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか
佐藤醤油
ファンタジー
主人公を神様が転生させたが上手くいかない。
最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。
「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」
そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。
さあ、この転生は成功するのか?
注:ギャグ小説ではありません。
最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。
なんで?
坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる