クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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どんな家を買おうか?

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 ニュースサイトを巡っていると、宝島で複数の民間軍事会社が衝突したという記事があった。
 ま、まてまて……なぜ今更になって宝島で戦っているんだ? 意味が分からない。
 俺としては“勝手に戦え”って感じなんだがね。

「う~ん……」
「あ~、それね。びっくりだよね~」
「リコ、これについて何か知っているか?」
「それね、桃枝の仕事だよ」
「桃枝の?」
「そそ。桃枝が海外向けに偽情報を流しまくったの。それを信じたメディアが宝島にはまだお宝が眠っているって記事にしちゃってさ」
「つまりあれか、ネット情報を信じてしまった世界中の民間軍事会社が宝島に集結しちゃったわけか」

 うなずくリコ。そうか、桃枝のおかげでどこの民間軍事会社が動いたか分かるな。それに、宝島に張り付けにしておける。当面は時間が稼げるな。
 ……ただ、ロシア人は別だ。

 ヤツ等だけは俺たちを確実に追ってきている。

「あとはロシア人か~。ヤツ等は何者だろうね」
「俺にも分からん。仮面をかぶってはいたけどね」
「それじゃあ特定できないね」
「すまん、俺の力不足だ」
「そんなことないよ~、てっちゃん。それに、これから神造島へ移住するんでしょ?」
「そうだな。そこで決着をつけられるといいが」

 しかし、それよりも現金化を進めていかねば。まだまだ売れていない財宝がたくさん残っているのだ。

 月と星が進めてくれているが、二人にもいったん合流してもらわないとな。

「今はみんなを待つしかなさそうだね」
「それしかない。その間、俺たちは出来る限りのことをしていこう」
「うん、桃枝とはいつでも連絡取れるから、ネットの方は任せて」

 天才ハッカーの彼女なら、今回のように民間軍事会社を騙すくらい容易いだろうな。味方で良かったと心底思う。

「了解。みんなが到着するまでは、のんびりしているか」
「あ、そうだ。てっちゃん」
「ん、どうした?」
「新しい島へ移住するなら、いろいろ必要なものがあるでしょ?」
「言われてみれば、まだ何もそろえていないや」
「でしょ! あたしと一緒にネットで買い物しようよ」
「いいね、リコの意見も聞きたいし。天音は……寝ちゃってるからな」
「うんうん、二人きりでいいよ」

 俺はノートパソコンを出し、机の上に。
 以前のオーハ島では家があったが、今回の神造島にはなにもない。家も自分たちで作らないといけないし、建てるプランも練らないと。

「家はどうしようかな。野宿も嫌だよね」
「お風呂とトイレは必須でしょ~」
「建設に何か月も掛かるだろうしな」
「うーん……あ、前にニュースで見たことあるんだけどさ、コンテナハウスはどう? ど~んって設置するだけでお手軽だし」

 コンテナハウスか。それは名案だな。
 コンテナなら既製品を運んでそのまま設置するだけでいい。しかも、組み合わせれば一軒家――いや、それ以上に増築できる。

 頑丈で耐久性も高い。

「それいいな! お値段もお手頃だし」
「でしょー!」

 気になって調べてみると、コンテナは意外と規制があるようだった。建築法だとかいろいろうるさいようだ。しかも、値段も思ったよりする。

「リコ、コンテナは無理そうだ」
「え、マジ!?」

「コンテナは結局、業者に加工や設置とかしてもらわないとらしい。だから、入居まで時間も掛かっちゃうだろうな」
「そうなんだ……」

 意外と難しいものだな。
 けど、俺はしらべていく内にコンテナよりもプレハブハウスが目に入った。
 値段も50万前後と安い。

「まて、リコ。プレハブハウスはどうだ?」
「へえ~、コンテナとそっくりだね。こっちは値段も安いんだ。いいかもね! ……でも、だいぶ渋いね。可愛くないっていうか」

 確かに、コンテナハウスと比べておしゃれ感は薄れている。けど、調べていく内にデザイン重視なプレハブハウスも見つけた。

「これならどうよ?」
「うん、それならまだマシだね」

 木目調でかなり落ち着いた外観。エアコンとか換気扇、ドアも十分な数がある。
 値段も100万円を超えないという、驚異の安さ。

「プレハブハウスにすっか!」
「ほぼ決まりかな。一応、他の人の意見も聞いて決めよ」
「じゃ、とりあえずは保留だな」

 神造島で住む以上は快適に過ごしたい。
 家はやっぱり重要だよなぁ。
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