チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗

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第38話 戦力倍増

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 屋敷に戻ってダイニングにある椅子いすに腰かけると、フルクが珈琲コーヒーれてくれた。帝国で一番人気のあるブランドだ。渋くて香りの強いヤツだ。


「――ふぅ」


 味わっていると、フルクも椅子に座りティーカップに手を伸ばして、口をつけた。上品に味わう姿も神々しい。


「まず、黒の聖女アマデウス様を訪ねましょう」

「あ、あのさ……気を悪くしないで欲しいんだが、教会はこの前、襲われたよな……。ほら、セクンドスとサフィラス伯爵に。だから、その……聖女様は……」

「いえ、アマデウス様は帝国のお城に住まわれているんですよ。だから無事だったんです」


 城に住んでいるから難を逃れたのか。
 という事は、皇帝陛下のインペリウム城に。

 そりゃ凄いな。あの城はまず一般人では入れないし、超厳重に守られている。だが、フルクは聖女だし、理由をつければ何とかなりそうか。


「分かった。城へ向かおう。でもその前に、モードゥスさんの状況も気になるし、そろそろアイテムの売却も完了している頃合いだろう。まずは、アイテムショップ『ラナンクルス』へ向かう。それから、お城へ」


「そうですね。今回のアイテムもありますし、きっと高く売れると思います。お金が出来たら、その……調理器具だけ買って戴けませんか?」

「ほう、フルクが欲を出すとはね」


 少し揶揄からかう意味で言った。
 すると顔を赤くするフルクは「申し訳ありません」と縮まった。あー…、ほんとこの子は。


「いいんだよ、欲張っても。フルクにはもっと幸せになって欲しいし、聖女だからって貪欲どんよくに生きちゃいけないって事はないと思う。少しは贅沢ぜいたくをしてもいいんじゃないかな」

「……その、教会の教えで、贅沢は敵だと……」

「否定はしないが、EXダンジョンを割と苦労して攻略しているんだよ。そのご褒美があってもいいじゃないか。……うん、そうだな。じゃあ、これから俺がフルクに色々買ってあげる。もっと可愛い服とかアクセサリーも。そうだ、装備だって整えなきゃ。あの第二エリアを攻略していく為には、まずは装備だろう」


 あたふた慌てるフルクは、何故かオデコを机に擦り付ける。その意外すぎる行動に、俺は驚く。って、これもしかして、煙上げてる感じ?


「……」

「えぇ……。急にどうしたのさ」


「い、いえ。その、可愛いお洋服なんて着た事ないですから、自分の姿を想像したら恥ずかしくなってしまいまして……」


 そんな理由か。でもきっとフルクなら何を着ても似合う。うん、まずは洋服を見繕うのもいいかもしれないな。


 ◆


「今日はもう日が暮れた。明日にしよう」
「はい。今日はEXダンジョンの第二エリアで大変でしたから、体を休めましょう」


 沈みゆく太陽を窓辺から眺めていると、フルクがいつしかのように小指をからめてきた。突然の行為に、俺はドキリとする。

 なんだか良い雰囲気になって――

 俺は……



「おかえりなさいませ!」



 ガシャっと扉が開くと、マルガが元気よく帰ってきた。……なんとタイミングの悪い。


「ああ、そっちこそおかえり。村はどうだった?」

「サフィラス伯爵の事件を話すと、あっさりと快諾してくれました。皆さん、やっぱり魔王を恐れているみたいですから」

「そうか! よし、これで戦力も人口も倍増か。にしても、よく反発がなかったな」


 そうくと、マルガはうなずき「どうぞ」と声を発した。どうぞ? なんの意味が……って、嘘だろオイ。


 扉の向こうから、ある人物が現れた。


「あんた……」
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