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旅立ち! 目指せ無人島! 船旅かと思いきや...まさかの!
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翌日。
必要な装備を全て整え、外へ向かった。
「じゃあ、行ってくる」
「了解! 気を付けてね……って、変かもだけど、気を付けてね」
「ああ、ありがとう、リコ」
他のみんなとも挨拶を交わし、俺は天音の手配してくれたマイクロバスに装備一式を積載していく。
運転手も天音父の会社の関係者らしく、爽やかなオジサンだった。信用はできると言っていたので、大丈夫だろう。
リュック等を積み込み終わり、バスへ乗車した。
バスは港へ向かっていく。
北上の借りたという『漁船』へ乗り、無人島へ向かうのだ。
指定した場所へ向かうバス。
やがて海が見えてきた。
「……もう直ぐ到着です」
「北上さん、なんだか楽しそうだね」
「ええ、久しぶりにワクワクしています。あたしは基本、野生児なので」
なるほどね。
その気持ち、分からないでもない。
今回は旅行に行くのとは違うし、お宝目当てなので冒険だ。少しは楽しいことがあるといいけどなぁ。
祈るようにしていると、やがてバスは港に――あれ?
港を避けちゃった。
「ねえ、北上さん。港から離れてない?」
天音の言う通りだ。
船で行くのではなかったのか?
「ああ、漁船と言っていましたが……アレは嘘です」
「「はぁ!?」」
後部座席に座る大伊、琴吹、草埜も驚いていた。
みんな船で行くと思っていたからな。
バスは山の方へ向かっていく。
どこへ行くつもりだ?
てか、そっちに行っても無人島へ行けないじゃないか。
そう思っていたが、ある場所が見えてきた。
「……ここって、まさか」
「琴吹さん、知ってるのか」
「早坂くん、ここ来たことないの? この先には『空港』があるんだよ」
「く、空港!? マジか。知らなかったよ」
普段こんな山の方なんて来ないからな。
バスは坂道を登り続け、三十分ほど走り続けた。やがて、空港が見えてきた。……あれか。
「到着です。みなさん、飛行機に乗ってください」
「「ひ、飛行機!?」」
北上以外、全員が驚くしかなかった。
まてまて、当初の予定と違い過ぎる。漁船はどこ行った!?
空港で降りて、荷物を降ろしていく。
「ね、ねえ……早坂くん」
「どうした、琴吹さん」
「絆から、このこと聞いてた?」
「いや、たった今知った」
「……相変わらずの秘密主義かぁ」
「そうなのか」
「うん。秘密にするの大好きだからね、絆って」
秘密ねえ、なにかとんでもない秘密もあったら困るんだけどな。
とにかく荷物を持ち、空港の中へ。
「北上さん、ひとつ聞きたいのだが飛行機では無人島へ行けないんじゃ?」
「プライベートジェットですよ」
「プライベートジェット!?」
「はい。父の知り合いの軍人に依頼したんですよ。十人ほど乗れる大きいヤツですよ」
凄すぎだろ、それ。
天音もその手があったのかぁ……と、ちょっと惜しそうにしているし。まさか、天音の家にもプライベートジェットがあるのか……そこまで金持ちなのか。
専用の通路を歩き、飛行機へ向かう。
すると、プライベートジェット機の前に立つ軍人らしきサングラスの男がいた。
「待っていたよ、キズナ」
「お久しぶりです、マーカス。直ぐ飛べますか?」
「ああ、準備は万端さ。これでメンバーは全員か?」
「はい。紹介は省きますが、お宝探しの仲間です。マーカス、これからお願いします」
マーカスという軍人は、俺の方へ向かってきた。握手を求めてきた。……うわ、筋肉ムキムキでおっかねぇ。明らかにアメリカ人っぽいな。しかも、日本語が流暢だ。
「君がハヤサカだね」
「……そ、そうですが、なぜ俺の名前を?」
「知ってるさ。キズナから散々聞かされたからね」
そうだったのか。俺のなにを話したのやら。
「俺からもよろしくお願いします」
「任せてくれ。これでも本国では輸送機パイロットでね。湾岸戦争やアフガンで戦ったことがある」
ガチの軍人じゃないか。
ということは『アメリカ空軍』所属……すげえや。本物と初めて会った。
