チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗

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第39話 白髪の少女

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 あの少し汚れのある白衣、片目しかない眼鏡。ややボサボサの黒髪は、まるでどこかの研究者リサーチャーとか錬金術師アルケミストっぽいが、現れたのは闇医者・・・


「メディケさん……どうして」

「久しぶりだな、アウルム。わざわざパルウァエ村からやって来たぞ~。ん、どうして? そりゃもちろん、この屋敷の留守係さ。必要だろう、留守番が」


 なるほどね、マルガが頼んでくれたのか。


「そ、そうですね。じゃあ、お願いできますか?」
「いいとも。あと、コイツも番人だ」


 と、なんだか笑顔で誰かを手招きする。


「ん~?」


 そこに現れたのは、白髪の少女だった。
 あの獣耳、尻尾……亜人らしい。


「誰ですか、この子」


 フルクがたずねると、メディケさんが高笑いする。



「ハハハ……! 聖女様、この子に見覚えがあるはずですよ。そうだろう、フェルス」



 ――フェルス?



「「フェルス!?」」


 俺とフルクは顔を見合わせる。
 その名には覚えがあったからだ。


 間違いない。


 騎乗モンスターのラマ・パコスだ。


「この少女……フェルス!? 嘘だろ……俺はてっきりかと思ったんだが……だったのかよ」


「し、失礼ですねッ、アウルム様」


 ぷんぷんと女の子は怒った。


「あぁ、ごめんごめんって……俺の事を知っているって事は、本当に?」
「そうですよぉ~、アウルム様もフルク様も知ってますよ。だって、私が運んでいましたからッ!」


 本当にフェルスかよ。

 想像もつかなかったな。まさか、こんな可憐な白髪美少女があのモンスターとは思わないし、というか……服装もワンピースで首輪とかピアスとかしちゃって、オシャレで可愛らしい。

 俺達を乗せている時は、あんなデカイのに……人型になると、こうも小さくて華奢になっちまうのか。


 ちょっと見惚れていると……


「……むぅ」


 あれ、フルクが頬を膨らませて……俺をにらんでいるよーな。き、気のせいだよな。うん。



「じゃあ、早速さっそくですまないけど……俺たちは明日、帝国へ行かなきゃなんだ。メディケさんとフェルスに屋敷は任せるよ」


「ああ、屋敷は守る。私もだが、フェルスも強いのでな。それに、EXダンジョンも少し覗いてみたい。いいかな?」


「構わないよ。権限を付与しておくよ」
「そりゃありがたい」


 メディケさんにEXダンジョンの『入場』の権限だけを与えた。これで彼はダンジョンへ入る事が出来る。


「よし、今日は各自休む! 解散!」


 ◆


 メディケさんとフェルスにも個々に部屋を与えた。案内後、俺は自室へ戻り、着替えもせず、そのままベッドに座る。


 明かりの少ない森の奥の夜空は美しく――銀河が浮いていた。あのラベンダー色のような模様は惑星状星雲。……溜息ためいきが出るほど美しい。


「今はとにかく『AP』を増大させなきゃ……。聖槍を使えるように出来れば、第二エリアも突破できるはず」


 ひとまず、第二エリアが制覇できれば、今以上に金を稼げるだろう。今日の分だけでも、ざっと見積もって『10億』は余裕だが、圧倒的に足りない。


 これから国を維持しなければならない以上、もっと必要だ。その為にも……明日はいよいよ帝国へ――!
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