「大変心強いです。我々をどうか無人島まで運んでください」
「よし、さっそく出発しよう」
俺たちはプライベートジェットに荷物を運んでいく。
「わぁ、私……飛行機は始めて」
「そうなのかい、草埜さん」
「ていうか、早坂くんって落ち着きすぎじゃない!? なんでそんな冷静でいられるの。私、てっきり船かと思っていたのに……いきなり飛行機とかさ」
俺だってビビってる。
いきなり空港に連れてこられて、いきなり本物の軍人が現れて……意味わかんねぇよ。北上さんが何を考えているのかもな。
だけど、船で行くよりは安全かもしれない。
そう、流される心配がないからだ。
転覆とかそういうリスクがないし。
飛行機なら飛ぶだけだ。
落ちることさえなければ、なんてことはない。
むしろ、空の旅なんて想定外だったから、ちょっと楽しみだ。
プライベートジェットの中はなかなか広かった。座席が八はあった。俺は真ん中あたりの窓際に座った。すると、隣を巡って女子たちが言い争っていた。
「おいおい、みんな。ケンカしている場合じゃないだろ。公平にじゃんけんだ」
「仕方ないね。早坂くんの言う通り、じゃんけんにしましょ」
天音が絶対に勝つと闘志を燃やしていた。
――じゃんけんの結果……。
俺の隣は北上となった。
勝負事は本当に強いな。
「やりました」
普段は見せないようなドヤ顔で勝ち誇っていた。
他のみんなは悔しそうにそれぞれの席へ。
飛行機はついに滑走路を走る。
……おぉ、重力を感じ始めてきた。
いよいよ飛ぶのか。
「北上さん、よく飛行機を手配できたね」
「実を言うと漁船の方は不穏な動きがあったのですよ」
「不穏な動き?」
「ええ、なにやら我々を嗅ぎまわっている連中がいるようです。危険と判断して、止めました」
「そういうことだったのか。それで飛行機か」
「はい。こちらの場合、費用が掛かるので……できれば避けたかったのですがね」
それもそうか。
プライベートジェットを動かすだけで、何十万、何百万と掛かりそうだ。どうやら、北上は財宝で賄うつもりらしいが……払えなかったらどうするんだよ。
そして、ついに飛行機は空へ飛び立った。
必要な装備を全て整え、外へ向かった。
「じゃあ、行ってくる」
「了解! 気を付けてね……って、変かもだけど、気を付けてね」
「ああ、ありがとう、リコ」
他のみんなとも挨拶を交わし、俺は天音の手配してくれたマイクロバスに装備一式を積載していく。
運転手も天音父の会社の関係者らしく、爽やかなオジサンだった。信用はできると言っていたので、大丈夫だろう。
リュック等を積み込み終わり、バスへ乗車した。
バスは港へ向かっていく。
北上の借りたという『漁船』へ乗り、無人島へ向かうのだ。
指定した場所へ向かうバス。
やがて海が見えてきた。
「……もう直ぐ到着です」
「北上さん、なんだか楽しそうだね」
「ええ、久しぶりにワクワクしています。あたしは基本、野生児なので」
なるほどね。
その気持ち、分からないでもない。
今回は旅行に行くのとは違うし、お宝目当てなので冒険だ。少しは楽しいことがあるといいけどなぁ。
祈るようにしていると、やがてバスは港に――あれ?
港を避けちゃった。
「ねえ、北上さん。港から離れてない?」
天音の言う通りだ。
船で行くのではなかったのか?
「ああ、漁船と言っていましたが……アレは嘘です」
「「はぁ!?」」
後部座席に座る大伊、琴吹、草埜も驚いていた。
みんな船で行くと思っていたからな。
バスは山の方へ向かっていく。
どこへ行くつもりだ?
てか、そっちに行っても無人島へ行けないじゃないか。
そう思っていたが、ある場所が見えてきた。
「……ここって、まさか」
「琴吹さん、知ってるのか」
「早坂くん、ここ来たことないの? この先には『空港』があるんだよ」
「く、空港!? マジか。知らなかったよ」
普段こんな山の方なんて来ないからな。
バスは坂道を登り続け、三十分ほど走り続けた。やがて、空港が見えてきた。……あれか。
「到着です。みなさん、飛行機に乗ってください」
「「ひ、飛行機!?」」
北上以外、全員が驚くしかなかった。
まてまて、当初の予定と違い過ぎる。漁船はどこ行った!?
空港で降りて、荷物を降ろしていく。
「ね、ねえ……早坂くん」
「どうした、琴吹さん」
「絆から、このこと聞いてた?」
「いや、たった今知った」
「……相変わらずの秘密主義かぁ」
「そうなのか」
「うん。秘密にするの大好きだからね、絆って」
秘密ねえ、なにかとんでもない秘密もあったら困るんだけどな。
とにかく荷物を持ち、空港の中へ。
「北上さん、ひとつ聞きたいのだが飛行機では無人島へ行けないんじゃ?」
「プライベートジェットですよ」
「プライベートジェット!?」
「はい。父の知り合いの軍人に依頼したんですよ。十人ほど乗れる大きいヤツですよ」
凄すぎだろ、それ。
天音もその手があったのかぁ……と、ちょっと惜しそうにしているし。まさか、天音の家にもプライベートジェットがあるのか……そこまで金持ちなのか。
専用の通路を歩き、飛行機へ向かう。
すると、プライベートジェット機の前に立つ軍人らしきサングラスの男がいた。
「待っていたよ、キズナ」
「お久しぶりです、マーカス。直ぐ飛べますか?」
「ああ、準備は万端さ。これでメンバーは全員か?」
「はい。紹介は省きますが、お宝探しの仲間です。マーカス、これからお願いします」
マーカスという軍人は、俺の方へ向かってきた。握手を求めてきた。……うわ、筋肉ムキムキでおっかねぇ。明らかにアメリカ人っぽいな。しかも、日本語が流暢だ。
「君がハヤサカだね」
「……そ、そうですが、なぜ俺の名前を?」
「知ってるさ。キズナから散々聞かされたからね」
そうだったのか。俺のなにを話したのやら。
「俺からもよろしくお願いします」
「任せてくれ。これでも本国では輸送機パイロットでね。湾岸戦争やアフガンで戦ったことがある」
ガチの軍人じゃないか。
ということは『アメリカ空軍』所属……すげえや。本物と初めて会った。
「大変心強いです。我々をどうか無人島まで運んでください」
「よし、さっそく出発しよう」
俺たちはプライベートジェットに荷物を運んでいく。
「わぁ、私……飛行機は始めて」
「そうなのかい、草埜さん」
「ていうか、早坂くんって落ち着きすぎじゃない!? なんでそんな冷静でいられるの。私、てっきり船かと思っていたのに……いきなり飛行機とかさ」
俺だってビビってる。
いきなり空港に連れてこられて、いきなり本物の軍人が現れて……意味わかんねぇよ。北上さんが何を考えているのかもな。
だけど、船で行くよりは安全かもしれない。
そう、流される心配がないからだ。
転覆とかそういうリスクがないし。
飛行機なら飛ぶだけだ。
落ちることさえなければ、なんてことはない。
むしろ、空の旅なんて想定外だったから、ちょっと楽しみだ。
プライベートジェットの中はなかなか広かった。座席が八はあった。俺は真ん中あたりの窓際に座った。すると、隣を巡って女子たちが言い争っていた。
「おいおい、みんな。ケンカしている場合じゃないだろ。公平にじゃんけんだ」
「仕方ないね。早坂くんの言う通り、じゃんけんにしましょ」
天音が絶対に勝つと闘志を燃やしていた。
――じゃんけんの結果……。
俺の隣は北上となった。
勝負事は本当に強いな。
「やりました」
普段は見せないようなドヤ顔で勝ち誇っていた。
他のみんなは悔しそうにそれぞれの席へ。
飛行機はついに滑走路を走る。
……おぉ、重力を感じ始めてきた。
いよいよ飛ぶのか。
「北上さん、よく飛行機を手配できたね」
「実を言うと漁船の方は不穏な動きがあったのですよ」
「不穏な動き?」
「ええ、なにやら我々を嗅ぎまわっている連中がいるようです。危険と判断して、止めました」
「そういうことだったのか。それで飛行機か」
「はい。こちらの場合、費用が掛かるので……できれば避けたかったのですがね」
それもそうか。
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そして、ついに飛行機は空へ飛び立った。
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